2007年3月12日(月)配信

トヨタ自動車、2007年のモータースポーツ活動および支援計画を発表

トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、「フォーミュラ・ワン世界選手権(F1)」、米国の「NASCAR」、日本の「SUPER GT」・「フォーミュラ・ニッポン」等のトップカテゴリーへの参戦と、今後が期待される有望なドライバーの育成を活動の柱とし、2007年のモータースポーツ活動を推進する。

 参戦6年目となるF1では、空力性能や重量配分の改善を狙いレイアウトを一新した新型F1カー TF107を投入する。また、技術開発面でトップマネジメント体制の強化を推進する一方、ドライバーについては従来からの実績を重視し、昨シーズンと同じラルフ・シューマッハー、ヤルノ・トゥルーリの布陣で、コンスタントなトップクラスでの戦いと初優勝を目指し挑戦する。

 また、米国のNASCARについては最高峰のネクステル・カップ・シリーズ、並びに次位のブッシュ・シリーズに今年からトヨタ カムリを供給し参戦。また昨年ドライバー・マニュファクチャラーの両タイトルを獲得した「クラフツマン・トラック・シリーズ」にも引き続きトヨタ タンドラで参戦する。

 日本では、SUPER GTでGT500クラスの車両を全てレクサスSC430とし、昨年に続きタイトル獲得に挑む。またフォーミュラカーのトップカテゴリー「フォーミュラ・ニッポン」へのエンジン供給も継続する。

 このほか、モータースポーツ振興の観点から、トップクラスからグラスルーツレベルまで、多様なカテゴリー・イベントへの支援を継続的に行う。

 一方、世界トップクラスで活躍するドライバーの育成を目指し、推進中のトヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム(以下TDP)において、本年は国内外の11名のドライバーを選出。GP2やF3など実戦での取り組みとともに、F1テストへの参画等、幅広い機会を捉え資質向上を図る。

 また、昨年、一般車のハイブリッドシステムの性能向上をも視野に入れた技術開発の一環として本格レースに挑戦、完走を果たした、ハイブリッド・モータースポーツへの取り組みも引き続き推進する。

 なお、トヨタのモータースポーツ活動は、東富士研究所のモータースポーツ部を中心に、日本では、トヨタテクノクラフト(株)TRD(以下TRD)、欧州ではToyota Motorsport GmbH(トヨタ モータースポーツ有限会社、以下TMG)米国ではTRD, U.S.A. Inc.(以下、TRD-USA)を各地域での開発拠点として位置づけている。

【活動および支援計画概要】

1.フォーミュラ・ワン世界選手権(F1)

2.NASCAR

(1) NASCARネクステル・カップ・シリーズ(NASCAR NEXTEL CUP SERIES)

NASCARの最高峰カテゴリー。参戦車両は専用開発の5.8L V8エンジン(800HP)を搭載するトヨタ カムリ。

チーム名カーNo.ドライバー
ビル・デイビス・レーシング
(Bill Davis Racing)
22
デイブ・ブレイニー(Dave Blaney)
※ブッシュ・シリーズにも参戦
36
ジェレミー・メイフィールド(Jeremy Mayfield)
マイケル ウォルトリップ・レーシング
(Michael Waltrip Racing)
55
マイケル・ウォルトリップ (Michael Waltrip)
44
デイル・ジャレット(Dale Jarrett)
00
デビッド・ロイティマン(David Reutimann)
※ブッシュ・シリーズにも参戦
チーム レッドブル
(Team Red Bull)
83
ブライアン・ヴィッカーズ (Brian Vickers)
84
AJ.アルメンディンガー(AJ Allmendinger)
※クラフツマン・トラック・シリーズにも参戦
※ドライバーの国籍は全て米国

(2) NASCARブッシュ・シリーズ(NASCAR BUSCH SERIES)

「ネクステル・カップ」に次ぐカテゴリー。参戦車両は専用開発の5.8L V8エンジン(700HP)を搭載するトヨタ カムリ。

チーム名カーNo.ドライバー
マイケル ウォルトリップ・レーシング
(Michael Waltrip Racing)
99
デビッド・ロイティマン(David Reutimann)
※ネクステル・カップ・シリーズにも参戦
ブラウン レーシング
(Braun Racing)
38
ジェイソン・リフラー(Jason Leffler)
32
デイブ・ブレイニー(Dave Blaney)
※ネクステル・カップ・シリーズにも参戦
T.B.N.
T.B.N.
(T.B.N.:後日決定)
※ドライバーの国籍は全て米国

(3) NASCARクラフツマン・トラック・シリーズ(NASCAR CRAFTSMAN TRUCK SERIES)

2004年に参戦を開始し、昨年はマニュファクチャラー・ドライバー(T.ボダイン)の両タイトルを獲得。引き続き専用開発の5.8L V8エンジン(675HP:後輪での出力)を搭載する、米国向けピックアップトラック、トヨタ タンドラで参戦。

