2015年11月24日(火)配信

カイル・ブッシュがスプリント・カップ・シリーズタイトル獲得!
トヨタは参戦9年目にして最高峰シリーズでの悲願達成

 NASCARは3カテゴリー全てのシーズン最終戦が行われた。スプリント・カップ・シリーズでは"チェイス"最後の4人に残ったカイル・ブッシュが残り7周の再スタートで首位を奪い今季5勝目を挙げ、自身にとっても初となるドライバーズチャンピオンを獲得。参戦9年目のトヨタに悲願の最高峰クラスタイトルをもたらした。エクスフィニティ・シリーズでは今季よりフル参戦のメキシコ人ドライバー、ダニエル・サレスがルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。キャンピング・ワールド・トラック・シリーズでは19歳のエリック・ジョーンズがドライバーズタイトルを獲得。トヨタは3年連続でトラック・シリーズのドライバー、オーナー、マニュファクチャラーの3タイトルを制覇することとなった。

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第36戦 Ford EcoBoost 400

開催日:11月22日

カイル・ブッシュがスプリント・カップ・シリーズタイトル獲得!
トヨタは参戦9年目にして最高峰シリーズでの悲願達成

悲願のシリーズチャンピオンを獲得したカイル・ブッシュ
悲願のシリーズチャンピオンを獲得したカイル・ブッシュ

 11月22日(日)、米国南東部フロリダ州ホームステッドのホームステッド・マイアミ・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズの今季最終戦となる第36戦「Ford EcoBoost 400」が開催された。
 年間36戦、40週にわたる長いシーズンも最終戦を迎えた。シーズン終盤の10戦で行われてきたプレーオフ"チェイス"は、最初に選ばれた16名から、3戦毎に4人ずつがタイトル争いから脱落していき、いよいよこの最終戦は最後に残った4名で戦われる。この4名のうち、最上位でフィニッシュしたものが今季のドライバーズチャンピオンとなる。トヨタ勢では、カイル・ブッシュがこの4名に残り、タイトル獲得の可能性を残している。
 ホームステッドではカイル・ブッシュは未勝利ながら、チームメイトのデニー・ハムリンが過去に2勝、マット・ケンゼスとカール・エドワーズもトヨタ移籍前にそれぞれ1勝、2勝を挙げており、チームメイトと共に、トヨタにとって悲願の最高峰シリーズでのタイトル獲得に向けて臨んだ。

