カイル・ブッシュが連勝で今季3勝目!
"トヨタ カムリ"が週末完全制覇
ニューハンプシャー州ロードンのショートオーバルで行われたスプリント・カップ・シリーズ第19戦は、カイル・ブッシュが予定外のグリーンピットで一旦周回遅れになりながらも、コーションのタイミングもあり首位に復帰し、今季3勝目を挙げた。エクスフィニティ・シリーズではデニー・ハムリンがポール・トゥ・ウィンで完勝。カップ・シリーズのポールポジションもカール・エドワーズが獲得しており、"トヨタ カムリ"が完全制覇した週末となった。
NASCAR SPRINT CUP SERIES
第19戦 5-hour ENERGY 301
開催日:7月19日
カイル・ブッシュが連勝で今季3勝目!
勝者に与えられる地元特産のロブスターを手に、チームクルー、家族と共に今季3勝目を祝うカイル・ブッシュ
7月19日(日)、米国北東部ニューハンプシャー州ロードンのニューハンプシャー・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第19戦「5-hour ENERGY 301」が開催された。
1990年オープンと比較的新しいコースであるロードンは、一周1.058マイル(約1.7km)のショートオーバルで、イン側からアウトに向けてせり上がっていくコーナーのバンクが最大7度と非常に浅く、フラットに近い難コース。
年に2戦カップ・シリーズ戦が行われるこのコースで、トヨタはこれまでに4勝。2012年の秋にデニー・ハムリン、2013年の秋にマット・ケンゼスが勝利を飾っている。秋の大会は"チェイス"の一戦でもあり、そのためのデータ収集においても重要なレースとなる。
17日(金)昼間の練習痩躯鬼続き、午後4時45分より予選が行われ、カール・エドワーズが今季初となるポールポジションを獲得。デイビッド・レーガンが3番手、前戦2勝目を挙げたカイル・ブッシュが4番手、ハムリンが5番手、ケンゼスが8番手と好位置につけ、9台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。
18日(土)の2回の練習走行を経て、19日(日)午後1時38分、1.058マイルオーバルを301周(318.46マイル:約510km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
ポールポジションのエドワーズは首位をキープ。2列目4番手グリッドのカイル・ブッシュが好スタートを切り2位で続くと、1-2体制の"トヨタ カムリ"が3位以下を引き離していった。
20周目、首位のエドワーズが周回遅れに引っかかった隙を突き、カイル・ブッシュが首位に浮上。ケンゼスが5位、レーガンが7位、ハムリンが9位と、5台の"トヨタ カムリ"がトップ10圏内を走行と、速さを見せる序盤戦となった。
22周目にコース上の異物によりイエローコーションが出されたが、上位8台はピットインせず。ハムリンがピットイン組先頭の9位でピットアウト。再スタート後はカイル・ブッシュが2位に2秒近い差をつけての独走状態となった。
その後はイエローコーションが出ないままの周回が続き、燃費、タイヤ共に厳しくなってきたカイル・ブッシュは、先のコーションでピットインし、追い上げてきたブラッド・ケゼロウスキー(フォード)の先行を許すことに。
80周目前後からグリーンピットが始まった。このグリーンピットで、トップ10圏内につけていたマット・ケンゼスはピットロードスピード違反を取られ、ペナルティで大きく後退。
各車グリーンピットを終え、燃費作戦を採っていた1台のみが残っていた96周目、ピットアウトしようとした車両から出火し、この日2度目のイエローコーション。ここで周回遅れとなっていたケンゼスは首位と同一周回に復帰した。
再スタート後、117周目にもコーションが出されたが、4位走行中のカイル・ブッシュはピットに入ると見せかけてコース上へ。6位につけていたエドワーズはピットへ向かい、タイヤ4本を交換。ほとんどの車両がピットインしなかったこともあり、エドワーズは22位まで後退してしまった。
再スタート後は再びイエローの出ない展開となり、170周目前後からグリーンピットが始まった。3位走行中のカイル・ブッシュと14位につけるハムリンは178周目にピットへ。カイル・ブッシュはなんとかリードラップに留まったが、ハムリンは周回遅れに。先のコーションでピットに入っていたエドワーズとケンゼスはピットを引っ張り、2位、3位へと浮上した188周目にイエローコーション。
エドワーズとケンゼスがピットインし、コースに残ったカイル・ブッシュは3位へ浮上。ケンゼス8位、エドワーズ10位、ハムリンは周回遅れを脱し21位からの再スタートとなった。
200周目にもトラブル車両によりコーションが出され、再スタートが切られると、ケンゼスが好ダッシュを見せ、カイル・ブッシュをかわして3位へ。
