カイル・ブッシュ3連勝で今季4勝目!
トヨタ「ブリックヤード」初勝利で2週連続週末完全制覇!
アメリカンモータースポーツの聖地のひとつであるインディアナポリスで行われたスプリント・カップ・シリーズ戦で、カイル・ブッシュが今季4勝目。トヨタはインディアナポリスでのシリーズ初勝利を挙げ、カップ・シリーズの全コースでの勝利を達成した。前日のエクスフィニティ・シリーズでもカイル・ブッシュはポール・トゥ・ウィン。前戦ロードンに続き、トヨタは週末のポールポジションと勝利の全てを制覇した。水曜日にシリーズ唯一のダートコースで行われたキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ戦では、デビュー3戦目のクリストファー・ベルが初優勝を飾った。
NASCAR SPRINT CUP SERIES
第20戦 Jeff Kyle 400 at the Brickyard
開催日:7月26日
カイル・ブッシュ3連勝で今季4勝目!
トヨタ「ブリックヤード」初勝利で全コース制覇
今季4勝目を挙げ、トヨタにインディアナポリスでの初勝利をもたらしたカイル・ブッシュ
7月26日(日)、米国中部インディアナ州インディアナポリスのインディアナポリス・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第20戦「Jeff Kyle 400 at the Brickyard」が開催された。
インディ500で知られる、アメリカンモータースポーツの聖地のひとつであるインディアナポリス。創設時路面がレンガ敷きだったことからブリックヤードと呼ばれ、NASCARもその名を冠した大会が1994年より行われている。
1周は2.5マイル(約4km)でバンク角が浅く、ストレートを4つの直角コーナーで結んだような形状を持つ。今大会、リアのスポイラー(トランク上のウィング状の板)の長さを増すなど、ダウンフォースと空気抵抗を増大した新規定車両で初めてのレースを戦うこととなった。
トヨタは、現在カップ・シリーズ戦が行われているコースの中で、ここインディアナポリスが唯一の未勝利。念願の初勝利を目指し、レースに臨んだ。
24日(金)新規定車両という事もあり、午前、午後、夕方と3回にわたって練習走行が行われ、25日(土)午後1時10分より予選開始。カール・エドワーズが前戦ロードンに続く2戦連続のポールポジションを獲得。デイビッド・レーガンがこちらも2戦連続となる3番手グリッド。クリント・ボウヤーが7番手、カイル・ブッシュが9番手。デニー・ハムリンは17番手、マット・ケンゼスは23番手につけ、8台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
26日(日)午後3時42分、2.5マイルオーバルを160周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのエドワーズはスタートで先行を許し2位に後退するが、離されず追撃を続け、12周目に首位を奪還。その後方では、9番手スタートのカイル・ブッシュが目覚ましい追い上げを見せ、24周目には3ワイドバトルを制し3位に浮上した。
スタートからコーションが出ないままグリーンランが続き、28周目あたりからグリーンピット開始。エドワーズとカイル・ブッシュはやや引っ張り、31周目に1-2体制でピットへ。全車がピットを終えた時点で、エドワーズが僅差の2位、カイル・ブッシュ4位、レーガン7位、ケンゼス、ボウヤー、ハムリンが11位から続き、トップ10を伺う展開となった。
44周目にコース上の異物によりこの日最初のイエローコーション。多くの車両がピットへ向かう中、グリップ不足と周回遅れに苦しみ14位へと後退していたハムリンと、レーガンはピットへ向かわず、コース上に残る作戦に。これでレーガンが2位、ハムリンは4位に浮上。タイヤ2本交換で1-2でピットアウトしたエドワーズとカイル・ブッシュが6位、7位、ケンゼス10位、ボウヤー11位で再スタートが切られた。
しかし、再スタート直後、ボウヤーがスピン。再びコーションとなり、ボウヤーは25位へ後退。