チーム名カーNo.ドライバー
ビル・デイビス・レーシング
(Bill Davis Racing)
5
マイク・スキナー(Mike Skinner)
23
ジョニー・ベンソン(Johnny Benson)
36
タイラー・ウォーカー(Tyler Walker)
ジャーメイン・レーシング
(Germain Racing)
30
トッド・ボダイン(Todd Bodine)
9
テッド・マスグレイブ(Ted Musgrave)
ダレル・ウォルトリップ・レーシング
(Darrell Waltrip Racing)
00
AJ.アルメンディンガー、ジョシュ・ワイズほか
(AJ Allmendinger, Josh Wise or others)
ワイラー・レーシング
(Wyler Racing)
60
ジャック・スプレイグ(Jack Sprague)
レッド・ホース・レーシング
(Red Horse Racing)
1
アーロン・ファイク(Aaron Fike)
HTモータースポーツ
(HT Motorsports)
59
テリー・クック (Terry Cook)
※ドライバーの国籍は全て米国

3.SUPER GT

チーム名カーNo.車両ドライバータイヤ
GT500 トヨタ・チーム・トムス
(TOYOTA TEAM TOM'S)
1
レクサス SC430 脇阪寿一
(Juichi Wakisaka 日本)
ブリヂストン
アンドレ・ロッテラー
(Andre lotterer ドイツ)
トヨタ・チーム ルマン
(TOYOTA Team LeMans)
6
レクサス SC430 ビヨン・ビルドハイム
(Bjorn Wirdheim スウェーデン)
ブリヂストン
片岡龍也
(Tatsuya Kataoka 日本)
トヨタ・チーム・ツチヤ
(TOYOTA TEAM TSUCHIYA)
25
レクサス SC430 織戸 学
(Manabu Orido 日本)
ヨコハマ
土屋武士
(Takeshi Tsuchiya 日本)
トヨタ・チーム・クラフト
(TOYOTA TEAM KRAFT)
35
レクサス SC430 服部尚貴
(Naoki Hattori 日本)
ダンロップ
ピーター・ダンブレック
(Peter Dumbreck スコットランド)
トヨタ・チーム・セルモ
(TOYOTA TEAM CERUMO)
38
レクサス SC430 立川祐路
(Yuji Tachikawa 日本)
ブリヂストン
高木虎之介
(Toranosuke Takagi 日本)
トヨタ・チーム・サード
(TOYOTA TEAM SARD)
39
レクサス SC430 アンドレ・クート
(Andre Couto ポルトガル)
ブリヂストン
平中克幸
(Katsuyuki Hiranaka 日本)
GT300 レーシング・プロジェクト・バンドウ
(RACING PROJECT BANDOH)
19
トヨタ セリカ T.B.N. T.B.N.
T.B.N.
エーピーアール
(apr)
31
トヨタ MR-S 峰尾恭輔
(Kyosuke Mineo 日本)
ミシュラン
坂本雄也
(Yuya Sakamoto 日本)
エーピーアール
(apr)
101
トヨタ MR-S 石浦宏明
(Hiroaki Ishiura 日本)
ミシュラン
大嶋和也
(Kazuya Ohshima 日本)
(T.B.N.:後日決定)

4.全日本選手権 フォーミュラ・ニッポン

チーム名台数カーNo.ドライバー
モバイルキャスト チーム インパル
(mobilecast TEAM IMPUL)
2
1
ブノワ・トレルイエ
(Benoit Treluyer フランス)
2
松田 次生
(Tsugio Matsuda 日本)
コンドー レーシング
(KONDO RACING)
2
3
柳田真孝
(Masataka Yanagida 日本)
4
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
(Joao Paulo de Oliveira ブラジル)
フォーラム エンジニアリング チーム ルマン
(Forum Engineering Team LeMans)
2
7
片岡龍也
(Tatsuya Kataoka 日本)
8
高木虎之介
(Toranosuke Takagi 日本)
チーム レクリス セルモ
(TEAM RECKLESS CERUMO)
2
11
立川祐路
(Yuji Tachikawa 日本)
12
佐々木孝太
(Kouta Sasaki 日本)
アラビアン オアシス チーム インパル
(Arabian Oasis TEAM IMPUL)
2
19
本山 哲
(Satoshi Motoyama 日本)
20
ミハエル・クルム
(Micheal Krumm ドイツ)
インギング モータースポーツ
(INGING MOTORSPORT)
2
33
ロニー・クインタレッリ
(Ronnie Quintarelli イタリア)
34
横溝直輝
(Naoki Yokomizo 日本)
ディーエイチジー トムス レーシング
(DHG TOM'S RACING)
2
36
アンドレ・ロッテラー
(Andre Lotterer ドイツ)
37
T.B.N.
(T.B.N.:後日決定)