ケンゼス3位、カイル・ブッシュ4位、エドワーズ7位で周回を重ね、イエローコーションが出ないまま、そろそろ最後の給油ピットを行っても良いタイミングとなった244周目、カイル・ブッシュは右フロントタイヤがパンクしたと感じグリーン下で予定外のピットイン。周回遅れの21位まで一気にポジションを落としてしまった。
しかし、ピットアウトしたカイル・ブッシュは猛烈な追い上げを開始。新しいタイヤの優位性と充分な燃料で、摩耗したタイヤと燃料をセーブしている上位勢をごぼう抜きに。250周目には首位を争っていた車両もパスし、自力で周回遅れを脱してしまった。
その直後、コース上にオイルが出ているという報告により、イエローコーション。全車最後のピットインを行う中、カイル・ブッシュのみはコース上に残り、首位に立った。このピットではトヨタ勢がタイヤ2本交換作戦を採り、ケンゼス3位、エドワーズ4位、ハムリン5位へとポジションアップ。トップ5のうち4台を占め、残り44周での再スタートが切られた。
ライバルよりも数周古いタイヤながら、カイル・ブッシュは見事な再スタートを決めると、後続との差を一気に広げ、独走態勢に。
周回遅れが現れるとその差は若干詰められたものの、カイル・ブッシュは首位をキープ。ファイナルラップを示すホワイトフラッグを受けた直後、後続が壁にクラッシュしイエローコーション。ファイナルラップに入っていたため、順位はその時点で凍結となり、カイル・ブッシュが前大会に続く連勝で、今季3勝目を挙げることとなった。カイル・ブッシュは直近の4戦で3勝と絶好調。この勝利で、ドライバーズランキングでも33位に浮上。
"チェイス"入りの条件であるランキング30位まで残り58ポイントと詰め、更に"チェイス"入りへと前進した。
ケンゼスが6位、エドワーズが7位、ハムリンは14位でのフィニッシュとなった。
次戦第20戦は7月26日(日)、米国中部インディアナ州インディアナポリスのインディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われる。
TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「誰も勝てると思っていなかった。それだけに最高の勝利であり、最高のカムバックだ。我々の"トヨタ カムリ"は昨年のものよりも本当に良くなっており、努力してくれたチームに感謝している。2008年から共に戦ってきているこのチームと共に勝てて本当に嬉しい。終盤、パンクに見舞われたと思ってピットへ向かったが、コースにオイルが出ていたせいだった。幸運にもイエローコーションが出る前にリードラップに戻ることが出来、それが大きかった。ピットアウト直後の5周は、周回遅れを脱するために、多くのライバルをパスする必要があり、可能な限りハードに攻め続けた。
ピットはラッキー・ドッグを得るための車両を伝えてきたが、それはパス出来、更にリードラップに戻るには、首位の4号車(ケヴィン・ハーヴィック:シボレー)をパスしなくてはならないことが分かっていた。今日の4号車と2号車(ブラッド・ケゼロウスキー:フォード)は非常に速く、我々は僅差の3番手、しかしロングランでは厳しい状況だった。我々は復帰してからの2ヶ月、勝つために出来る限りの改善を進めてきた。もちろんこれからも更に毎週努力を続けていかなくてはならない。確かに、出来る限り多くのポイントを獲得すると言う点において勝つことは最良の方法だが、何よりも勝利は格別だ」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 4 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 301 | ||
2 | 10 | 2 | ブラッド・ケゼロウスキー | フォード | 301 | ||
3 | 12 | 4 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 301 | ||
6 | 8 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 301 | ||
7 | 1 | 19 | カール・エドワーズ | トヨタ カムリ | 301 | ||
14 | 5 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 301 | ||
18 | 3 | 55 | デイビッド・レーガン | トヨタ カムリ | 301 | ||
34 | 18 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 297 | ||
35 | 35 | 83 | マット・ディベネデット | トヨタ カムリ | 296 | ||
