デニー・ハムリン4位、カール・エドワーズが6位フィニッシュ
スプリント・カップ・シリーズは"チェイス"第2ラウンド初戦が『聖地』シャーロットで行われ、デニー・ハムリンが4位、カール・エドワーズが6位フィニッシュ。序盤上位を争ったカイル・ブッシュとマット・ケンゼスは不運なアクシデントに見舞われ、それぞれ20位、42位に終わった。エクスフィニティ・シリーズでは、中盤戦レースを支配したカイル・ブッシュが接触で脱落。19歳のエリック・ジョーンズが2位、23歳のメキシコ人ドライバー、ダニエル・サレスが4位でフィニッシュした。
NASCAR SPRINT CUP SERIES
第30戦 Bank of America 500
開催日:10月11日
デニー・ハムリン4位、カール・エドワーズが6位フィニッシュ
4位でフィニッシュしたデニー・ハムリン(#11)
10月11日(日)、米国東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第30戦「Bank of America 500」が開催された。
シーズン終盤の10戦で、上位ドライバーによってタイトルを争うプレーオフ"チェイス"は4戦目、当初の16名から12名へと対象ドライバーが減っての第2ラウンド"コンテンダー12"に入った。トヨタ勢は"チェイス"序盤の3戦中2勝を挙げ、マット・ケンゼス、デニー・ハムリン、カール・エドワーズ、カイル・ブッシュの4名がこの第2ラウンドへ進出。悲願のタイトルを目指す。
NASCARの関係企業やチームの多くが本拠地を持ち、聖地のひとつと言えるシャーロットでは、年に2回のシリーズ戦とオールスター戦が行われており、トヨタはシリーズ戦で過去3勝。今年の春の大会でエドワーズが勝利。また、今季のオールスター戦では、ハムリンがトヨタにオールスターでの初勝利をもたらした。
8日(木)昼過ぎからの練習走行を経て、午後7時20分より行われた予選では、5月に同じシャーロットで行われたCoca-Cola 600でもポールポジションを獲得したケンゼスが、今季4度目となるポールポジションを獲得。カイル・ブッシュが2番手で続き、"トヨタ カムリ"が最前列グリッドを独占。ハムリンは5番手、エドワーズ8番手と、"チェイス"を争うトヨタドライバー4人が揃って好位置につけ、決勝に臨むこととなった。
ナイトレースとして決勝レースが予定されていた10日(土)は雨に見舞われ、11日(日)に順延。11日(日)午後0時32分、1.5マイルオーバルを334周(501マイル:約640km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
最前列アウト側2番手スタートのカイル・ブッシュがケンゼスを抑え先行。後方では、ほぼ最後尾スタートのジェブ・バートンが接触によりパーツが飛び散りいきなりのイエローコーション。再スタート後はケンゼスが首位をキープ。途中、27周目からのコンペティション・コーションを経た後も、ケンゼスは首位を守り、2位以下との差を2秒ほどに広げて独走した。
61周目にクラッシュ車両によりこの日3度目のコーションが出され全車ピットイン。再スタート後、僅か10周で、"チェイス"争いのひとりであるデイル・アーンハート・Jr.(シボレー)が壁にヒットしイエローコーション。ピット戦略が別れ、ノーピットのカイル・ブッシュが2位、ピットインしタイヤを2本交換したデイビッド・レーガンが11位、4本交換したケンゼスは13位、ハムリン14位、エドワーズ16位までポジションを落としてしまった。
その後はイエローコーションが出ず、カイル・ブッシュが首位に離されることなく2位で追走。3位以下は大きく離れる展開に。ハムリンはトップ10圏内に浮上したが、ケンゼスとエドワーズはトップ10を伺う位置での走行が続いた。
120周を過ぎたあたりから、先のコーションでピットインしなかった上位勢がグリーンピットとなり、カイル・ブッシュは一旦周回遅れとなるが、その後もグリーンでの走行が続いたため、全車グリーンピットを行うこととなり、カイル・ブッシュは2位へと復帰。
その後もグリーンランが続き、大きな順位変動のないままレースは折り返し。まもなく上位勢の2度目のグリーンピットかと思われた168周目、コース上の異物によりこの日5度目のイエローコーション。全車ピットへ向かったが、ここで12位につけていたケンゼスは、若干自分のピットエリアを行き過ぎ、押し戻されることに。また、接触で変形していたフェンダーの修復でもタイムを費やし、20位へと後退。カイル・ブッシュ4位,ハムリン6位、エドワーズ8位で174周目に再スタート。
