2009年3月16日(月)配信

トヨタ自動車、2009年のモータースポーツ活動および支援計画を発表

トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、モータースポーツ活動をクルマの持つ「夢」や「感動」をお客様にもたらす大切なものと位置づけている。本年においては大変厳しい経営環境の下、大幅なコスト低減を図りながら、引き続きモータースポーツを推進する。
具体的には、「フォーミュラ・ワン世界選手権(F1)」、日本の「SUPER GT」・「フォーミュラ・ニッポン」、米国の「NASCAR」等のトップカテゴリーへの参戦と、世界トップクラスで活躍が期待されるドライバーの育成を活動の柱とする。

F1については、参戦8年目を迎える本年は、レギュレーション変更に伴い、拡幅されたフロントウィングなどの外見上の特徴を持ち、パフォーマンスと信頼性の高まった新型F1カー TF109を投入する。
またドライバーについては、経験豊富なヤルノ・トゥルーリと2年目となるティモ・グロックの組み合わせで、初優勝を目指す。サードドライバーは、小林可夢偉がGP2に参戦しつつ、担当する。

日本では、SUPER GTで引き続きGT500クラスにおいて、今年よりレクサスブランドとして参戦し、レクサス SC430でタイトル奪還に挑む。またフォーミュラカーのトップカテゴリー、フォーミュラ・ニッポンへのエンジン供給を継続し、トヨタエンジン搭載車として4連覇を狙う。

米国のNASCARについては、最高峰のスプリント・カップ・シリーズ、並びに次位のネイションワイド・シリーズにおいて、昨年スプリント・カップで10勝したトヨタ カムリで引き続き参戦し、シリーズチャンピオンを目指す。また本年名称がキャンピング・ワールド・トラック・シリーズとなり、昨年マニュファクチャラーズとドライバーズのダブルタイトルを獲得した同シリーズにも、引き続きトヨタ タンドラで参戦する。

このほか、モータースポーツ振興の観点から、グラスルーツレベルのレースまで、多様なカテゴリー・イベントへの支援を行う。

世界のトップクラスドライバーの育成を目指し、トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム(以下TDP)を推進する。ウィリアムズF1チームの正ドライバーとして2年目を迎え、今季更なる活躍が期待される中嶋一貴など、本年は8名のドライバーを選出。

環境に配慮したモータースポーツの推進と、量産車両を含めたハイブリッドシステムの高効率化のために、モータースポーツ用ハイブリッドシステムの開発を継続する。

トヨタのモータースポーツ開発活動は、東富士研究所のモータースポーツ部を中心に、日本では、トヨタテクノクラフト(株)TRD(以下TRD)、欧州ではToyota Motorsport GmbH(トヨタ モータースポーツ有限会社、以下TMG)、米国ではTRD U.S.A., Inc.(以下、TRD-USA)を各地域の拠点として位置づけている。

【活動および支援計画概要】

1.フォーミュラ・ワン世界選手権

2.SUPER GT

チーム名カーNo.車両ドライバー備考タイヤ
GT500 レクサス チーム ルマン エネオス
(LEXUS TEAM LeMans ENEOS)
6
レクサス SC430 伊藤 大輔
(Daisuke Ito 日本)
BS
ビヨン・ビルドハイム
(Bjorn Wirdheim スウェーデン)
レクサス チーム クラフト
(LEXUS TEAM KRAFT)
35
レクサス SC430 石浦宏明
(Hiroaki Ishiura 日本)
TDP BS
大嶋和也
(Kazuya Ohshima 日本)
TDP
レクサス チーム ペトロナス トムス
(LEXUS TEAM PETRONAS TOM'S)
36
レクサス SC430 脇阪 寿一
(Juichi Wakisaka 日本)
BS
アンドレ・ロッテラー
(Andre Lotterer ドイツ)
レクサス チーム ゼント セルモ
(LEXUS TEAM ZENT cerumo)
38
レクサス SC430 立川祐路
(Yuji Tachikawa 日本)
BS
リチャード・ライアン
(Richard Lyons 北アイルランド)
レクサス チーム サード
(LEXUS TEAM SARD)
39
レクサス SC430 アンドレ・クート
(Andre Couto ポルトガル)
DL
平手 晃平
(Kohei Hirate 日本)
TDP
GT300 レーシング・プロジェクト・バンドウ
(RACING PROJECT BANDOH)
19
レクサス IS350 織戸 学
(Manabu Orido 日本)
YH
片岡 龍也
(Tatsuya Kataoka 日本)
チーム レクリス ウィズ シフト
(TEAM RECKLESS with SHIFT)
30
レクサス IS350 佐々木 孝太
(Kouta Sasaki 日本)
KH
未 定
エーピーアール
(apr)
31
トヨタ カローラ アクシオ 坂本 雄也
(Yuya Sakamoto 日本)
YH
山内 英輝
(Hideki Yamauchi 日本)
エーピーアール
(apr)
74
トヨタ カローラ アクシオ 井口 卓人
(Takuto Iguchi 日本)
TDP MI
国本 雄資
(Yuji Kunimoto 日本)
TDP
TDP : トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム
タイヤ=BS:ブリヂストン/DL:ダンロップ/KH:クムホ/YH:ヨコハマ/MI:ミシュラン