5.その他の活動支援

(1)全日本F3選手権

チーム名台数ドライバー(予定)備考
トムス
(TOM'S)
3
大嶋 和也(Kazuya Ohshima 日本) TDPドライバー
石浦 宏明(Hiroaki Ishiura 日本) TDPドライバー
オリバー・ジャービス(Oliver Jarvis イギリス)
インギング モータースポーツ
(INGING MOTORSPORT)
1
ロベルト・ストレイト(Robert Streit ブラジル)
ナウモータースポーツ
(NOW MOTOR SPORTS)
1
関口雄飛(Yuhi Sekiguchi 日本) TDPドライバー
ル・ボーセ
(Le Beausset)
1
嵯峨 宏紀(Kohki Saga 日本)
ZAP SPEED
(ザップスピード)
1
T.B.N.
(T.B.N.:後日決定)
(2)ESSOフォーミュラ・トヨタ・シリーズ
(3)FCJ(フォーミュラチャレンジ・ジャパン)
(4)Netz Cup ヴィッツ・シリーズ
(5)その他、各種活動への支援

I)日本
◇トヨタモータースポーツクラブ(TMSC)の活動支援

II)米国
(1)グランド・アメリカン・ロード・レーシング(Grand Am)シリーズに V8 5.0L (3UZ改)エンジンを供給。(本年1月、開幕戦の「デイトナ24時間レース」で昨年に引き続き優勝)
(2)ARCA(American Race Car Association)シリーズに参戦するカムリを支援。
(3)USAC(United States Auto Club) ミジェット・シリーズにエンジンを供給。
(4)その他

III)欧州・その他
◇ダカールラリー(通称:パリダカ)にトヨタ ランドクルーザーで参戦するトヨタ車体(株)を支援。
(本年1月に行われた「ダカール2007」では、市販車無改造グループで優勝し、2005年以降3連覇を達成)

6.TDP(トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム)

(2007年TDP育成ドライバー一覧)

ドライバーカテゴリーチーム名(ご参考)06年参加カテゴリー
欧州 平手 晃平
(Kohei Hirate 日本)
GP2 Trident Racing
(イタリア)
欧州F3 ランキング3位(1勝)
中嶋 一貴 *1
(Kazuki Nakajima 日本)
DAMS
(フランス)
欧州F3 ランキング7位(1勝)
小林 可夢偉
(Kamui Kobayashi 日本)
ユーロF3シリーズ ASMフォーミュラ3
(ASM Formule3 フランス)
欧州F3 ランキング8位(最高位2位)ルーキーランキング1位
アンドレア.カルダレッリ
(Andrea Caldarelli イタリア)
欧州フォーミュラ・ルノー
および
イタリア フォーミュラ・ルノー
プレマ・パワーチーム
(Prema Powerteam イタリア)
イタリア フォーミュラ・ルノー参戦
ヘンキ・ワルドシュミット
(Henkie Waldschmidt オランダ)
欧州フォーミュラ・ルノーおよびイタリアフォーミュラ・ルノー参戦
マーティン・プロウマン
(Martin Plowman イギリス)
国内 大嶋 和也
(Kazuya Ohshima 日本)
全日本F3選手権 トムス
(TOM'S)
全日本F3 ランキング2位(3勝)
石浦宏明
(Hiroaki Ishiura 日本)
全日本F3 ランキング9位(1勝)
関口雄飛
(Yuhi Sekiguchi 日本)
ナウモータースポーツ
(NOW MOTOR SPORTS)
エッソ・フォーミュラトヨタチャンピオン(6勝)
FCJチャンピオン(3勝)
井口 卓人(Takuto Iguchi 日本) フォーミュラ・トヨタおよびFCJ トムス・スピリット
(TOM'S SPIRIT)
エッソ・フォーミュラトヨタ ランキング5位(最高位3位)
松井孝允(Takamitsu Matsui 日本) (06年フォーミュラトヨタ・レーシングスクール *2にて選抜)
*1 中嶋一貴選手は、ウィリアムズF1チームのテストドライバーも担当。
*2 フォーミュラトヨタ・レーシングスクール(FTRS)について
「フォーミュラトヨタ」を使用し、富士スピードウェイで実施するレーシングスクール(07年の開催日時は後日お知らせ)。
TDPの一環として、基礎指導から模擬レース参加まで、2泊3日で行うレーシングスクール。本コース受講者の中から、優秀で将来性の見込めるドライバーに対しオーディションが行われ、最終選抜されたドライバーに次年度のスカラシップを実施。

7.ハイブリッドカーによるモータースポーツ参戦

<ご参考> モータースポーツサイト www.toyota.co.jp/ms のリニューアルについて

本日より、デザインを一新し、トヨタモータースポーツの活動情報を更に充実。 また、モータースポーツ50年史、TDPドライバーズコラム、メールマガジンなど新コンテンツも導入。