41 | 36 | 26 | ジェブ・バートン | トヨタ カムリ | 239 | ||
43 | 39 | 23 | J.J.イェリー | トヨタ カムリ | 202 | ||
選手権 ポイント表 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
"チェイス"争い順位(上位16台が"チェイス"入り) | |||||||
順位 | ドライバー名 | メーカー | 勝利数 | ポイント | |||
1 | ジミー・ジョンソン | シボレー | 4 | 646 | |||
2 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 2 | 734 | |||
3 | デイル・アーンハート・Jr. | シボレー | 2 | 655 | |||
8 | マット・ケンゼス | トヨタ | 1 | 578 | |||
9 | デニー・ハムリン | トヨタ | 1 | 552 | |||
10 | カール・エドワーズ | トヨタ | 1 | 487 | |||
16 | アリック・アルミローラ | フォード | 0 | 502 | |||
17 | クリント・ボウヤー | トヨタ | 0 | 500 | |||
24 | デイビッド・レーガン | トヨタ | 0 | 388 | |||
30 | デイビッド・ギルランド | フォード | 0 | 305 | |||
33 | カイル・ブッシュ | トヨタ | 3 | 247 | |||
|
|
NASCAR XFINITY SERIES
第17戦 Lakes Region 200
開催日:7月18日
デニー・ハムリンがポール・トゥ・ウィンの完勝
"トヨタ カムリ"は3台がトップ5フィニッシュ
ポール・トゥ・ウィンの完勝で今季2勝目を挙げたデニー・ハムリン
7月18日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第17戦「Lakes Region 200」がニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで開催された。
ロードンでの同シリーズ戦でトヨタは過去5勝。そのうち4勝をカイル・ブッシュが挙げている。カイル・ブッシュは今大会が記念すべきエクスフィニティ・シリーズの出場通算300戦目となった。
17日(金)に2度の練習走行を行い、18日(土)決勝を前に、午前11時15分より予選開始。今季8戦目のシリーズ出場となるデニー・ハムリンが、今季2度目のポールポジションを獲得。カイル・ブッシュが2番手、今季よりシリーズフル参戦している23歳のメキシコ人ドライバー、ダニエル・サレスが3番手と"トヨタ カムリ"が予選トップ3を独占。10台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
予選に続き、午後5時4分、1.058マイルオーバルを200周(211.6マイル:約340km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのハムリンと並んで最前列からスタートを切ったカイル・ブッシュが好ダッシュを見せ、首位に浮上。ハムリンも離されることなく、2台が3位以下を引き離しての首位争いを繰り広げた。
17周目にエンジンブロー車両によりイエローコーション。上位勢はピットに入らず、再びカイル・ブッシュとハムリンが並んで再スタート。今度はどちらも全く譲らず、並んだまま1コーナーに入っていったが、立ち上がりで僅かに2台は接触し、イン側のハムリンがスピン。どこにも接触はしなかったものの、すぐにイエローコーションとなり、スピンしたハムリンと、目前のスピンで急ブレーキを強いられたカイル・ブッシュの2台はタイヤを傷めてピットイン。揃って30位前後まで後退してしまった。
これでトヨタ勢の最上位は2位のサレスに。29周目に再スタートが切られると、ハムリンとカイル・ブッシュの猛烈な追い上げが始まった。特にハムリンの追い上げは目覚ましく、僅か6周でトップ10圏内へ浮上。カイル・ブッシュは軽く壁にヒットするなど苦しみながらも14位へ。
38周目にクラッシュ車両によりイエローコーションが出されると全車ピットへ。ここで先のコーションでタイヤを交換していたハムリンとカイル・ブッシュはタイヤ無交換、給油のみという作戦に出て一気にポジションアップ。ハムリンが首位、カイル・ブッシュは3位へと浮上した。
1台コースに残ったため、2位、4位につけたハムリンとカイル・ブッシュは、43周目の再スタートで、アウトから揃ってポジションアップ。1-2体制となった。翌周、カイル・ブッシュがハムリンをパス。しかし、ハムリンも一歩も引かず、再びサイド・バイ・サイドのバトルを展開。翌々周にハムリンが首位を奪い返すと、その後カイル・ブッシュはハンドリングの不調に見舞われ5位まで順位を落としてしまった。