 20日(金)正午からの練習走行を経て、午後6時15分より予選が行われ、ハムリンが今季3度目となるポールポジションを獲得。カイル・ブッシュは2列目3番手、エドワーズが7番手につけ、8台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 22日(日)はあいにくの雨模様となり、決勝レースのスタートは順延。スタートが予定されていた時間は激しい雨に見舞われたが、まもなく雨は止み、"トヨタ タンドラ"に搭載された"エア・タイタン"でコース乾燥作業を行い、予定よりも1時間半ほど遅れた午後4時51分、1.5マイルオーバルを267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
 ポールポジションのハムリンはスタートで先行を許したものの、首位に離されることなく追走。カイル・ブッシュも"チェイス"勢最上位となる3位のポジションを着実に守りながら周回を重ねた。
 しかし、2位で首位追走中のハムリンは、12周目に突然車両後方下部から白煙が出るトラブル。イエローコーションとなり、ハムリンはガレージでの修復を余儀なくされた。
 30周目にコンペティション・コーションが予定されており、それまで給油が出来ないため、ピット戦略が分かれたが、ピットインしたカイル・ブッシュはタイヤ4本交換ながらトップでピットアウト。"チェイス"の4人では最上位をキープ。ハムリンも迅速なメカニックの作業で修復。最後尾ながら1周遅れでコースに復帰した。
 4台がピットに入らなかったため、5位で再スタートを切ったカイル・ブッシュは3ワイドバトルから抜け出し首位を奪取。エドワーズがこれに続き、"トヨタ カムリ"が1-2態勢に。
 30周目にコンペティション・コーションが出され、全車ピットへ。カイル・ブッシュとエドワーズは1-2をキープし再スタートを切ったが、今季限りでの引退を表明、"チェイス"を争っているジェフ・ゴードン(シボレー)が好ダッシュで先行。同じく"チェイス"の4人に残っているディフェンディングチャンピオンのケヴィン・ハーヴィック(シボレー)もカイル・ブッシュをかわし、カイル・ブッシュは4位に後退。序盤からタイトルを争う"チェイス"ドライバー同士の激しい順位争いが繰り広げられた。
 その直後、2回にわたって短いスパンでのイエローコーションが発生。46周目には再スタート直後の混乱の中で5台が絡む多重クラッシュとなり、これに巻き込まれたクリント・ボウヤーがレースを終えることとなってしまった。このコーションではハムリンが"ラッキー・ドッグ"を獲得し、首位と同一周回に復帰した。
 夕闇が空を包み、コースがライトで照らされ始めた54周目に、ハーヴィック、カイル・ブッシュ、ゴードンと"チェイス"を争う4人のうち3人がトップ3を占めての再スタート。ゴードンはポジションを落として行ったが、カイル・ブッシュはハーヴィックから離されることなく、タイトルへ向けてのバトルを続けた。
 その後はイエローコーションが出ない展開に。エドワーズとケンゼスも4位、5位にポジションアップ、一時最後尾にいたハムリンも素晴らしい追い上げを見せ、88周目にはトップ10を伺う11位まで浮上。
 イエローコーションが出ないまま、90周目前後からグリーンフラッグ下でのピット作業開始。ここでハーヴィックが若干タイムをロスしたこともあり、カイル・ブッシュが再び"チェイス"勢最上位に浮上、ハーヴィックとの差を広げていった。
 なおもグリーンランは続き、135周目過ぎにもこの日2度目のグリーンフラッグ下でのピットイン。カイル・ブッシュは"チェイス"勢最上位の2位をキープした。
 150周目にコース上の異物でイエローコーション。エドワーズを除く全車がピットへ向かい、エドワーズ首位、カイル・ブッシュ3位で再スタート。ここで、カイル・ブッシュが抜群のスタートダッシュを決め、一気に首位に立った。
 166周目、壁にヒットした車両によりこの日6度目のイエローコーション。上位勢は全車ピットへ。ここで、ほとんどの車両が4本タイヤを交換したのに対し、1台が2本タイヤ交換としたため、カイル・ブッシュは3位へ後退。しかし、再スタートでこれをかわし、またもカイル・ブッシュが2位、ハーヴィックが3位でタイトル争いが続くこととなった。
 このスティントも長いグリーンランとなり、215周目前後からこの日3度目となるグリーン下でのピットイン。最後まで走り切れる残り約50周でのピットを終えた時点で、カイル・ブッシュは2位、ハーヴィックは4秒以上の差で4位と、カイル・ブッシュがかなり優位な状況で終盤戦に入った。
 カイル・ブッシュは残り14周で他車の先行を許し、3位に後退するも、直接タイトルを争う4位のハーヴィックとは9秒近い大差。そのまま逃げ切れるかと思われたが、残り11周というところでコース上の異物によりこの日7度目のイエローコーション。マージンは帳消しとなり、全車ピットへ。カイル・ブッシュはピットでひとつポジションを上げ、最前列2番手、その後方4番手にハーヴィックと続き、最後の7周へ向けての再スタートが切られた。
 アウト側のカイル・ブッシュはサイド・バイ・サイドから先行。首位に立った。ハーヴィックも2位へポジションを上げ、タイトルを争う2台による首位バトルとなったが、カイル・ブッシュは好ペースでじりじりとハーヴィックを引き離して行き、2周でその差は約1秒に。
 さらに差を広げていったカイル・ブッシュが逃げ切り、トップでチェッカー。最終戦を勝利で飾り、自身、そしてトヨタにとっても悲願であった初シリーズチャンピオンを獲得した。
 今季エクスフィニティ・シリーズの開幕戦で負傷し、シリーズ序盤の11戦を欠場しながらも、その後、レギュラーシーズンの残り15戦で4勝を挙げ、ランキングも30位以内に入り"チェイス"進出を果たしたカイル・ブッシュが、自身のシリーズデビュー12年目にして念願のシリーズチャンピオンを獲得。2008年にトヨタにカップ・シリーズでの初勝利をもたらしたカイル・ブッシュが、カップ・シリーズでの初タイトルもトヨタにもたらすこととなった。
 トヨタは2007年に最高峰カップ・シリーズに参戦を開始して以来、9年目にして念願のシリーズタイトルを獲得することとなった。
 これまで"チェイス"では未勝利だったカイル・ブッシュが、最終戦ホームステッドでの初勝利という最高のフィナーレでシーズンを締め括った。
 7位にケンゼス、序盤のトラブルで一時は周回遅れの最後尾までポジションを落としていたハムリンが追い上げ10位、エドワーズが11位でチェッカーを受けた。