再スタート後は再びコーションが出ない展開となり、ハムリン、ケンゼス、カイル・ブッシュ、レーガンらは60周目前後にグリーンピット。エドワーズは引っ張る作戦に出て、ピット戦略が分かれた。
グリーンピットで15位に後退していたカイル・ブッシュだが、交換したタイヤの優位性も活かし、先行車を次々にパス。83周目過ぎからピットを引っ張っていたグループが次々にグリーンピットしていくと、85周目、カイル・ブッシュが首位に立った。
90周目にケンゼスがグリーンピット。その翌周にコース上の異物によりイエローコーションが出され、カイル・ブッシュ、ハムリン、レーガンがピットへ。エドワーズはここでピットに入らず、残り1回、ぎりぎりでの給油のみで走り切る作戦に出た。
コース上に残ったエドワーズが3位、直前にグリーンピットしていたため同じくピットに向かわなかったケンゼスが4位、ピットインしたカイル・ブッシュ8位、ハムリン12位、レーガン14位で再スタート。最前列の車両が1台出遅れ、カイル・ブッシュが好ダッシュを決めてジャンプアップ。エドワーズ、ケンゼス、カイル・ブッシュが2-3-4位で首位を追う体制となった。
107周目にスピン車両によりイエローコーションが出されると、上位勢はコースに残ったが、その中でカイル・ブッシュのみピットイン。タイヤを2本交換し、10位へと後退したが、再スタート後には追い上げを開始。ハムリン、ケンゼスをかわし4位へ。119周目には、3位エドワーズ、4位カイル・ブッシュ、5位ケンゼス、6位ハムリンと好位置での後半戦となった。
120周目、残り40周という絶好のタイミングでクラッシュが発生し、この日5度目のイエローコーション。カイル・ブッシュは先のピットで2本タイヤを交換していたこともあり、ここで反対側の2本のみ交換。他の車両が4本交換したため、カイル・ブッシュはトップでピットアウト。
このコーションではレーガンを含む数台がコース上に残り、レーガンは首位に浮上。しかし、再スタートして7周目の127周目にレーガンはグリーンピット。大きく順位を落とすこととなってしまった。
再スタートでは8位につけていたエドワーズが好ダッシュを決め3位へ浮上。カイル・ブッシュがこれに続いた。
残り19周でイエローコーション。首位の車両がピットインしたため、エドワーズ2位、カイル・ブッシュ3位で再スタートを切ったが、第1ターンでエドワーズは大きくスライド。かろうじてスピンは免れたもののポジションダウン。これをかわしたカイル・ブッシュが2位で首位を追撃することに。
その翌周にイエローコーションが出され、タイヤを傷めたエドワーズはピットへ。これで20位以下へとポジションを落としてしまった。
上位勢はピットインせず、2位で、最前列イン側から残り8周の再スタートを切ったカイル・ブッシュは首位を奪取。後続を引き離そうとしたが、すぐにイエローコーション。最後の2周での再スタートとなった。
この再スタートでもカイル・ブッシュは好スタートを切り首位を守ったが、またしても直後にイエローコーション。レースは4周延長され、最後の2周スプリント"グリーン・ホワイト・チェッカー"で決されることとなった。
イン側を選択したカイル・ブッシュはこの再スタートでも1コーナーで先行。テール・トゥ・ノーズ状態で追いすがる後続からの追撃を振り切り、トップチェッカー。3週連続での勝利を飾った。カイル・ブッシュは今季4勝目。直近の5戦で4勝という、復帰後の圧倒的な強さを今大会も見せつけた。
ハムリンが5位、ボウヤー6位、ケンゼスが7位、エドワーズは13位でフィニッシュ。
トヨタはこれで2007年の参戦以来、現在カップ・シリーズが開催されている23のコース全てで勝利を挙げることとなった。カップ・シリーズでのトヨタの勝利は通算72勝目。
今季4勝目を挙げたカイル・ブッシュは、前日のエクスフィニティ・シリーズもポール・トゥ・ウィンで制しており、この週末のインディアナポリスを完全制覇。トヨタは今レースのポールポジションも獲得しているため、前週に引き続き、週末のポールと勝利を制覇することとなった。
カイル・ブッシュはこの勝利で、ドライバーズランキング32位へと浮上。"チェイス"入りの条件であるランキング30位まで、23ポイントへと迫った。