しかし、再スタートから僅か3周、接近戦の中でケンゼスは他車に後方から接触され、バランスを崩して壁にヒット。変形したフェンダーとタイヤが接触してバーストし、スローダウン。イエローコーションとなった。
このコーションの後にも、すぐにコース上にオイルが出たとして連続でイエローコーションが出されることに。先のコーションでのピットから20周ほどという微妙な周回でのイエローコーションとなり、3位走行中のカイル・ブッシュは、前の2台がピットに入らないのを見て、一瞬ピットへと向かったと見せかけて、再びコースへと戻ろうとしたが、前を走っていたカイル・ラーソン(シボレー)が急に車線を変えてピットへ向かってきたために、2台は接触。ラーソンはピットレーン上でスピン。カイル・ブッシュはそのままピットへ向かったが、この接触による車体右前部分の修復に時間を要し、また、ピットロードでのスピード違反も取られ、首位と同一周回最後尾の23位へと後退してしまった。
201周目に再スタート。ハムリンは4位、エドワーズ5位、この連続するコーション間に何度もピットインし、修復を続けたケンゼスは13位で再スタートを切ったものの、壁にヒットしスローダウン。イエローコーションが出なかったため、グリーン下でのピットとなり、加えてこの修復作業のために規定以上の人数がピットロードに出て作業したためにペナルティを受けることに。結果、ケンゼスは3周遅れでコースへ復帰し、序盤のクラッシュで同じ3周遅れとなっていたアーンハート・Jr.と、"チェイス"次ラウンド進出へ向け1ポイントでも多く獲得すべく、30位前後でのバトルを展開した。
230周目過ぎには、上位勢がグリーンピット。20位前後走行ながらなんとか上位浮上を目指していたカイル・ブッシュは、最後までピットを引っ張り、13位までポジションを上げたが、まだコース上の一部に残っていたオイルに乗って壁にヒット。直後にピットインしたが、グリーンピットでの修復で時間を取られ、周回遅れとなってしまった。
修復のためにピットタイミングがずれ、2周遅れへと復帰していたケンゼスだったが、240周目、激しく壁にクラッシュ。ダメージは大きく、ガレージでの修復を試みたが叶わず。序盤73周にわたって首位を独走したケンゼスだったが、100周ほどを残してレースを終えることとなってしまった。
ケンゼスのクラッシュによって出された、残り100周を切ってのコーションで、全車ピットへ。ハムリンが3位、エドワーズ7位、カイル・ブッシュは1周遅れの26位で、残り88周での再スタート。カイル・ブッシュはすぐに周回遅れの最上位へと浮上し、コーションによる"ラッキー・ドッグ"での首位と同一周回復帰のタイミングを待った。
しかし、イエローコーションは出ず。残り周回が50周を切ったあたりから各車最後の給油とタイヤ交換のためにグリーン下でのピットイン開始。
結局、終盤の88周はイエローコーションが出ることなく、ハムリンが4位、エドワーズが6位でフィニッシュ。カイル・ブッシュは1周遅れの20位でレースを終えることとなった。
この結果、上位8台が進める次ラウンドへ向けてのランキング争いは、ハムリンが4位、エドワーズ6位、カイル・ブッシュは当落ラインの8位と10ポイント差の10位。ケンゼスは"チェイス"ドライバー最下位の12位に。しかし、続く2戦で勝利を飾れば、ポイントには関係なく次ラウンドへの進出が決まるため、次戦カンザスで過去2勝を挙げているケンゼスの活躍に期待がかかる。
次戦第31戦は10月18日(日)、米国中西部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイで行われる。
TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。
ドライバー デニー・ハムリン:
「チームが素晴らしい仕事をしてくれて、間違いなく練習走行の時よりも全てが良くなった。全ての面で変更を試し、最後はトップ5フィニッシュが出来た。まずは第一段階クリアだ。このコースは、当初決勝が予定されていた夜と、順延されて今日行われた昼間では大きく特性が変わる。全く別物と言っていい。しかし、チームの頑張りもあり、良いレースが出来た」
ドライバー カール・エドワーズ:
「最後は追い抜きがとても難しかった。全力を尽くしたが、もし最後の再スタートでもうちょっとポジションを上げられていれば、トップ3フィニッシュも可能だっただろう。とは言え、着実にポイントを稼げた良い一日だった。"チェイス"進出についてはまだ全く分からない。どんなことでも起こりうる。勝たない限り気を抜くことは出来ない」
ドライバー カイル・ブッシュ:
「何が起こったのか分からない。しかし、チームが素晴らしい仕事でコースに復帰させてくれた。一列になりやすいこのコースでは追い越しが難しく、特に一時はコースの一番アウト側のラインにオイルが出ており、無理をすると壁に当たってしまう状況だった。厳しい状況ではあるが、全力で戦い続けるしかない」
ドライバー マット・ケンゼス:
「我々は序盤本当に速かったが、周回遅れに阻まれたのと、ピットでミスをして後方からの追い上げを強いられた。接触については正直に言って全く分からない。残念ではあるが、こういう日もある。僅かなミスが大きく響いてしまった。気持ちを次に切り替える。次戦カンザスには自信がある。これまで、私はレース後に『次戦勝てる自信がある』と言ったことはない。それは容易なことではないからだ。しかし、今朝の私がそうだったように、来週へ向けて自信を持っている。我々には今、本当に速い"トヨタ カムリ"があり、例えそうでない時でも共に勝利を挙げてきた強いチームがある。次戦も、その次のタラデガも、可能な限りハードに戦っていく」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 3 | 22 | ジョーイ・ロガーノ | フォード | 334 | ||
2 | 11 | 4 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 334 | ||
3 | 15 | 78 | マーティン・トゥルークス・Jr. | シボレー | 334 | ||
4 | 5 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 334 | ||
6 | 8 | 19 | カール・エドワーズ | トヨタ カムリ | 334 | ||
11 | 23 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 334 | ||
20 | 2 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 333 | ||
29 | 40 | 83 | マット・ディベネデット | トヨタ カムリ | 330 | ||
33 | 35 | 26 | J.J.イェリー | トヨタ カムリ | 328 | ||
37 | 19 | 55 | デイビッド・レーガン | トヨタ カムリ | 289 | ||
41 | 41 | 23 | ジェブ・バートン | トヨタ カムリ | 244 | ||
42 | 1 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 236 | ||
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NASCAR XFINITY SERIES
第29戦 Drive for the Cure 300
開催日:10月9日
エリック・ジョーンズが2位フィニッシュ
カイル・ブッシュは中盤戦を支配するも接触リタイア
中盤戦を支配しながらアクシデントでレースを終えたカイル・ブッシュ(#54)と、2位でフィニッシュしたエリック・ジョーンズ(#20)
10月9日(金)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第29戦「Drive for the Cure 300」がシャーロット・モーター・スピードウェイで開催された。
シャーロットでの同シリーズ戦は年に2戦行われており、トヨタは過去7勝、うち6勝をカイル・ブッシュが挙げている。
8日(木)の2度の練習走行を経て、9日(金)決勝を前に午後4時45分より予選が行われ、今季キャンピング・ワールド・トラック・シリーズにフル参戦中で、エクスフィニティ・シリーズにも積極的に出場している19歳のエリック・ジョーンズが2列目3番手。カイル・ブッシュが5番手、今季よりシリーズにフル参戦している23歳のメキシコ人ドライバー、ダニエル・サレスが7番手につけ、10台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。
予選に続き、午後8時17分、1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。予選上位のトヨタ勢はスタートで揃って若干ポジションダウンを喫するも、カイル・ブッシュを先頭にじりじりと追い上げを開始。カイル・ブッシュは10周目に3位、17周目に2位に上がると、エリック・ジョーンズを従え、一時は2.5秒近くあった前走車との差を詰めていき、40周目に首位を奪った。