3.全日本選手権 フォーミュラ・ニッポン

チーム名カーNo.ドライバー備考
ローソン チーム インパル
(LAWSON TEAM IMPUL)
1
松田 次生
(Tsugio Matsuda 日本)
2
ブノワ・トレルイエ
(Benoit Treluyer フランス)
チーム インパル
(TEAM IMPUL)
20
平手 晃平
(Kohei Hirate 日本)
TDPドライバー
チーム ルマン
(Team LeMans)
7
国本 京佑
(Keisuke Kunimoto 日本)
TDPドライバー
8
石浦 宏明
(Hiroaki Ishiura 日本)
TDPドライバー
ペトロナス チーム トムス
(PETRONAS TEAM TOM'S)
36
アンドレ・ロッテラー
(Andre Lotterer ドイツ)
37
大嶋 和也
(Kazuya Oshima 日本)
TDPドライバー
セルモ/インギング
(CERUMO/INGING)
48
立川 祐路
(Yuji Tachikawa 日本)

4.NASCAR

(1) NASCARスプリント・カップ・シリーズ(NASCAR Sprint Cup Series)

NASCARの最高峰カテゴリー。トヨタ カムリにて2007年※より参戦開始。
(*2007年はネクステル・カップ・シリーズ)

チーム名カーNo.ドライバー
ジョー・ギブス・レーシング
(Joe Gibbs Racing)
11
デニー・ハムリン(Denny Hamlin)
※ネイションワイド・シリーズの一部にも参戦予定
18
カイル・ブッシュ(Kyle Busch)
※ネイションワイドおよびキャンピング・ワールド・トラックのそれぞれ一部にも参戦予定
20
ジョーイ・ロガーノ(Joey Logano)
※ネイションワイド・シリーズの一部にも参戦予定
レッドブル・レーシング
(Red Bull Racing)
82
スコット・スピード(Scott Speed)
※ネイションワイド・シリーズの一部にも参戦予定
83
ブライアン・ヴィッカーズ(Brian Vickers)
※ネイションワイド・シリーズの一部にも参戦予定
マイケル・ウォルトリップ・レーシング
(Michael Waltrip Racing)
00
デビッド・ロイティマン(David Reutimann)
※ネイションワイド・シリーズの一部にも参戦予定
55
マイケル・ウォルトリップ(Michael Waltrip)
※ネイションワイド・シリーズの一部にも参戦予定
JTG・ドアティ・レーシング
(JTG-Daugherty Racing)
47
マーコス・アンブローズ(Marcos Ambrose オーストラリア)
ロビー・ゴードン・レーシング
(Robby Gordon Racing)
7
ロビー・ゴードン(Robby Gordon)
【ドライバーの国籍は、特に表記無き時は米国】

(2) NASCAR・ネイションワイド・シリーズ(NASCAR Nationwide Series)

スプリント・カップ」に次ぐ人気カテゴリー。トヨタ カムリにて2007年より参戦開始。
(*2007年はブッシュ・シリーズ)

チーム名カーNo.ドライバー
ジョー・ギブス・レーシング
(Joe Gibbs Racing)
18
カイル・ブッシュ他(Kyle Busch and others)
20
ジョーイ・ロガーノ他(Joey Logano and others)
マイケル・ウォルトリップ・レーシング
(Michael Waltrip Racing)
99
スコット・スピード(Scott Speed)
99
マイケル・ウォルトリップ(Michael Waltrip)
ブラウン レーシング
(Braun Racing)
38
ジェイソン・リフラー(Jason Leffler)
32
ブライアン・ヴィッカーズ他(Brian Vickers and others)
ジャーメイン・レーシング
(Germain Racing)
15
マイケル・アネット(Michael Annett)
JTG・ドアティ・レーシング
(JTG-Daugherty Racing)
47
マイケル・マクドウェル(Michael McDowell)
CJM レーシング
(CJM Racing)
11
スコット・ラガセイ・Jr.(Scott Lagasse Jr.)
SK モータースポーツ
(SK Motorsports)
07
デヴィッド・グリーン(David Green)
【ドライバーの国籍は全て米国】

(3) NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ(NASCAR Camping World Truck Series)

トヨタ タンドラにて2004年より参戦を開始。
(*2008年まではクラフツマン・トラック・シリーズ)

チーム名カーNo.ドライバー
レッド・ホース・レーシング
(Red Horse Racing)
1
ジョニー・ベンソン(Johnny Benson)
11
T.J.ベル(T.J. Bell)
ランディ・モス・モータースポーツ
(Randy Moss Motorsports)
5
マイク・スキナー(Mike Skinner)
81
テイラー・マルサム(Tayler Malsam)
HTモータースポーツ
(HT Motorsports)
24
デイビッド・スター(David Starr)
ワイラー・レーシング
(Wyler Racing)
60
ステイシー・コンプトン(Stacy Compton)
プレミア・レーシング
(Premier Racing)
17
ティモシー・ペターズ(Timothy Peters)
ビリー・バリュー・モータースポーツ
(Billy Ballew Motorsports)
15
シェイン・シーグ(Shane Sieg)
エクスプレス・モータースポーツ
(Xpress Motorsports)
16
ブライアン・スコット(Brian Scott)
【ドライバーの国籍は全て米国】

