GOODWOOD FESTIVAL OF SPEED
トヨタ7復元 トヨタモータースポーツの足跡をアピール
セリカGT-FOUR、トヨタTF102などと伝統のイベントで時代を超えた力走
復元されたトヨタ7が栄光のマシン、往年の名車と共にタイムトライアルグッドウッド・フェスティバル オブ スピードの行なわれるグッドウッド・チチェスターは、ロンドンから南に約70マイル、約2時間半の緑豊かな田舎町。このグッドウッドへと続く牧歌的なワインディングロードに、今年も名車、名ドライバーとモータースポーツ史を肌で共有しようというファンの車の列が続いた。
トヨタは、この伝統のイベントに初参加。社員有志の情熱と努力で復元されたトヨタ7をはじめ、ラリーを席巻したセリカGT-FOUR(ST165)、ヒルクライムでパイクスピークをアタックしたセリカ、そして、今年F1デビューシーズンに挑戦しているトヨタTF102などが出場。トヨタのあくなきチャレンジスピリットを訪れた多くのモータースポーツファンに披露した。
今年のグッドウッド・フェスティバル オブ スピードは、7月12日(金)13日(土)14日(日)の3日間行なわれたが、古くは、1898年にパリ~アムステルダム間のラリーに出場したパナールをはじめ、19世紀、20世紀、そして21世紀のチャレンジャーが、栄光のドライバーと共に250台余り勢ぞろい。
復元後初見参となるトヨタ7は、トヨタ自動車斎藤明彦副社長とアラン・マクニッシュがハンドルを握り走行、セリカGT-FOURには、往年の名ラリードライバーで現在TMG社長のオベ・アンダーソンが乗り込み、今年F1初シーズンを戦うアラン・マクニッシュのトヨタTF102とともに、1マイル余りのヒルクライムを行なった。
パイクスピーク仕様のセリカもR.ミレンのドライブで出場
初日となった12日(金)は、あいにくの曇り空から雨の降り出す悪天候だったが、各車、この日を待ちわびていたかのようにエグゾーストノートも高らかに「力走」。懐かしいゴーグルにヘルメット姿の斎藤副社長のドライブするトヨタ7は、出場者、大観衆の注目を集めた。
そして、快晴に恵まれた13日(土)は、このトヨタ7をF1ドライバーのアラン・マクニッシュがドライブ。14日(日)のタイムアタック終了後には、年代、カテゴリー等で別に、タイムアタックの順位が発表されたが(トヨタ7/セリカGT-FOUR/トヨタTF102はデモ走行で計時対象外)、12万人を超えた大観衆の誰もが時代を駆け抜けた現役のチャレンジャーたちに、惜しみない拍手を送っていた。
◆WHAT'S GOODWOOD FESTIVAL OF SPEED◆
グッドウッド・フェスティバル オブ スピードは、1948年に開催されたグッドウッド・ミーティングが発祥。名車、名ドライバーと市民が交流する場を提供したのが始まり。70年代には、諸事情からこのイベントも縮小されたが、1993年からは、チャーチル・マーチ卿が広大な敷地を解放、今年で復活以来10回目の開催となる。
毎年、イベントタイトルが掲げられるが、今回はOn The Limit-A history of Heroes。時代を駆け抜け、記録を塗り替えてきた名車と、名ドライバーが集った。参加車は、4輪車が約200台、モーターサイクルが約50台の合計250台余り。タイムトライアルの行なわれるコースは、全長1.16マイル(1.856Km)。緩やかな丘を登るヒルクライムで時代を超えたタイムトライアルが繰り広げられた。
トヨタ自動車(株)取締役副社長 斎藤明彦:
「社内の有志の努力で、トヨタ7が復元されたが、本当に、先輩達は、凄い車を作ってくれたと感服した。最初に本社のテストコースで10周ほど運転練習をしたが、その時、社員が6千名以上も見守ってくれ、是非私も参加せねばと思った。F1も今年初参加、このイベントも初参加、そして復元したトヨタ7の初ドライブ。とても感慨深い」
車名:トヨタ7
年式:1969年
トヨタが、当時のCan-Amシリーズ用に製作。V8、5000ccエンジンは、500馬力を発生。今回復元されたのは、70年7月の富士1000kmレースでターボ仕様2台とともにエキジビション走行したNA仕様。
TMG社長 O.アンダーソン:
「ラリーで戦って来たのも私の人生の一部、今は、F1へ挑戦しているが、これも人生の一部だ。そして、モータースポーツに挑戦することに何ら変わりはない。ベースは全く同じだと思う。久々にラリーカーを運転したが、私が、ラリーカーをコントロールしたのか、セリカGT-FOURが私をコントロールしてくれたかは、定かではないがとても素晴らしく楽しい1日を過ごす事が出来た」
車名:トヨタ・セリカGT-FOUR(ST165)
年式:1990年