スタートからグリーンランが続き、ちょうど燃料が厳しくなってきた48周目にコース上の異物によりイエローコーション。このピット作業では3位のエリック・ジョーンズがひとつポジションを上げ、首位キープのカイル・ブッシュと1-2体制に。後方では、スタートで出遅れ15位まで後退するも、追い上げを続けていたサレスが激しいバトルを展開し、ポジションを上げていった。
カイル・ブッシュとエリック・ジョーンズが後続を引き離したまま周回が重ねられていき、レース折り返しとなる100周目あたりからグリーンピット開始。最後までピットを引っ張ったサレスが102周目にリードラップを獲得。全車がグリーンピットを終えた時点で6位につけていたサレスは、その後もバトルを続け、115周目にはトップ5入りを果たした。
142周目にコース上の異物によりこの日2度目となるイエローコーション。最後まで走り切るにはぎりぎりの残り周回ながら全車ピットへ。ここでもカイル・ブッシュとエリック・ジョーンズはポジションを守り、最前列に並んでの再スタートを切ったが、カイル・ブッシュがやや出遅れ、3位に後退。
ポジションを取り戻そうとしたカイル・ブッシュだったが、同じカップ・ドライバーのケイシー・ケイン(シボレー)と激しく3位を争う中で数度にわたって接触。150周目には2台揃って壁にヒット。車両右側にダメージを負ったカイル・ブッシュは、中盤戦100周にわたっての首位独走でレースを支配しながら、ここでレースを終えることとなってしまった。
このアクシデントにより3度目のイエローコーションが出され、残り44周で再スタート。エリック・ジョーンズは2位を守り、首位追走を続けたが届かず、2位でフィニッシュ。カイル・ブッシュの脱落により4位に上がったサレスもポジションを守り、4位でチェッカーを受けた。
次戦第30戦は10月17日(土)、カンザス・スピードウェイで行われる。
TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。
ドライバー エリック・ジョーンズ:
「2位は悔しいが、全体的に見れば良い夜だった。我々はレースを通して上位を争い、着実にフィニッシュした。調整も、ピットストップも上手く行った。ただ、今夜はずっと2位を走り、一度も首位には立てなかった。54号車(カイル・ブッシュ)が今日は本当に強かった。彼は我々より少し速く、その後は33号車(オースティン・ディロン:シボレー)がやはり我々を上回った。何故彼が速かったのかは分からないが、最後の再スタートで前に出て、先頭でクリーンエアを得たのは大きかっただろう。何度もアタックしたが逆転は叶わなかった。次にこのシリーズで参戦するテキサスでは更に良い"トヨタ カムリ"を得て、次こそ勝利を狙いたい」
ドライバー ダニエル・サレス:
「レースウィークの始まりは調子がもう一つだったのだが、チームのおかげでどんどん速くなっていった。最後はトップ5の速さにまで仕上がり、カップ・シリーズのトップドライバー達とバトルが出来たのは凄いことだ。ただ、まだやるべき事はある。早く一勝を挙げたい」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 1 | 33 | オースティン・ディロン | シボレー | 200 | ||
2 | 3 | 20 | エリック・ジョーンズ | トヨタ カムリ | 200 | ||
3 | 13 | 22 | ブラッド・ケゼロウスキー | フォード | 200 | ||
4 | 7 | 18 | ダニエル・サレス | トヨタ カムリ | 200 | ||
19 | 21 | 28 | J.J.イェリー | トヨタ カムリ | 198 | ||
25 | 27 | 44 | デイビッド・スター | トヨタ カムリ | 194 | ||
26 | 40 | 14 | ケール・コンリー | トヨタ カムリ | 193 | ||
28 | 32 | 24 | エリック・マクルーア | トヨタ カムリ | 191 | ||
31 | 5 | 54 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 153 | ||
33 | 24 | 8 | ブレイク・コッホ | トヨタ カムリ | 149 | ||
36 | 30 | 26 | T.J.ベル | トヨタ カムリ | 56 | ||
40 | 29 | 19 | ジェフ・グリーン | トヨタ カムリ | 3 | ||
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