次戦第21戦は8月2日(日)、米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイで行われる。
TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「信じられない気分だ!なんと言っていいかわからない。インディアナポリスでは何年も勝利を目指して戦い続け、2位に2回なっているが、この勝利は格別だ。すべてが虹色に輝いて見える。我々の"トヨタ カムリ"は素晴らしかった。クルーチーフやチームスタッフ、TRDのエンジンも最高だった。トヨタとすべてのスポンサー、そしてファンの皆さんに感謝したい。ポイントを考えても勝利は最良の結果だが、今日の勝利は、インディアナポリスでの私にとってのキャリア初勝利であり、この週末の両レースを制覇出来たという意味でも、自分にとって最高の勝利のひとつと言えるだろう。トヨタにとってもインディアナポリスで初勝利、そして、これでカップ・シリーズが行われる全てのコースで勝利を挙げたこととなり、それを自分が成し遂げられたのは嬉しい。チームや家族とともに祝いたい」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 9 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 164 | ||
2 | 2 | 22 | ジョーイ・ロガーノ | フォード | 164 | ||
3 | 6 | 4 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 164 | ||
5 | 17 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 164 | ||
6 | 7 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 164 | ||
7 | 23 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 164 | ||
13 | 1 | 19 | カール・エドワーズ | トヨタ カムリ | 164 | ||
21 | 3 | 55 | デイビッド・レーガン | トヨタ カムリ | 164 | ||
32 | 40 | 83 | マット・ディベネデット | トヨタ カムリ | 162 | ||
39 | 38 | 23 | J.J.イェリー | トヨタ カムリ | 160 | ||
選手権 ポイント表 | |||||||
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"チェイス"争い順位(上位16台が"チェイス"入り) | |||||||
順位 | ドライバー名 | メーカー | 勝利数 | ポイント | |||
1 | ジミー・ジョンソン | シボレー | 4 | 675 | |||
2 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 2 | 777 | |||
3 | デイル・アーンハート・Jr. | シボレー | 2 | 677 | |||
8 | マット・ケンゼス | トヨタ | 1 | 615 | |||
9 | デニー・ハムリン | トヨタ | 1 | 591 | |||
10 | カール・エドワーズ | トヨタ | 1 | 519 | |||
16 | クリント・ボウヤー | トヨタ | 0 | 538 | |||
24 | デイビッド・レーガン | トヨタ | 0 | 412 | |||
30 | ジャスティン・アルゲイヤー | フォード | 0 | 317 | |||
32 | カイル・ブッシュ | トヨタ | 4 | 294 | |||
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NASCAR XFINITY SERIES
第18戦 Lilly Diabetes 250
開催日:7月25日
カイル・ブッシュがポール・トゥ・ウィンで今季2勝目!
