2015年10月13日(火)配信

デニー・ハムリン4位、カール・エドワーズが6位フィニッシュ

スプリント・カップ・シリーズは"チェイス"第2ラウンド初戦が『聖地』シャーロットで行われ、デニー・ハムリンが4位、カール・エドワーズが6位フィニッシュ。序盤上位を争ったカイル・ブッシュとマット・ケンゼスは不運なアクシデントに見舞われ、それぞれ20位、42位に終わった。エクスフィニティ・シリーズでは、中盤戦レースを支配したカイル・ブッシュが接触で脱落。19歳のエリック・ジョーンズが2位、23歳のメキシコ人ドライバー、ダニエル・サレスが4位でフィニッシュした。

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第30戦 Bank of America 500

開催日:10月11日

デニー・ハムリン4位、カール・エドワーズが6位フィニッシュ

4位でフィニッシュしたデニー・ハムリン(#11)
4位でフィニッシュしたデニー・ハムリン(#11)

 10月11日(日)、米国東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第30戦「Bank of America 500」が開催された。
 シーズン終盤の10戦で、上位ドライバーによってタイトルを争うプレーオフ"チェイス"は4戦目、当初の16名から12名へと対象ドライバーが減っての第2ラウンド"コンテンダー12"に入った。トヨタ勢は"チェイス"序盤の3戦中2勝を挙げ、マット・ケンゼス、デニー・ハムリン、カール・エドワーズ、カイル・ブッシュの4名がこの第2ラウンドへ進出。悲願のタイトルを目指す。
 NASCARの関係企業やチームの多くが本拠地を持ち、聖地のひとつと言えるシャーロットでは、年に2回のシリーズ戦とオールスター戦が行われており、トヨタはシリーズ戦で過去3勝。今年の春の大会でエドワーズが勝利。また、今季のオールスター戦では、ハムリンがトヨタにオールスターでの初勝利をもたらした。

 8日(木)昼過ぎからの練習走行を経て、午後7時20分より行われた予選では、5月に同じシャーロットで行われたCoca-Cola 600でもポールポジションを獲得したケンゼスが、今季4度目となるポールポジションを獲得。カイル・ブッシュが2番手で続き、"トヨタ カムリ"が最前列グリッドを独占。ハムリンは5番手、エドワーズ8番手と、"チェイス"を争うトヨタドライバー4人が揃って好位置につけ、決勝に臨むこととなった。