5.その他の活動支援

(1)全日本F3選手権

全日本クラスにおけるトヨタエンジン使用チームおよびドライバーラインナップは以下のとおり。

チーム名カーNo.ドライバー(予定)備考
トムス
(TOM'S)
1
マーカス・エリクソン(Marcus Ericsson スウェーデン)
36
井口 卓人(Takuto Iguchi 日本) TDPドライバー
37
国本 雄資(Yuji Kunimoto 日本)
ナウモータースポーツ
(NOW MOTOR SPORTS)
33
岩崎 祐貴(Yuki Iwasaki 日本)
デンソー チーム ル ボーセ
(DENSO Team Le Beausset)
62
嵯峨 宏紀(Kohki Saga 日本)
(2)FCJ(フォーミュラチャレンジ・ジャパン)
(3)Netz Cup Vitz Race(ネッツカップヴィッツレース)
(4)その他、各種活動への支援

I)日本
◇トヨタモータースポーツクラブ(TMSC)の活動支援

II)米国
(1)グランド・アメリカン・ロード・レーシング(Grand Am)シリーズに V8 5.0L(3UZ改)エンジンを供給。
(2)USAC(United States Auto Club)ミジェット・シリーズ、スプリント・シリーズ、シルバークラウン・シリーズにエンジンを供給。
(3)その他

6.TDP(トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム)

(2009年TDP育成ドライバー一覧)

ドライバーカテゴリーチーム名(ご参考)06年参加カテゴリー
欧州 中嶋 一貴
(Kazuki Nakajima 日本)
フォーミュラ1
世界選手権
AT&Tウィリアムズ
(AT&T Williams 英国)
  • AT&Tウィリアムズ レースドライバー
    《シリーズ 15位》
小林 可夢偉
(Kamui Kobayashi 日本)
GP2シリーズ
GP2アジアシリーズ
DAMS
(フランス)
  • GP2アジアシリーズ
    《2勝 日本人初・シリーズ6位》
  • GP2シリーズ
    《1勝 日本人初・シリーズ16位》
フォーミュラ1
世界選手権
パナソニック・トヨタ・レーシング(Panasonic Toyota Racing)
【サードドライバー】
国内 平手 晃平(Kohei Hirate 日本) フォーミュラ・ニッポン チーム インパル(Team IMPUL)
  • フォーミュラ・ニッポン
    《1勝 シリーズ4位 ルーキー・オブ・ザ・イヤー》
  • SUPER GT 300クラス
    《1勝 シリーズ 15位》
SUPER GT(GT500) レクサス チーム サード(LEXUS TEAM SARD)
石浦 宏明(Hiroaki Ishiura 日本) フォーミュラ・ニッポン チーム ルマン(Team LeMans)
  • フォーミュラ・ニッポン
    《シリーズ16位》
  • SUPER GT 500クラス
    《シリーズ 15位》
SUPER GT(GT500) レクサス チーム クラフト(LEXUS TEAM KRAFT)
国本 京佑(Keisuke Kunimoto 日本) フォーミュラ・ニッポン チーム ルマン(Team LeMans)
  • 全日本F3選手権
    《3勝 シリーズ2位》
  • SUPER GT 300クラス
    《1勝 シリーズ9位》
  • F3マカオGP 優勝
大嶋 和也(Kazuya Oshima 日本) フォーミュラ・ニッポン ペトロナス チーム トムス(PETRONAS TEAM TOM'S)
  • F3ユーロシリーズ
    《1勝 シリーズ19位》
  • SUPER GT300クラススポット参戦
    《第6戦鈴鹿1000km 2位》
SUPER GT(GT500) レクサス チーム クラフト(LEXUS TEAM KRAFT)
井口 卓人(Takuto Iguchi 日本) 全日本F3選手権 ペトロナス チーム トムス(PETRONAS TEAM TOM'S)
  • 全日本F3選手権
    《3勝 シリーズ3位》
  • SUPER GT 300クラス
    《シリーズ32位》
SUPER GT(GT300) エーピーアール(apr)
国本 雄資(Yuji Kunimoto 日本) 全日本F3選手権 ペトロナス チーム トムス(PETRONAS TEAM TOM'S)
  • FCJ
    《8勝 シリーズチャンピオン》
SUPER GT(GT300) エーピーアール(apr)

*フォーミュラトヨタ・レーシングスクール(FTRS)について
「フォーミュラトヨタ」を使用し、富士スピードウェイで実施するレーシングスクール。
TDPの一環として、基礎指導から模擬レース参加まで、2泊3日で行うレーシングスクール。本コース受講者の中から、優秀で将来性の見込めるドライバーに対しオーディションが行われ、最終選抜されたドライバーに次年度のスカラシップを実施。【2009年FTRS実施日程】 8月17日(月)~19日(水)