2010年8月18日(水)配信

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LGDA夏祭り2010開催!

 8月15日(日)、お台場メガウェブ(東京都)にて、「LGDA 夏祭り 2010 in MEGAWEB ~君たちの
未来へ~」が開催され、2500人が詰めかけた。レクサスチームよりスーパーGTに参戦するドライバー自身による手作りイベントは、今年で5年目を迎える。

 陣頭指揮を執るのは、例年レクサスチームドライバーアソシエーション(LGDA)会長だったが、今年はレクサスチームルマンエネオスの
伊藤大輔LGDA副会長が中心となり、またレクサスチームペトロナストムスの脇阪寿一LGDA会長もそれを完全にサポート、双頭体制でこの
イベントに臨んだ。今年3月、スーパーGTシリーズが開幕すると同時に、早々に準備に着手。異例の早さだ。これも回を経るごとに、このイベントへの期待・要望がだんだんと大きくなっていることを自覚しての事だろう。また、ファン待望のイベントであるにもかかわらず、ドライバー自身が
中心となって作り上げていく、その自主性を崩さずに行うには、それ相応の時間が必要になることへの現れだ。毎戦レースのたびに、予選が終了したあと、また多忙な中ドライバーみんなで時間を作って集まった。

 今回は、モータースポーツを体感・体験していただくことが重要との考え方から、"参加型"をテーマにした。また、参加する世代を問わず、
さまざまな方が楽しんでくれることを前提にし、参加するドライバーを紅白に分け、運動会形式で盛り上げることにした。

 SUPER GT 500クラスに参戦するLGDAのドライバー以外にも、GT300クラス、先輩ドライバー、各チームのレースクイーンなど、協力者も
獲られ 31名の参加者となった。参加者のチーム分け、レースクイーン、MCは下記の通り。(敬称略)

赤組

脇阪寿一選手/大嶋和也選手/立川祐路選手/織戸学選手/井口卓人選手/ 松浦孝亮選手/高木虎之介氏/土屋武士氏/飯田章氏

 

白組

伊藤大輔選手/アンドレ・ロッテラー選手/石浦宏明選手/平手晃平選手/片岡龍也選手/国本雄資選手/嵯峨宏紀選手/服部尚貴氏
黒澤琢弥氏

1号車

PETRONAS SYNTIUM LADY 松谷裕美
HOUMEI レースクイーン 原口亜由美

6号車

ENEOS GIRLS 2010 春那美希 岡田智子

35号車

D’station 真野淳子

38号車

ZENT sweeties 成島桃香 木村好珠 天野由加里 遠野千夏 佐竹茉里菜 花井瑠美

39号車

DENSO SARD Racing Queen 桃原美奈 大崎莉央奈

 

MC

黒岩唯一 ピエール北川 今井優杏


LGDAセミナー

  今回、新たな趣向として、伊藤大輔選手、脇阪寿一選手、レクサスチームペトロナストムスのエンジニア東條力氏を講師に迎え、講話を行った。題して、「夢の実現に向けて」。このコンテンツは、これまで子ども向けに「夢」を訴えてきたLGDAのイベントを、近い将来に「夢」を実現すべく、
さまざまな進路を考えている世代に対するアピールが足りなかったという反省点から、実現し考えたものである。

 

写真左から、MCのピエール北川氏、東條氏、伊藤選手、脇坂選手

 

会場に詰め掛けたトヨタ自動車大学校の学生達、周辺には一般の
来場者も立ち見で視聴

  ターゲットは就職を控えた世代、招いた方々は、東條氏の後輩たちにあたるトヨタ自動車大学校の学生だ。シーズン中、伊藤、脇阪両選手が同校を訪問し講演を行っていたことにも起因する。現在、就職活動中の学生に対し、現役ドライバー、またレース最前線にいる先輩東條氏からの話は、特に身近に感じたはずである。伊藤選手からは、レーシングドライバーになる為に、金策に苦労した話を吐露。とても現実的な"お金"に
まつわる話だ。きっとこのような話を聞く機会など、そうは無いだろう。自ら努力し、高校時代はアルバイトをしながら夢に向かって突き進み、
社会人になっても諦めず、働きながらもレースに参戦し結果を残してきた。そのひたむきな姿に対して、ステップアップして来たどのシーンにも
必ず支援してくれる人がいたことを話した。脇阪選手は、カートをしながら伊藤選手同様に社会人して働いていた。 自分が優勝することで、周囲が喜んでくれる姿に、自らの喜びを見出した。そしてさらに更に勝つ事を目標に頑張り続けた。そしてその中でも、生き残るためには、注目を
浴びることが重要!というユニークな話を披露してくれた。実際、脇阪選手は元F1ドライバーの鈴木亜久里氏に見い出され、プロの世界に足を
踏み入れることとなるという経緯を持つ。そんな話の中にも、彼も同様に人と人のつながりが、今の自分を作ったことを熱く語っていた。