 ナイトレースとして決勝レースが予定されていた10日(土)は雨に見舞われ、11日(日)に順延。11日(日)午後0時32分、1.5マイルオーバルを334周(501マイル:約640km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
 最前列アウト側2番手スタートのカイル・ブッシュがケンゼスを抑え先行。後方では、ほぼ最後尾スタートのジェブ・バートンが接触によりパーツが飛び散りいきなりのイエローコーション。再スタート後はケンゼスが首位をキープ。途中、27周目からのコンペティション・コーションを経た後も、ケンゼスは首位を守り、2位以下との差を2秒ほどに広げて独走した。
 61周目にクラッシュ車両によりこの日3度目のコーションが出され全車ピットイン。再スタート後、僅か10周で、"チェイス"争いのひとりであるデイル・アーンハート・Jr.(シボレー)が壁にヒットしイエローコーション。ピット戦略が別れ、ノーピットのカイル・ブッシュが2位、ピットインしタイヤを2本交換したデイビッド・レーガンが11位、4本交換したケンゼスは13位、ハムリン14位、エドワーズ16位までポジションを落としてしまった。
 その後はイエローコーションが出ず、カイル・ブッシュが首位に離されることなく2位で追走。3位以下は大きく離れる展開に。ハムリンはトップ10圏内に浮上したが、ケンゼスとエドワーズはトップ10を伺う位置での走行が続いた。
 120周を過ぎたあたりから、先のコーションでピットインしなかった上位勢がグリーンピットとなり、カイル・ブッシュは一旦周回遅れとなるが、その後もグリーンでの走行が続いたため、全車グリーンピットを行うこととなり、カイル・ブッシュは2位へと復帰。
 その後もグリーンランが続き、大きな順位変動のないままレースは折り返し。まもなく上位勢の2度目のグリーンピットかと思われた168周目、コース上の異物によりこの日5度目のイエローコーション。全車ピットへ向かったが、ここで12位につけていたケンゼスは、若干自分のピットエリアを行き過ぎ、押し戻されることに。また、接触で変形していたフェンダーの修復でもタイムを費やし、20位へと後退。カイル・ブッシュ4位,ハムリン6位、エドワーズ8位で174周目に再スタート。
 しかし、再スタートから僅か3周、接近戦の中でケンゼスは他車に後方から接触され、バランスを崩して壁にヒット。変形したフェンダーとタイヤが接触してバーストし、スローダウン。イエローコーションとなった。
 このコーションの後にも、すぐにコース上にオイルが出たとして連続でイエローコーションが出されることに。先のコーションでのピットから20周ほどという微妙な周回でのイエローコーションとなり、3位走行中のカイル・ブッシュは、前の2台がピットに入らないのを見て、一瞬ピットへと向かったと見せかけて、再びコースへと戻ろうとしたが、前を走っていたカイル・ラーソン(シボレー)が急に車線を変えてピットへ向かってきたために、2台は接触。ラーソンはピットレーン上でスピン。カイル・ブッシュはそのままピットへ向かったが、この接触による車体右前部分の修復に時間を要し、また、ピットロードでのスピード違反も取られ、首位と同一周回最後尾の23位へと後退してしまった。
 201周目に再スタート。ハムリンは4位、エドワーズ5位、この連続するコーション間に何度もピットインし、修復を続けたケンゼスは13位で再スタートを切ったものの、壁にヒットしスローダウン。イエローコーションが出なかったため、グリーン下でのピットとなり、加えてこの修復作業のために規定以上の人数がピットロードに出て作業したためにペナルティを受けることに。結果、ケンゼスは3周遅れでコースへ復帰し、序盤のクラッシュで同じ3周遅れとなっていたアーンハート・Jr.と、"チェイス"次ラウンド進出へ向け1ポイントでも多く獲得すべく、30位前後でのバトルを展開した。
 230周目過ぎには、上位勢がグリーンピット。20位前後走行ながらなんとか上位浮上を目指していたカイル・ブッシュは、最後までピットを引っ張り、13位までポジションを上げたが、まだコース上の一部に残っていたオイルに乗って壁にヒット。直後にピットインしたが、グリーンピットでの修復で時間を取られ、周回遅れとなってしまった。
 修復のためにピットタイミングがずれ、2周遅れへと復帰していたケンゼスだったが、240周目、激しく壁にクラッシュ。ダメージは大きく、ガレージでの修復を試みたが叶わず。序盤73周にわたって首位を独走したケンゼスだったが、100周ほどを残してレースを終えることとなってしまった。
 ケンゼスのクラッシュによって出された、残り100周を切ってのコーションで、全車ピットへ。ハムリンが3位、エドワーズ7位、カイル・ブッシュは1周遅れの26位で、残り88周での再スタート。カイル・ブッシュはすぐに周回遅れの最上位へと浮上し、コーションによる"ラッキー・ドッグ"での首位と同一周回復帰のタイミングを待った。
 しかし、イエローコーションは出ず。残り周回が50周を切ったあたりから各車最後の給油とタイヤ交換のためにグリーン下でのピットイン開始。
 結局、終盤の88周はイエローコーションが出ることなく、ハムリンが4位、エドワーズが6位でフィニッシュ。カイル・ブッシュは1周遅れの20位でレースを終えることとなった。
 この結果、上位8台が進める次ラウンドへ向けてのランキング争いは、ハムリンが4位、エドワーズ6位、カイル・ブッシュは当落ラインの8位と10ポイント差の10位。ケンゼスは"チェイス"ドライバー最下位の12位に。しかし、続く2戦で勝利を飾れば、ポイントには関係なく次ラウンドへの進出が決まるため、次戦カンザスで過去2勝を挙げているケンゼスの活躍に期待がかかる。

 次戦第31戦は10月18日(日)、米国中西部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイで行われる。

 TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。

ドライバー デニー・ハムリン:
「チームが素晴らしい仕事をしてくれて、間違いなく練習走行の時よりも全てが良くなった。全ての面で変更を試し、最後はトップ5フィニッシュが出来た。まずは第一段階クリアだ。このコースは、当初決勝が予定されていた夜と、順延されて今日行われた昼間では大きく特性が変わる。全く別物と言っていい。しかし、チームの頑張りもあり、良いレースが出来た」

ドライバー カール・エドワーズ:
「最後は追い抜きがとても難しかった。全力を尽くしたが、もし最後の再スタートでもうちょっとポジションを上げられていれば、トップ3フィニッシュも可能だっただろう。とは言え、着実にポイントを稼げた良い一日だった。"チェイス"進出についてはまだ全く分からない。どんなことでも起こりうる。勝たない限り気を抜くことは出来ない」