 これで今季のNASCARスプリント・カップ・シリーズのスケジュールは全て終了。来季2016年は2月21日(日)、米国南東部フロリダ州デイトナビーチのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われる伝統の一戦「Daytona 500」で幕を開ける。

 TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。来季も応援の程よろしくお願いいたします。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「信じられない! ついに人生の夢が叶った。今年は様々なことがあったが、妻、そして支えてくれた全ての人々と共に戦い続けてきた。このタイトルはその全ての人たちのおかげだ。本当に長かった。今夜の我々の"トヨタ カムリ"は本当に速かった。トヨタ、クルーチーフ、スポンサー、そしてファンの皆さんに感謝したい。最高だ。夢が叶った」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 3 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 267
2 13 4 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 267
3 8 2 ブラッド・ケゼロウスキー フォード 267
7 19 20 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 267
10 1 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 267
11 7 19 カール・エドワーズ トヨタ カムリ 267
27 38 55 デイビッド・レーガン トヨタ カムリ 265
34 31 26 J.J.イェリー トヨタ カムリ 264
37 37 83 マット・ディベネデット トヨタ カムリ 263
43 24 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 45
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カイル・ブッシュ トヨタ 5043
2 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 5042
3 ジェフ・ゴードン シボレー 5038
5 カール・エドワーズ トヨタ 2368
9 デニー・ハムリン トヨタ 2327
15 マット・ケンゼス トヨタ 2234
16 クリント・ボウヤー トヨタ 2175
27 デイビッド・レーガン トヨタ 701
35 マット・ディベネデット トヨタ 399
38 ジェブ・バートン トヨタ 216
43 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 58
45 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 32
47 マイク・ウォレス トヨタ 8
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 1584
2 トヨタ 1516
3 フォード 1498

NASCAR XFINITY SERIES
第33戦 Ford EcoBoost 300

開催日:11月21日

エリック・ジョーンズが3位フィニッシュ
ダニエル・サレスがルーキータイトル獲得!

ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得したダニエル・サレス(#18)
ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得したダニエル・サレス(#18)

 11月21日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの今季最終戦となる第33戦「Ford EcoBoost 300」がホームステッド・マイアミ・スピードウェイで開催された。
 ホームステッドでトヨタは過去3勝。うちカイル・ブッシュが2勝を挙げている。

 20日(金)に練習走行を行い、21日(土)決勝を前に午前11時15分より予選開始。通常3ラウンドのノックアウト制で行われるNASCARの予選だが、今大会は2ラウンド終了直後に雨が降り始めたため、2ラウンドまでの結果でグリッドを決定。カイル・ブッシュが今季5度目のポールポジションを獲得した。
 今季よりシリーズにフル参戦している、23歳のメキシコ人ドライバー、ダニエル・サレスが2番手。シーズン中盤以降成長著しいサレスは、目下5戦連続のトップ10フィニッシュを続けており、ランキングも上昇。僅差でルーキータイトルを争っている。また、念願の初勝利を目指しての好グリッドとなった。
 前日のトラック・シリーズで最年少チャンピオンを獲得した19歳のエリック・ジョーンズが7番手につけ、10台の"トヨタ カムリ"が決勝へと駒を進めた。