ポール・トゥ・ウィンで今季2勝目を挙げ、ウィニングランで"バーンナウト"を披露するカイル・ブッシュ(#54)
7月25日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第18戦「Lilly Diabetes 250」がインディアナポリス・モーター・スピードウェイで開催された。
カップ・シリーズ戦は1994年より行われているが、エクスフィニティ・シリーズは2012年より(当時はネイションワイド・シリーズ)の開催と歴史は浅く、今大会が4度目となる。トヨタ勢では2013年にカイル・ブッシュが勝利。カイル・ブッシュは昨年2014年も2位フィニッシュを果たしており、活躍に期待がかかった。
今大会、エクスフィニティ・シリーズの車両は、カップ・シリーズ車両同様、空気抵抗を大きくした新たな空力設定の車両で初めてとなるレースを戦う。
24日(金)に2回の練習走行を行い、25日(土)決勝を前に午前11時35分より予選が行われた。カイル・ブッシュが自身が昨年打ち立てたコースレコードを更新し、今季初、キャリア44度目となるポールポジションを獲得。これにより、カイル・ブッシュは12年連続でシリーズのポールポジション獲得となった。
今季よりシリーズにフル参戦している23歳のメキシコ人ドライバー、ダニエル・サレスが2番手、トラック・シリーズにフル参戦しながらエクスフィニティ・シリーズにも積極的にスポット参戦し、既に今季2勝を挙げている19歳のエリック・ジョーンズが3番手と"トヨタ カムリ"が予選トップ3を独占。10台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
予選の後、カップ・シリーズの予選を経て、午後3時48分、2.5マイルオーバルを100周(250マイル:約400km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
ポールポジションのカイル・ブッシュが好スタートを切り首位をキープ。その後方ではサレスとジョーンズが2位争いを展開。3台の"トヨタ カムリ"が4位以下を引き離す序盤戦となった。
8周目、早くも現れた周回遅れにカイル・ブッシュは軽く接触し、車両左側に軽いダメージを負い、ハンドリングにも不調を喫してしまった。これでペースの落ちたカイル・ブッシュを、11周目にサレスがパスし、首位に浮上。
13周目にコース上に車両が止まってしまったためイエローコーション。カイル・ブッシュのピットはダメージ修復のための準備をしていたが、通信不良に見舞われカイル・ブッシュはピットインせず。ピットインしたサレスとジョーンズが4位、6位で再スタートを切る一方、ピットインせず首位で再スタートしたカイル・ブッシュはライバルの先行を許してしまった。
23周目、23位あたりでサイド・バイ・サイドのバトルを繰り広げていたデイビッド・スターとブレイク・コッホが接触し、共にスピン。コッホはアウト側、スターはイン側の壁に激しくクラッシュし、共にリタイア。
このコーションでは9台がコース上に残ったが、カイル・ブッシュ、サレス、ジョーンズら上位勢はピットへ。サレスとジョーンズは先のピットで2本タイヤを交換していたため、ここで反対側の2本交換とし1-2でピットアウト。カイル・ブッシュは4本交換でポジションダウン。サレス10位、ジョーンズ11位、カイル・ブッシュ16位で再スタート。
31周目に再スタートが切られると、カイル・ブッシュが猛烈な追い上げを開始。僅か2周でトップ10入り、続く3周でトップ5へとポジションを上げると、先ほどのコーションでピットに入らなかった上位勢がグリーンピットを開始したこともあり、38周目にはトップに復帰した。ジョーンズ、サレスもこれに続き、3位、4位へとポジションアップ。
首位に立ったカイル・ブッシュは圧倒的速さで後続を引き離していき、グリーンでの走行が続いた60周目過ぎには、2位との差は5秒以上に。60周目を過ぎると、各車最後の給油へ向け、グリーン下でのピットストップが始まった。
65周目にカイル・ブッシュ、サレス、ジョーンズが一斉にグリーンピット。全車がグリーンピットを終えた時点で、カイル・ブッシュは2位に7秒もの大差をつけての首位、サレスが3位、ジョーンズが5位につけた。
70周目、テール・トゥ・ノーズで4位を争っていたジョーンズがコントロールを失い壁にヒット。この日3度目のイエローコーション。ジョーンズはガレージでの長い修復を余儀なくされてしまった。