ドライバー カイル・ブッシュ:
「何が起こったのか分からない。しかし、チームが素晴らしい仕事でコースに復帰させてくれた。一列になりやすいこのコースでは追い越しが難しく、特に一時はコースの一番アウト側のラインにオイルが出ており、無理をすると壁に当たってしまう状況だった。厳しい状況ではあるが、全力で戦い続けるしかない」

ドライバー マット・ケンゼス:
「我々は序盤本当に速かったが、周回遅れに阻まれたのと、ピットでミスをして後方からの追い上げを強いられた。接触については正直に言って全く分からない。残念ではあるが、こういう日もある。僅かなミスが大きく響いてしまった。気持ちを次に切り替える。次戦カンザスには自信がある。これまで、私はレース後に『次戦勝てる自信がある』と言ったことはない。それは容易なことではないからだ。しかし、今朝の私がそうだったように、来週へ向けて自信を持っている。我々には今、本当に速い"トヨタ カムリ"があり、例えそうでない時でも共に勝利を挙げてきた強いチームがある。次戦も、その次のタラデガも、可能な限りハードに戦っていく」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1322ジョーイ・ロガーノフォード334
2114ケヴィン・ハーヴィックシボレー334
31578マーティン・トゥルークス・Jr.シボレー334
4511デニー・ハムリントヨタ カムリ334
6819カール・エドワーズトヨタ カムリ334
112315クリント・ボウヤートヨタ カムリ334
20218カイル・ブッシュトヨタ カムリ333
294083マット・ディベネデットトヨタ カムリ330
333526J.J.イェリートヨタ カムリ328
371955デイビッド・レーガントヨタ カムリ289
414123ジェブ・バートントヨタ カムリ244
42120マット・ケンゼストヨタ カムリ236
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1ジョーイ・ロガーノフォード3048
2ケヴィン・ハーヴィックシボレー3042
3マーティン・トゥルークス・Jr.シボレー3041
4デニー・ハムリントヨタ3040
6カール・エドワーズトヨタ3039
10カイル・ブッシュトヨタ3025
12マット・ケンゼストヨタ3003
16クリント・ボウヤートヨタ2082
28デイビッド・レーガントヨタ583
35マット・ディベネデットトヨタ334
39ジェブ・バートントヨタ175
43ブライアン・ヴィッカーズトヨタ32
44マイケル・ウォルトリップトヨタ26
46マイク・ウォレストヨタ8
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1シボレー1315
2トヨタ1268
3フォード1248

NASCAR XFINITY SERIES
第29戦 Drive for the Cure 300

開催日:10月9日

エリック・ジョーンズが2位フィニッシュ
カイル・ブッシュは中盤戦を支配するも接触リタイア

中盤戦を支配しながらアクシデントでレースを終えたカイル・ブッシュ(#54)と、2位でフィニッシュしたエリック・ジョーンズ(#20)
中盤戦を支配しながらアクシデントでレースを終えたカイル・ブッシュ(#54)と、2位でフィニッシュしたエリック・ジョーンズ(#20)

 10月9日(金)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第29戦「Drive for the Cure 300」がシャーロット・モーター・スピードウェイで開催された。
 シャーロットでの同シリーズ戦は年に2戦行われており、トヨタは過去7勝、うち6勝をカイル・ブッシュが挙げている。

 8日(木)の2度の練習走行を経て、9日(金)決勝を前に午後4時45分より予選が行われ、今季キャンピング・ワールド・トラック・シリーズにフル参戦中で、エクスフィニティ・シリーズにも積極的に出場している19歳のエリック・ジョーンズが2列目3番手。カイル・ブッシュが5番手、今季よりシリーズにフル参戦している23歳のメキシコ人ドライバー、ダニエル・サレスが7番手につけ、10台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。