58周目にスピン車両によりこの日4度目のイエローコーションが出されたが、タイヤ総本数の制限もあり、上位勢はピットインせず。サレスは電装系のトラブルに見舞われたが、無線による指示で、ピットインせず、自身で回復することに成功した。
ハムリン首位、カイル・ブッシュ5位、サレス8位で66周目に再スタート。ハムリンは首位をキープ。サレスは6位へとポジションを上げた。
その後はイエローコーションが出ず、ハムリンは2位に2秒以上の差をつけて独走。119周目にハムリンがグリーンピット。続いてカイル・ブッシュとサレスもピットへ。125周目に全車がグリーンピットを終えると、ハムリンは再び2位に3秒の差をつけて首位に復帰した。
グリーンピットから20周ほど経った141周目にコース上の異物によりイエローコーション。ピットインしなくても走り切れる残り周回のため、タイヤを交換するかどうか、悩ましいピットとなった。ここで、ハムリンはコース上でのポジションを重視しコース上に残る作戦に。カイル・ブッシュは4本交換を希望したが、無線でのコミュニケーションミスにより、2本タイヤ交換に。ハムリンを含む3台がコース上に残ったため、ハムリンが首位、カイル・ブッシュ4位、サレスが6位で、残り52周での再スタートが切られた。
ハムリンは後続の猛追を受けるも何とか首位をキープ。カイル・ブッシュは一旦3位に浮上し、タイヤを4本交換したライバルとの激しい3位争いを繰り広げたが、4位に後退。
コース上にオイルが出たため165周目にイエローコーションが出されたが、上位勢はピットインせず。残り26周での再スタートでは、ハムリンは最前列に並んだオースティン・ディロン(シボレー)の先行を許すが、すぐに追いつき、サイド・バイ・サイドのバトルに。2台は一歩も譲らないままコーナーへと進入し、共にスライドしながら僅かに接触。どちらもスピンはしなかったものの、ディロンはバランスを崩し後退。イン側にいたハムリンは何とか立て直してポジションを守り、首位を奪還した。
終盤、タイヤを交換しなかったハムリンは摩耗によるオーバーステア症状に苦しみながらもペースを維持。追いすがる後続を振り切り、トップでチェッカー。全200周中145周で首位を走行する速さを見せ、シリーズ今季2勝目を飾った。
カイル・ブッシュが4位、サレスが5位に入り、"トヨタ カムリ"は3台がトップ5フィニッシュを果たした。
次戦第18戦は7月25日(土)、インディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われる。
TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。
ドライバー デニー・ハムリン:
「ここのようなコースでのサイド・バイ・サイドのバトルでは、イン側にいるとアウト側の空力が厳しくなり、ドライビングが非常に難しくなる。今日はそんなバトルを3回もすることになったが、ショートオーバルで2台が首位を争えば当然そうなる。激しいレースだったが、レースを支配できる速さの"トヨタ カムリ"を用意してくれたチームとクルーチーフに感謝している。今日の我々の"トヨタ カムリ"は最速だった。素晴らしい一日だった」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 1 | 20 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 200 | ||
2 | 6 | 33 | オースティン・ディロン | シボレー | 200 | ||
3 | 4 | 22 | ブラッド・ケゼロウスキー | フォード | 200 | ||
4 | 2 | 54 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 200 | ||
5 | 3 | 18 | ダニエル・サレス | トヨタ カムリ | 200 | ||
15 | 19 | 28 | J.J.イェリー | トヨタ カムリ | 199 | ||
18 | 28 | 24 | エリック・マクルーア | トヨタ カムリ | 198 | ||
20 | 16 | 8 | ブレイク・コッホ | トヨタ カムリ | 198 | ||
21 | 25 | 14 | ケール・コンリー | トヨタ カムリ | 198 | ||
22 | 24 | 44 | デイビッド・スター | トヨタ カムリ | 198 | ||
33 | 29 | 26 | マット・ウォレス | トヨタ カムリ | 84 | ||
40 | 30 | 19 | ジェフ・グリーン | トヨタ カムリ | 3 | ||
|
|