 東條氏は、元々ミュージシャンになりたかった、とちょっとびっくりな語り口でスタートした。進路の定まらなかった当時学生の彼は、とりあえず
車販売店に就職。その後趣味としてカートをやっていたという。しかし、プロのレースの世界に入りたい、という野望を持ちトムスへ転職した。
当時は、今のようなエンジニアというポストは、日本のレース業界ではあまりなかったという。いつものように、学生時代から実習後に書く「日報」を社会人になってもやめずに綴っていた。そんな彼に転機が...。その「日報」が、現レクサスチームペトロナストムスの監督の関谷正徳氏の目に
留まったのである。目を通した関谷氏は、いきなり東條氏をエンジニアに抜擢したという。東條氏は謙遜していたが、それなりの評価があってこその任命。毎年チャンピオン争いをしているトムスのエンジニアである彼の努力の積み重ねをかい間見る事ができる話であった。脇阪氏から、
エンジニアは「数字」を解析するのが仕事。ドライバーは、フィーリングで解析するのが仕事。そのドライバーのフィーリングを認めてくれた上で、速いクルマを作ってくれるのが東條氏と説明があった。そんな信頼のおけるエンジニアであるというのに、これで飯を食べて行こうと腹をくくったのは最近とのこと。いくつになっても「夢」を追い続けている姿がそこにあった。

 3人の講師の話をまとめるMCピエール北川氏。「夢」は実現するためにある!と締めくくり、45分間のトークセッションはあっという間に時間と
なった。


LGDA大運動会

  午後3時半より、大運動会が開催された。あの「運動会」である。
大玉ころがし、ムカデ競争、途中にカートを織り込み、徒競争、最後は玉入れで締めくくるというもの。大人も心が躍るものだが、それを憧れのドライバーと一緒に楽しんでしまおうという企画だ。選手(ドライバー)が入場して、選ばれたサポーターのみなさんと一緒に取り組む。
子どもから大人まで、ドライバー VS サポーターというシーンもあるが、一切誰も手を抜かない真剣さ。大人気無いなどという問題ではなく、とにかく遊ぶことにも真剣なのだ。ムカデ競走は、事前にドライバーとサポーターとで、練習をしていた。チームワークが問われる。
声かけをしながら前に進む赤組、織戸選手のかけ声に従いグングン前に進む。全く上手く行かず、試行錯誤する白組。ロッテラー選手には、少々難しそうな感じだ。徒競走には、若手を選んだもよう。井口選手の走りは本物。嵯峨選手は、勢い余って転倒してしまった。来週のレースを誰しもが心配...しかし少々手を擦りむいただけで済んだようだ。徒競走は、先頭を走っていた赤組をも、はや子どものように当然に全員で妨害する白組。会場の笑いを誘っていた。最後の玉入れは、全員で。
みんなが童心に帰り一心不乱と玉を投げ、チームワークに勝った赤組が勝利した。