これでマージンが帳消しとなってしまったカイル・ブッシュはピットに向かわず、首位で残り25周への再スタート。スタートダッシュでライアン・ブレイニー(フォード)に先行され、カイル・ブッシュは2位に後退するも、離されることなくついて行き、終盤は3位以下を大きく引き離しての2台のマッチレース状態に。
ベテランらしく、タイヤを温存しながら逆転のチャンスを待ったカイル・ブッシュは、ファイナルラップ、第2ターンでブレイニーが僅かに挙動を乱した隙を見逃さず、続くバックストレートで並びかけ、一気にパス。最後の半周で逆転したカイル・ブッシュがトップでチェッカーを受け、今季2勝目を挙げた。
カイル・ブッシュは開幕戦での負傷からの回復後、シリーズに出場した4戦で2勝、全てトップ5フィニッシュと強さを見せ、今大会の勝利で、自身の持つシリーズの最多勝利記録を72に伸ばすこととなった。
サレスは3位でフィニッシュ。シリーズフル参戦初年度のルーキーが、初めてのインディアナポリスでのレースをトップ5フィニッシュで飾り、3戦連続のトップ5フィニッシュとなった。
次戦第19戦は8月1日(土)、米国中部アイオワ州ニュートンのアイオワ・スピードウェイで行われる。
TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「最後は彼(ライアン・ブレイニー:フォード)を捕まえるに充分な距離につけており、彼がターン2で挙動を乱したのでパス出来た。クルーチーフやチームがよくやってくれたおかげだ。我々の"トヨタ カムリ"は別格の速さで、ぶっちぎりのレースも出来たはずだった。しかし、エキサイティングなレースになったと思う。新空力パッケージはドライバーへの冷却が全くないので、とにかく暑かった」
ドライバー ダニエル・サレス:
「チームにとって素晴らしい週末になった。まずチームメイトであり良き友人であるカイル(ブッシュ)の勝利を祝福したい。彼の走りは驚くべきもので、彼からとても多くのことを学んだ。我々は正しい方向に進んでおり、更なる努力と学習を続ける必要はあるが、必ず近いうちにトップでチェッカーを受けられると信じている。初めてのインディアナポリスで上位を争うことが出来、エキサイティングな経験だった。前々戦のケンタッキーに初めて家族が見に来てくれた。メキシコではいつも一緒に数多くのレースを戦ってきたが、アメリカでは初めてだった。前戦ロードン、そして今大会のインディアナポリスにも来てくれて、共に素晴らしい時間を過ごせた。彼らはこれからメキシコに帰るが、彼らが居てくれたこの3戦、全てトップ5フィニッシュと良いレースが出来たこともあり、帰りがたいようだった」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 1 | 54 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 100 | ||
2 | 11 | 22 | ライアン・ブレイニー | フォード | 100 | ||
3 | 2 | 18 | ダニエル・サレス | トヨタ カムリ | 100 | ||
18 | 17 | 28 | J.J.イェリー | トヨタ カムリ | 100 | ||
21 | 25 | 14 | ケール・コンリー | トヨタ カムリ | 98 | ||
27 | 24 | 26 | ティミー・ヒル | トヨタ カムリ | 97 | ||
29 | 32 | 24 | エリック・マクルーア | トヨタ カムリ | 96 | ||
34 | 3 | 20 | エリック・ジョーンズ | トヨタ カムリ | 80 | ||
36 | 27 | 44 | デイビッド・スター | トヨタ カムリ | 22 | ||
37 | 21 | 8 | ブレイク・コッホ | トヨタ カムリ | 22 | ||
40 | 35 | 19 | ジェフ・グリーン | トヨタ カムリ | 2 | ||
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NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第11戦 1-800-Car-Cash Mud Summer Classic
開催日:7月22日
3戦目のクリストファー・ベルがダート戦で初優勝!