 予選の後、カップ・シリーズの練習走行を経て、午後2時57分、1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。最前列のカイル・ブッシュとサレスに、イン側から入ってきたライバルが並び、3ワイドとなったが、ポールポジションのカイル・ブッシュは中央からこれを抜けだし、首位をキープ。サレスは3位、エリック・ジョーンズが5位へとポジションを上げた。
 首位のカイル・ブッシュが後続を引き離し始めた8周目にスピン車両によりイエローコーション。上位勢はピットに入らず。再スタートではエリック・ジョーンズがカイル・ブッシュに続く2位へとジャンプアップ。
 25周目にコンペティション・コーションが出され、一斉にピットへ。カイル・ブッシュは首位を守ったが、ピットロード上の混雑に阻まれエリック・ジョーンズは6位へ後退。サレスは4位で再スタート。
 再スタート後は、若きカップ・ドライバーのカイル・ラーソン(シボレー)とカイル・ブッシュの2台が激しく首位を争いながら、後続をどんどん引き離していく展開に。時に首位を入れ替えながら、2台が首位を争う一方で、3位のエリック・ジョーンズは10秒以上引き離されることとなった。
 首位を争っていたカイル・ブッシュは72周目に壁に軽くヒット。イエローコーションが出なかったためそのまま走行を続行。それまで1秒以内での首位争いを繰り広げていたカイル・ブッシュだったが、ややペースダウン。首位との差を広げられてしまった。
 イエローコーションが出ないまま、80周目前後のグリーンフラッグ下でのピット作業を挟み、カイル・ブッシュは2位、エリック・ジョーンズが3位を走行。サレスはピット時に外したタイヤが転がって行ってしまいペナルティ。6位から周回遅れの16位までポジションを落としてしまった。
 長いグリーンランと、ずば抜けて速い上位2台により、3位以下は20秒近く離され、レースが折り返す100周目には、首位と同一周回はわずか4台に。
 117周目、壁にヒットした車両によりこの日3度目のイエローコーション。カイル・ブッシュ2位、エリック・ジョーンズ3位、周回遅れのサレスは11位で再スタートを切り、ルーキータイトルを争うライバルとトップ10入りをかけてのバトルを展開した。
 140周目にはメインストレート付近で雨が降り始めイエローコーション。しかし、まもなく雨は止み、5周のコーションラップの後に再スタート。再びカイル・ブッシュとラーソンの僅差での首位争いが繰り広げられた。
 172周目、26位を走行していたデイビッド・スターが壁にヒットしこの日5度目のイエローコーション。周回遅れ最上位を激しく争っていたサレスは、このバトルをぎりぎりで制し、"ラッキー・ドッグ"を獲得。首位と同一周回に復帰した。
 上位勢が一斉にピットへ向かい、カイル・ブッシュは首位でコースへと戻ったものの、ピット作業時に外したタイヤが自分のエリア外へと転がって行ってしまい痛恨のペナルティ。首位と同一周回最後尾の11位へ後退。しかも、上位勢との間には周回遅れが数多く入った状態での再スタートと、厳しい状況での追い上げを強いられることとなってしまった。
 エリック・ジョーンズ2位、サレス6位で残り21周での再スタート。11番手ながら隊列の後方からの再スタートとなったカイル・ブッシュは追い上げを図ったが、再スタート直後の接近戦の中で、直前を走っていた周回遅れの車両がコントロールを失いスピン。これを避けようとしたカイル・ブッシュもスピンを喫し、イン側の壁にクラッシュ。懸命の修復を試みたが叶わず、ここでレースを終えることとなってしまった。
 これで6度目のイエローコーションとなり仕切り直し。上位勢はピットインせず、エリック・ジョーンズが5位、サレス6位で再スタート。エリック・ジョーンズは好スタートで3位へポジションアップを果たすと、そのポジションを守り、3位でフィニッシュ。スポットでの参戦ながら、参戦したレース4戦連続でのトップ5フィニッシュを果たした。
 サレスも6位でフィニッシュ。6戦連続のトップ10フィニッシュで5位へとランキングを挙げ、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。