ヘルメットカラーリングコンテスト

 18歳以下の方から自由にデザインし応募。採用されたデザインを施したヘルメットは、11月13~14日「FUJI SPRINT CUP 2010」(富士スピードウェイ・静岡県)にて各ドライバーが着用後、デザインをされた方にプレゼントされるという企画。約一カ月に渡り、募集されたデザインは、総数723点!年齢制限は、プロの方のデザインは素晴らしいものではあるが、今回は純粋にドライバーやレースへの思いを描いたものを選びたいと
いう希望でのこと。メガウェブに飾られたものは、たしかにカラフルで、子どもにしか発想できない斬新なものでいっぱい。たとえば、日本一に
なって欲しいという願いをこめて、富士山を描いたデザインなど。このイベントのエンディングに各ドライバーが、それぞれ自分のヘルメットの
デザインをしてくれた方の名前を読み上げた。伊藤選手は、事前に開催されたプレイベントでも、大輔の「大」の字をモチーフとしたデザインを
ずっと使用してきていると述べていたが、やはりその「大」の字が京都の大文字焼きと炎の赤に勢いを感じるとのことでかなり気にいったようだ。
石浦選手は、優勝して欲しいという気持ちの金色を使用したというデザインを選び、偶然にもいつも応援してくれている女の子のデザインを選んだことに驚きを隠せずにいた。大嶋選手は、速さや一位をイメージしたもの、ロッテラー選手は、現在の自身のヘルメットにも似ているとのことで、
ご満悦だった。

 

応募されたヘルメットデザイン全てが会場に張り出された

 

真剣にヘルメットを選定するドライバー達


U-STREAM 放送とツイッター

 今回、初の試みとして、会場に足を運ぶことのできない方のために、U-STREAM放送を実施した。チャンネル1 は、メガウェブメインステージの映像。チャンネル2は、プレゼンターに、一戸恵理子さんを招き、現場レポートを伝えた。8月16日午後2時時点で、チャンネル1は総視聴数2700、チャンネル2も、2900を超えている。

メイン画面には、ツイッターのつぶやきがリアルタイムで表示される
  ツイッターは、ハッシュタグを呼ばれるもの( 今回は、#lgda )を
つぶやきのあとにつけると、メガウェブのステージ正面のスクリーンに映し出されるという仕組み。ドライバーからの呼びかけもあるが、
メガウェブにいるサポーターの方、U-STREAMをご覧の方などから
イベントに対する反応が、リアルタイムに返ってくる。運営に対する
要望や、感謝の気持ちなど、たくさんの"つぶやき"が書き込まれ、
画期的であった。ドライバーも手の空いている時に、ツイートに返事をしたり、U-STREAMで、控室の模様を配信するサービス精神旺盛な
ドライバーもいて、これからの"サービス"としてのイベントの伝え方に、大きな変化をもたらすことになったかもしれない。大事なことは、
一体感。モータースポーツに関することに、少しでも触れていてもらいたいのである。


その他

 トヨタテクノクラフトより、救急車が展示された。レーシングカーだけではなく、たくさんの働くクルマを作っている会社である。救急車のサイレンを鳴らしてみたり、担架に横になってみたりと普段では経験できないクルマであるため、大人にも子どもにも大人気だった。
 またLGDA屋台と称して、SUPER GTにまつわるものが展示された。ボルトなどを用い、メカニックの気分でねじ合わせや、GTのクルマのドアやシート、タイヤなどを手で直に触っていただく屋台がたくさん。また、6号車と36号車には、実際にコックピットへの搭乗や、タイヤ交換も体験する
ことができた。タイヤを加工して作られたバッグや財布なども展示された。

 

テクノクラフトから展示された救急車、子供たちが乗り込み体験した

 

実車を使ってのタイヤ交換体験

 これまでのLGDAイベントとは少々趣向を変え、参加型にて行われた今回のLGDA夏祭りは、今年も大盛況のうちに、幕を閉じた。


終わりに

脇阪寿一LGDA会長から

 今年は自分に代わって伊藤選手がイベントを作り上げてくれた。運営を本当に頑張ってくれた。また本日お越しのファンのみなさんと時間を
共有できたことに感謝。参加型のイベントとしてぜひ行いたいという気持ちで進んできた。まだ手探りではあるが、来年は更にもっともっと良い
イベントをやっていきたいので、われわれに声をツイッターやブログで届けて欲しい。毎年サポートしていただいているみなさまへも感謝。モータースポーツのイベントを今の素晴らしい仲間で作りあげることができて、もっとモータースポーツを伝えていただけたらと思う。来年またこの場で
みんなに会いたいし、また本業のサーキットでのバトルを観て欲しい。

伊藤大輔LGDA副会長から

 自分の本職がわからなくなるくらい、このイベントに集中して頑張った。今日ここで、みなさんの笑顔に会うことができて良かった。これから反省点なども見出して、来年は更に良いものにして行こうと思う。せっかく今年やらせてもらったので、若い人たちに手伝ってもらいながら、来年も
頑張っていきたいと思う。