WRCサファリラリー初優勝車。B.ワルデガルド/F.ギャラハー組がドライブ、現在トヨタF1チームを率いるオベ・アンダーソンのもとTMGの前身ともいえるTTEが製作し、メンテナンスを行なった。
パナソニック・トヨタ・レーシング A.マクニッシュ:
「今週は、イギリスGP直後からイタリアでの合同テストと、多忙を極めた。しかし、楽しい週末を迎える事が出来た。イギリスGPでは母国のファンの声援に応えられなく、悔しい思いをしたが、ここでは、ファンと共に素晴らしいひと時を過ごせた。トヨタ7もドライブしたが、トヨタが昔から挑戦を続け、高い技術力を持っていたことを実感した」
車名:トヨタTF102
年式:2002年
パナソニック・トヨタ・レーシングが先週のイギリスGPで使用したアラン・マクニッシュ車。来週に迫ったフランスGPのTカーとして持ち込まれる前の、束の間のファンサービス。大観衆を前に漲るチャレンジスピリットを披露。
'02 グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード結果
クラス10: The Giants of World Rallying | |||||||
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順位 | ドライバー名 | 車種 | タイム | ||||
1 | H.ミッコラ | アウディ・クアトロ | 57.58 | ||||
2 | R.ミレン | トヨタ・セリカ・パイクスピーク | 64.11 | ||||
3 | E.カールソン | サーブ96 | デモ走行 | ||||
4 | C.シュマルツ | ルノー・ドーフィン・スペシャル・ラリー | デモ走行 | ||||
5 | P.タロー=デリブル | ルノー8ゴルディーニ | デモ走行 | ||||
6 | D.ワード | フォードGT70 | デモ走行 | ||||
7 | J.ラニョッティ | ルノー・アルピーヌA110 | デモ走行 | ||||
8 | L.マカルソ | ランチア・ラリー037 | デモ走行 | ||||
9 | F.ピューレン | プジョー205T16 | デモ走行 | ||||
10 | M.ガスコイン | ルノー5マキシターボ | デモ走行 | ||||
11 | L.マカルソ | ランチア・デルタ S4 | デモ走行 | ||||
12 | H.デムート | アウディ・クアトロS1パイクスピーク | デモ走行 | ||||
13 | O.アンダーソン | トヨタ・セリカGT-FOURサファリ仕様 | デモ走行 | ||||
14 | R.パリー=ジョーンズ | フォード・フォーカスWRC | デモ走行 | ||||
クラス19: Evolution of the Sports Prototype | |||||||
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順位 | ドライバー名 | 車種 | タイム | ||||
1 | D.フランクリン | フェラーリ212Eモンターニャ | 51.79 | ||||
2 | J.ロー | ジャガーXJR10 | 52.3 | ||||
3 | D.ベル | ローラ・シボレーT163A | 54.16 | ||||
4 | N.メイソン | フェラーリ512S | 58.39 | ||||
5 | G.プライス | マクラーレン・シボレーM1C | 58.65 | ||||
6 | M.コルヴィル | フォードGT40 | デモ走行 | ||||
7 | A.マクニッシュ | トヨタ7 | デモ走行 | ||||
8 | M.フィンバーグ | ポルシェ917K | デモ走行 | ||||
9 | T.シェンケン | ポルシェ917/10 | デモ走行 | ||||
10 | H.ハーネ | シェブロン・BMW B21 | デモ走行 | ||||
クラス17: The Heroes of Contemporary Formula 1 | |||||||
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順位 | ドライバー名 | 車種 | タイム | ||||
1 | J.バトン | ルノーR202 | デモ走行 | ||||
2 | L.ブルティ | フェラーリF2001 | デモ走行 | ||||
3 | A.デビッドソン/福田良 | BARホンダ003 | デモ走行 | ||||
4 | A.ブルツ/D.ターナー | マクラーレン・メルセデスMP4/16 | デモ走行 | ||||
5 | A.マクニッシュ | トヨタTF102 | デモ走行 | ||||