ダートでのドリフトバトルを制しキャリア初勝利を挙げたクリストファー・ベル(#54)
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第11戦「1-800-Car-Cash Mud Summer Classic」が7月22日(水)に米国北部オハイオ州ロスバーグのダートオーバル、エルドラ・スピードウェイで開催された。
エルドラ戦は、NASCARのトップ3カテゴリーで唯一ダートオーバルで行われる大会。ダートならではの迫力あるドリフトで人気があり、今年で3年目の開催となる。トヨタは昨年勝利を挙げている。
アメリカのモータースポーツでは、ローカルレースとしてダートオーバルを使用したものが各地で行われており、NASCARにもダートオーバル上がりのドライバーは多い。今大会はシリーズレギュラードライバーの他、ダートを得意とするドライバーや、水曜開催という事もあって、週末のインディアナポリス戦に出場するカップのトップドライバーなども参戦して行われた。
カイル・ブッシュ・モータースポーツから今季トラック・シリーズにデビューし、3戦目の出場となる20歳のクリストファー・ベルは、ミジェットカーやスプリントカーと呼ばれる、ダートオーバルレースでキャリアを積んできており、その活躍に期待がかかった。
0.5マイル(約800m)ショートオーバルダートで行われる今大会は、通常とは予選、レースフォーマット共に異なる独自の方法で実施された。まず22日(水)朝から2度にわたる練習走行を経て午後5時15分より、1台ずつの予選アタックを行い、その後行われる予選レースでの組み合わせとグリッドを決定。午後7時より、7台ずつ5グループに分け、各10周の予選ヒートレースを実施。各ヒート上位5台ずつで25台分のグリッドが決定し、6位以下の車両によるラストチャンスレース(15周)での上位2台、残る4台はオーナーポイント順、最後の1台は過去のチャンピオンもしくはオーナーポイントで決定される。
トヨタ勢では第3ヒートで勝利した、58歳のベテラン、ケン・シュレーダーが3番手、第4ヒートで勝ったベルが4番手。ジョニー・ソーターが7番手、ティモシー・ピーターズ8番手、18歳のカナダ人ドライバー、キャメロン・ヘイリー9番手。2年連続シリーズチャンピオンのマット・クラフトンは12番手、19歳のエリック・ジョーンズは19番手につけ、9台の"トヨタ タンドラ"が決勝に進んだ。
予選ヒートとラストチャンスを終えて間もない午後9時20分、美しい夕日から、闇が迫るコースで、土煙と共に0.5マイルオーバルを3セグメントに分けての150周(75マイル:約120km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
最前列3番手グリッドのシュレーダーはスタートで出遅れ後退。代わってソーターがジャンプアップしトヨタ勢の最上位に。2位3位を走行するソーターに、ベル、クラフトンが続いた。
序盤からスピンによるイエローコーションが多発。32周目、この日3度目のコーションからの再スタートで、ベルが2位へ浮上。クラフトンがこれに続いた。
最初の60周のセグメントでは、タイヤ交換及び給油は認められておらず、順位変動は純粋にコース上でのみ。コース上でインからアウトまで様々なラインを取り、大きなドリフトアングルで激しい順位争いが繰り広げられた。
42周目、この日4度目のイエローコーションからの再スタートで、最前列イン側2位につけていたベルが好ダッシュを決め首位に浮上。その後方で一番イン側のラインを取り、バトルを繰り広げたクラフトンが2位へと浮上し、"トヨタ タンドラ"の1-2体制となった。
更に1度のコーションを経てもベルは首位をキープ。54周目にもスピン車両でコーションが出されると、これがコンペティション・コーションを兼ねることとなり、セグメント1が終了。1台を除き、全車ピットへ向かった。
ベルは4本タイヤを交換、調整と給油を行い、コース上に残ったカップ・シリーズのトップドライバー、ブラッド・ケゼロウスキー(フォード)と最前列に並んで再スタート。イン側から好ダッシュで首位を奪ったベルは、後続を引き離し独走状態に。後方では時に4ワイドとなる激しい接近戦が繰り広げられた。
66周目、トップ10圏内を走行していたソーターが壁にヒット。しかし、イエローコーションは出ず。72周目にコース上の異物でコーションが出されたが、再スタートでベルは首位をキープ。