 今季のエクスフィニティ・シリーズは今大会で終了。来季2016年は2月20日(土)にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開幕する。

 TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。来季も応援の程よろしくお願いいたします。

ドライバー エリック・ジョーンズ:
「着実に走ったが、様々なことのあったレースだった。最後の20周はそこかしこでハードなバトルが繰り広げられ、クレイジーだった。シーズン最後のレースということで誰もが勝利を目指し戦った。54号車(カイル・ブッシュ)がペナルティを受けた時点で、勝てるチャンスが来たと思った。我々の"トヨタ カムリ"は好調だったが、42号車は1日を通して別格だった。全力で彼を抑えようとしたが叶わなかった」

ドライバー ダニエル・サレス:
「2015年は多くの新しいことを経験し、良いシーズンだった。ルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得は今年の目標のひとつであり、嬉しい。このチャンスを与えてくれたチームやスポンサー、トヨタに感謝したい。トータルで良い一年だった。今日我々の"トヨタ カムリ"は最速とは言えなかったが、トップ10かトップ6の速さはあり、レース中幾つかのミスもあったが、順位を取り戻し、着実な位置でフィニッシュ出来た。更なる速さを身につけるべく努力を続けて行く」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 9 42 カイル・ラーソン シボレー 200
2 3 33 オースティン・ディロン シボレー 200
3 7 20 エリック・ジョーンズ トヨタ カムリ 200
6 2 18 ダニエル・サレス トヨタ カムリ 200
18 25 8 ブレイク・コッホ トヨタ カムリ 199
21 15 28 J.J.イェリー トヨタ カムリ 198
25 33 44 デイビッド・スター トヨタ カムリ 197
29 36 24 エリック・マクルーア トヨタ カムリ 190
30 1 54 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 185
37 23 14 マイク・ブリス トヨタ カムリ 44
39 35 26 T.J.ベル トヨタ カムリ 23
40 27 19 ジェフ・グリーン トヨタ カムリ 3
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 クリス・ブッシャー フォード 1190
2 チェイス・エリオット シボレー 1175
3 タイ・ディロン シボレー 1172
5 ダニエル・サレス トヨタ 1078
12 J.J.イェリー トヨタ 803
16 デイビッド・スター トヨタ 713
17 ブレイク・コッホ トヨタ 646
19 エリック・マクルーア トヨタ 565
20 ケール・コンリー トヨタ 561
31 マイク・ブリス トヨタ 166
32 ボリス・セイド トヨタ 157
38 ジェフ・グリーン トヨタ 119
49 ケニー・ハブル トヨタ 61
50 ベニー・ゴードン トヨタ 60
51 ケニー・ウォレス トヨタ 56
54 ロス・ケンゼス トヨタ 50
57 トミー・ドリッシ トヨタ 39
64 マット・ウォレス トヨタ 30
65 ハーミー・サドラー トヨタ 27
67 Cj.フェイソン トヨタ 25
69 チャールズ・ルワンドスキ トヨタ 23
71 ブラッド・ティーグ トヨタ 18
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 1434
2 フォード 1430
3 トヨタ 1413
4 ダッジ 409

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第23戦 Ford EcoBoost 200

開催日:11月20日

19歳エリック・ジョーンズがシリーズ最年少チャンピオン!
マット・クラフトンが今季6勝目

キャンピング・ワールド・トラック・シリーズのドライバーズチャンピオンを獲得したエリック・ジョーンズ
キャンピング・ワールド・トラック・シリーズのドライバーズチャンピオンを獲得したエリック・ジョーンズ

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズの今季最終戦となる第23戦「Ford EcoBoost 200」が11月20日(金)にホームステッド・マイアミ・スピードウェイで開催された。
 前戦、マニュファクチャラーズタイトルはトヨタの3年連続獲得が決定した。ドライバーズタイトルとオーナーズタイトルは、首位につける4号車のエリック・ジョーンズと、19ポイント差で追うタイラー・レディック(フォード)、32ポイント差で追う2年連続チャンピオンのマット・クラフトンの3台がタイトルの可能性を残して最終戦に臨むこととなった。
 ホームステッドでの初レースとなるエリック・ジョーンズは15位以上で最終戦をフィニッシュすれば、ライバルの順位にかかわらずタイトルが確定する。