 予選に続き、午後8時17分、1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。予選上位のトヨタ勢はスタートで揃って若干ポジションダウンを喫するも、カイル・ブッシュを先頭にじりじりと追い上げを開始。カイル・ブッシュは10周目に3位、17周目に2位に上がると、エリック・ジョーンズを従え、一時は2.5秒近くあった前走車との差を詰めていき、40周目に首位を奪った。
 スタートからグリーンランが続き、ちょうど燃料が厳しくなってきた48周目にコース上の異物によりイエローコーション。このピット作業では3位のエリック・ジョーンズがひとつポジションを上げ、首位キープのカイル・ブッシュと1-2体制に。後方では、スタートで出遅れ15位まで後退するも、追い上げを続けていたサレスが激しいバトルを展開し、ポジションを上げていった。
 カイル・ブッシュとエリック・ジョーンズが後続を引き離したまま周回が重ねられていき、レース折り返しとなる100周目あたりからグリーンピット開始。最後までピットを引っ張ったサレスが102周目にリードラップを獲得。全車がグリーンピットを終えた時点で6位につけていたサレスは、その後もバトルを続け、115周目にはトップ5入りを果たした。
 142周目にコース上の異物によりこの日2度目となるイエローコーション。最後まで走り切るにはぎりぎりの残り周回ながら全車ピットへ。ここでもカイル・ブッシュとエリック・ジョーンズはポジションを守り、最前列に並んでの再スタートを切ったが、カイル・ブッシュがやや出遅れ、3位に後退。
 ポジションを取り戻そうとしたカイル・ブッシュだったが、同じカップ・ドライバーのケイシー・ケイン(シボレー)と激しく3位を争う中で数度にわたって接触。150周目には2台揃って壁にヒット。車両右側にダメージを負ったカイル・ブッシュは、中盤戦100周にわたっての首位独走でレースを支配しながら、ここでレースを終えることとなってしまった。
 このアクシデントにより3度目のイエローコーションが出され、残り44周で再スタート。エリック・ジョーンズは2位を守り、首位追走を続けたが届かず、2位でフィニッシュ。カイル・ブッシュの脱落により4位に上がったサレスもポジションを守り、4位でチェッカーを受けた。

 次戦第30戦は10月17日(土)、カンザス・スピードウェイで行われる。

 TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。

ドライバー エリック・ジョーンズ:
「2位は悔しいが、全体的に見れば良い夜だった。我々はレースを通して上位を争い、着実にフィニッシュした。調整も、ピットストップも上手く行った。ただ、今夜はずっと2位を走り、一度も首位には立てなかった。54号車(カイル・ブッシュ)が今日は本当に強かった。彼は我々より少し速く、その後は33号車(オースティン・ディロン:シボレー)がやはり我々を上回った。何故彼が速かったのかは分からないが、最後の再スタートで前に出て、先頭でクリーンエアを得たのは大きかっただろう。何度もアタックしたが逆転は叶わなかった。次にこのシリーズで参戦するテキサスでは更に良い"トヨタ カムリ"を得て、次こそ勝利を狙いたい」

ドライバー ダニエル・サレス:
「レースウィークの始まりは調子がもう一つだったのだが、チームのおかげでどんどん速くなっていった。最後はトップ5の速さにまで仕上がり、カップ・シリーズのトップドライバー達とバトルが出来たのは凄いことだ。ただ、まだやるべき事はある。早く一勝を挙げたい」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1133オースティン・ディロンシボレー200
2320エリック・ジョーンズトヨタ カムリ200
31322ブラッド・ケゼロウスキーフォード200
4718ダニエル・サレストヨタ カムリ200
192128J.J.イェリートヨタ カムリ198
252744デイビッド・スタートヨタ カムリ194
264014ケール・コンリートヨタ カムリ193
283224エリック・マクルーアトヨタ カムリ191
31554カイル・ブッシュトヨタ カムリ153
33248ブレイク・コッホトヨタ カムリ149
363026T.J.ベルトヨタ カムリ56
402919ジェフ・グリーントヨタ カムリ3
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1クリス・ブッシャーフォード1055
2チェイス・エリオットシボレー1029
3リーガン・スミスシボレー1021
7ダニエル・サレストヨタ927
12J.J.イェリートヨタ709
16デイビッド・スタートヨタ630
17ブレイク・コッホトヨタ554
18ケール・コンリートヨタ547
20エリック・マクルーアトヨタ498
30ボリス・セイドトヨタ157
32マイク・ブリストヨタ141
39ジェフ・グリーントヨタ103
48ケニー・ハブルトヨタ61
49ベニー・ゴードントヨタ60
50ケニー・ウォレストヨタ56
54ロス・ケンゼストヨタ39
55トミー・ドリッシトヨタ39
63マット・ウォレストヨタ30
64ハーミー・サドラートヨタ27
66Cj.フェイソントヨタ25
68チャールズ・ルワンドスキトヨタ23
70ブラッド・ティーグトヨタ18
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1シボレー1264
2フォード1259
3トヨタ1236
4ダッジ356