94周目にスピン車両でイエローコーションとなり、この再スタートでは、ベルと同じくダートレース出身で、序盤から上位を争っていたボビー・ピアース(シボレー)が先行。2台がコーナー毎にドリフトのクロスラインで順位を入れ替えあう、激しい首位争いとなった。
106周目にベルが首位を奪取。111周目、後方集団で4台が絡む多重クラッシュが発生し、これで第2セグメントが終了。
第3セグメントが残り37周で切られると、再び先行するベルにピアースが迫り、後続を引き離してのマッチレースを展開。その後方では、クラフトンがレギュラー勢の中で4位を争い、ジョーンズもようやくトップ10へとポジションを上げてきた。
残り10周となった140周目、13位を走行していたピーターズがスピン。残り6周で再スタート。しかし、ファイナルラップを目前にした148周目にもスピン車両が発生し、レースは4周延長、最後の2周の"グリーン・ホワイト・チェッカー"で決されることとなった。
最前列アウト側がベル、イン側がピアース、2列目アウト側4位ににクラフトンというポジションで残り2周の再スタート。好ダッシュを見せたベルが、アウト側ギリギリでドリフトしながら首位を守る一方、逆転を狙った後続はイン側に入り、激しいバトルを展開。
ファイナルラップの最終ターンまでピアースの猛追は続いたがベルが逃げ切り、デビュー3戦目にして、嬉しいキャリア初勝利を挙げた。トヨタはエルドラで2年連続の勝利。
最後の混戦の中でポジションを上げたジョーンズが4位。ヘイリーが8位、クラフトンは9位でフィニッシュした。
次戦第12戦は8月1日(土)にポコノ・レースウェイで開催される。
TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。
ドライバー クリストファー・ベル:
「信じられない。2年前にこのレースをTVで見たとき、私はオクラホマから来てミジェットレースを始めたばかりの子供だった。ここ(エルドラ)には何度か来ているが、2年前の私に、エルドラでの私の初勝利はトラック・シリーズだよと言ったら、頭がおかしいんじゃないかと答えただろう。トラックのエルドラ戦で勝てるなんて、夢にも思わなかった。ボビー(ピアース:シボレー)のことは昨年まで知らなかったが、ダート上がりの2人が首位を争い、1-2フィニッシュ出来たのは嬉しい。トヨタ、TRD、全てのスポンサー、そして今夜ここに来てくれた全てのファンに感謝したい。本当にファンタスティックで、ここ(ヴィクトリーレーン)に立てて感激している」
ドライバー エリック・ジョーンズ:
「昨年もあまり調子は良くなかったが、今年も特にトラブルは無かったのに、勝利を争うポジションにはつけられなかった。トップ5に入れたのは残り10周を切ってからだった。もっと早く上位争いに加わりたかったが、19番手という後方スタートでポジションアップに時間がかかった。我々の"トヨタ タンドラ"は好調だったが、ポジションに恵まれなかった。ポイントの面で考えれば、争っている88号車(マット・クラフトン)よりも前でフィニッシュ出来たので、良しとしなくてはならないだろう」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 4 | 54 | クリストファー・ベル | トヨタ タンドラ | 154 | ||
2 | 1 | 63 | ボビー・ピアース | シボレー | 154 | ||
3 | 5 | 19 | タイラー・レディック | フォード | 154 | ||
4 | 19 | 4 | エリック・ジョーンズ | トヨタ タンドラ | 154 | ||
8 | 9 | 13 | キャメロン・ヘイリー | トヨタ タンドラ | 154 | ||
9 | 12 | 88 | マット・クラフトン | トヨタ タンドラ | 154 | ||
11 | 3 | 52 | ケン・シュレーダー | トヨタ タンドラ | 154 | ||
12 | 27 | 11 | ベン・ケネディ | トヨタ タンドラ | 154 | ||
21 | 22 | 51 | マット・ティフト | トヨタ タンドラ | 154 | ||
22 | 7 | 98 | ジョニー・ソーター | トヨタ タンドラ | 153 | ||
23 | 8 | 17 | ティモシー・ピーターズ | トヨタ タンドラ | 153 | ||
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