 今大会は全ての走行セッションが20日(金)に行われるスケジュール。午前9時からの練習走行の後、併催レースの練習走行を経て、午後4時10分より予選が行われ、クラフトンが今季4度目となるポールポジションを獲得。ベン・ケネディが3番手、エリック・ジョーンズは5番手、エクスフィニティ・シリーズのレギュラーであるダニエル・サレスが6番手につけ、9台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。

 予選の後、スプリント・カップ・シリーズの予選を経て、午後8時19分、1.5マイルオーバルを134周(201マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタートした。
 5番手スタートのエリック・ジョーンズが8位へ後退する一方、6番手スタートのサレスが3位へとジャンプアップ。クラフトンは首位をキープした。
 4周目にコース上に停止した車両によりイエローコーションが出され、9周目に再スタート。首位のクラフトンは周回を重ねる中でハンドリングの不調に苦しみ、30周目に2位に後退。再スタートで出遅れ6位に後退したサレスは、じりじりと順位を取り戻して行き、41周目にはクラフトンもかわし2位へポジションアップ。
 イエローコーションの出ないまま、47周目あたりからグリーンフラッグ下でのピット作業が開始。全車がピット作業を終えた時点で、好ピットに助けられ、サレスが首位に浮上した。
 しかし、首位を走るサレスは61周目、首位争いの中で周回遅れをかわそうとして単独スピン。どこにも接触はしなかったものの、タイヤ交換を強いられ15位へと後退してしまった。
 再スタート後はクラフトンが再び首位へ。クラフトンが首位争いを繰り広げる一方で、エリック・ジョーンズは7位、8位前後での我慢の走りを続けた。
 74周目、この日3度目のイエローコーション。燃料をフルに入れた状態で55周強走れるこのコースで、ぎりぎりの残り60周弱という微妙なタイミングでのコーションに、全車ピットへ。
 再スタートして僅か5周の83周目、サレスがタイヤのバーストに見舞われ壁にヒットしイエローコーション。ダメージはサスペンションに及んでおり、サレスはここでレースを終えることとなってしまった。
 先のコーションでぎりぎりの残り周回、そこに燃費の稼げるイエローコーションラップが加わったため、戦略が分かれた。クリストファー・ベルを含む3台がコース上に残り、ベルが首位に浮上。ピットに向かった中でも、ジェシー・リトルがタイヤ無交換作戦でトップでピットアウト。4位へポジションアップ。4本タイヤを交換したクラフトンは7位、エリック・ジョーンズは14位での再スタートとなった。
 再スタート後、タイヤの優位性を活かし、クラフトンは僅か1周で首位を奪還。みるみる後続との差を広げていった。エリック・ジョーンズもじりじりと順位を取り戻し、92周目にはトップ10に復帰した。
 その後はイエローコーションが出ないまま推移し、クラフトンは後続と大きく差を付けたままトップチェッカー。今季6勝目を挙げた。エリック・ジョーンズは6位でフィニッシュ。2位に15ポイントの差をつけ、フル参戦初年度にして2015年シーズンのドライバーズチャンピオンを獲得した。19歳と5ヶ月でのタイトル獲得はシリーズ最年少記録。トヨタのトラック・シリーズでのドライバーズタイトル獲得は3年連続、6度目となる。
 今季よりフル参戦したエリック・ジョーンズはルーキー・オブ・ザ・イヤーも獲得。カイル・ブッシュがオーナーの4号車はオーナーズタイトルも獲得し、トヨタはトラック・シリーズの全タイトルを制することとなった。ドライバー、オーナー、マニュファクチャラーのタイトルは3年連続となる。

 今季のキャンピングワールド・トラック・シリーズは今大会で終了。来季2016年は2月19日(金)にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開幕する。

 TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。来季も応援の程よろしくお願いいたします。

ドライバー マット・クラフトン:
「若く、速いドライバーとのバトルはとても楽しかった。最初のスティントはコーナー中央で若干アンダーステアに苦しんだが、クルーチーフの的確な指示とクルーの作業のおかげでピット毎に調子は上がっていった。最後のピットストップは本当に素晴らしく、最後の走りは最高だった。今年は、ミスやクラッシュ、燃料切れなどで落としたレースが痛かった。第19戦タラデガでも、勝てる"トヨタ タンドラ"を持っていたにもかかわらずクラッシュに巻き込まれてしまった。とはいえ、今年我々は6勝を挙げ、700周以上に渡って首位を走った。この夢のようなシーズンを、ヴィクトリーレーンで締め括ることが出来て最高だ」

ドライバー エリック・ジョーンズ:
「このタイトルは、カイル・ブッシュ・モータースポーツという素晴らしいチームが、毎週素晴らしい"トヨタ タンドラ"を用意してくれたおかげだ。この3年間、支えてくれたカイル(ブッシュ)に本当に感謝したい。彼にとってドライバーズタイトル獲得は自分のチームを立ち上げてからの悲願であり、これ以上の結果はない。今日は充分に速い"トヨタ タンドラ"があり、上位へのポジションアップを狙いたかったのはもちろんだが、あえてポジションを守り続けた。厳しいレースだった。今日も長い23戦のシーズンの一戦であり、着実にトップ10フィニッシュすることが目標だった。そして、それを無事果たすことが出来た。タイトルを獲得出来て本当に嬉しい」

ドライバー カイル・ブッシュ:
「我がチームの全員にとって特別な結果だ。チームを立ち上げて6年目の今年、我々にとって4つめのタイトル、そして初のドライバーズタイトルを獲得することが出来た。カイル・ブッシュ・モータースポーツとトヨタが若いドライバーにチャンスを与え、成功したということも大きな意味を持つ。ゼロからチームを作り、この結果を得られて、今日は最高の気分だ。私は地方レースも楽しむが、そこで若い才能を発見することも多い。3年前の地方レースで私を破ったエリック(ジョーンズ)は非常に印象的だった。そして2年間のスポット参戦で多くの経験を積み、今年、フルタイム参戦でタイトルを獲得する準備は整っていた。これから彼がさらに成長して行き、来年ジョー・ギブズ・レーシングとエクスフィニティ・シリーズで活躍してくれることを楽しみにしている」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 88 マット・クラフトン トヨタ タンドラ 134
2 2 8 ジョン・ハンター・ネメチェク シボレー 134
3 4 19 タイラー・レディック フォード 134
4 3 11 ベン・ケネディ トヨタ タンドラ 134
5 12 17 ティモシー・ピーターズ トヨタ タンドラ 134
6 5 4 エリック・ジョーンズ トヨタ タンドラ 134
7 10 98 ジョニー・ソーター トヨタ タンドラ 134
9 11 13 キャメロン・ヘイリー トヨタ タンドラ 134
14 19 97 ジェシー・リトル トヨタ タンドラ 134
25 9 54 クリストファー・ベル トヨタ タンドラ 130
30 6 51 ダニエル・サレス トヨタ タンドラ 84
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 エリック・ジョーンズ トヨタ 899
2 タイラー・レディック フォード 884
3 マット・クラフトン トヨタ 877
4 ジョニー・ソーター トヨタ 809
5 ティモシー・ピーターズ トヨタ 804
6 キャメロン・ヘイリー トヨタ 766
9 ベン・ケネディ トヨタ 690
21 マット・ティフト トヨタ 327
25 ジャスティン・ボストン トヨタ 255
27 クリストファー・ベル トヨタ 231
34 グレイ・ゴールディング トヨタ 118
35 ダルトン・サージェント トヨタ 110
42 ジェシー・リトル トヨタ 87
52 コディ・コーリン トヨタ 48
58 ケン・シュレーダー トヨタ 33
59 ブライアン・ウォン トヨタ 32
78 ウィリアム・バイロン トヨタ 13
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 1049
2 シボレー 973
3 フォード 944
4 RAM 26