トヨタ自動車、2013年のモータースポーツ活動および支援計画を発表
トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、モータースポーツ活動をクルマの持つ「夢」や「感動」をお客様にもたらす大切なものと位置づけ、クルマを通じてお客様とより多くの「喜び」を分かち合うための重要な活動の一つとして、引き続き各国や各地域に根ざした活動を推進する。また、より多くの方々にレースの楽しさを味わっていただけるよう、参加型モータースポーツの振興にも取り組む。 加えて、ハイブリッド車での耐久レースへの挑戦を始め、さまざまなモータースポーツ活動を通じて得られたノウハウを、「もっといいクルマづくり」に向けて、量産車にフィードバックしていく。
昨年トヨタはFIA世界耐久選手権(WEC)に本格的なレーシングハイブリッドシステムを搭載したTS030 HYBRIDで参戦し、6戦中3勝という成績を挙げたが、本年も引き続き改良型のTS030 HYBRIDでシリーズ参戦する。 特に昨年リタイアに終わった第3戦ル・マン24時間(6月22、23日:フランス ル・マン市)では、伝統のレースでの初優勝を目指す。
日本では、SUPER GTにおいて引き続きLEXUS SC430でGT500クラスに参戦する。一部チームやドライバーに変更を加えた6チーム体制でタイトル奪還に挑む。また、今季より名称変更されたスーパーフォーミュラには、今季も継続してエンジンを供給し、トヨタエンジン搭載車の4年連続ドライバーズタイトル獲得及び、チームタイトルの奪還を狙う。 さらに、参加型モータースポーツ振興のために、GAZOO Racingを通じこれまでのヴィッツに加え、本年より新たに86/BRZのワンメークレースを開催し、走る楽しさの機会拡大に取り組む。
米国のNASCARについては、引き続きナショナルシリーズと呼ばれるトップ3カテゴリーに参戦。参戦7年目となる最高峰スプリント・カップ・シリーズでは、Gen-6(Generation-6) という新規定に沿った新型カムリで初のドライバーズタイトル獲得を目指す。
【活動および支援計画概要】
1.FIA世界耐久選手権(WEC)
- 昨年より開催されているFIA 公認 の世界耐久選手権(全8戦)。
- ル・マン24時間レースはシリーズの第3戦(6月22〜23日)
- トヨタは、TOYOTA Motorsport GmbH(TMG)を本拠とするトヨタ・レーシングよりTS030 HYBRIDでシリーズエントリー。
- 日本の東富士研究所で開発されたパワートレーンはTHS-R(TOYOTA Hybrid System - Racing)と呼び、3.4L V8 自然吸気エンジンにキャパシタ(蓄電器)を備えるハイブリッドシステムを採用。
- タイヤはミシュラン製を使用する。
チーム名 | 車番 | 車両 | ドライバー |
---|---|---|---|
トヨタ・レーシング (TOYOTA Racing) |
7 |
TS030 HYBRID | アレックス・ブルツ (Alex Wurz オーストリア) |
ニコラス・ラピエール (Nicolas Lapierre フランス) | |||
中嶋 一貴 (Kazuki Nakajima 日本) | |||
8 |
TS030 HYBRID | ステファン・サラザン(Stéphane Sarrazin フランス) | |
アンソニー・デビッドソン (Anthony Davidson イギリス) | |||
セバスチャン・ブエミ (Sébastien Buemi スイス) | |||
2.SUPER GT
- 国内レースのトップカテゴリー。GT500クラスにLEXUS Racingとして参戦。V8 3.4L エンジン(RV8KG)搭載のLEXUS SC430にて、TRDを通じチーム支援を行う。
- また、GT300クラスでは、ハイブリッドシステムを搭載するトヨタプリウスが参戦する。
チーム名 | 車両名 | No. | ドライバー | タイヤ | |
---|---|---|---|---|---|
GT 500 |
レクサス チーム ルマン エネオス (LEXUS TEAM LeMans ENEOS) |
ENEOS SUSTINA SC430 | 6 |
大嶋 和也 (Kazuya Oshima 日本) |
BS |
国本 雄資 (Yuji Kunimoto 日本) |
|||||
レクサス チーム ウェッズスポーツ バンドウ (LEXUS TEAM WedsSport BANDOH) |
WedsSport ADVAN SC430 | 19 |
荒 聖治 (Seiji Ara 日本) |
YH |
|
アンドレ・クート (Andre Couto ポルトガル) |
|||||
レクサス チーム ペトロナス トムス (LEXUS TEAM PETRONAS TOM'S) |
PETRONAS TOM'S SC430 | 36 |
中嶋 一貴 (Kazuki Nakajima 日本) |
BS |
|
ジェームス・ロシター (James Rossiter イギリス) |
|||||
レクサス チーム キーパー トムス (LEXUS TEAM KeePer TOM'S) |
KeePer TOM'S SC430 | 37 |
伊藤 大輔 (Daisuke Ito 日本) |
BS |
|
アンドレア・カルダレッリ (Andrea Caldarelli イタリア) |
|||||
レクサス チーム ゼント セルモ (LEXUS TEAM ZENT CERUMO) |
ZENT CERUMO SC430 | 38 |
立川 祐路 (Yuji Tachikawa 日本) |
BS |
|
平手 晃平 (Kohei Hirate 日本) |
|||||
レクサス チーム サード (LEXUS TEAM SARD) |
DENSO KOBELCO SC430 | 39 |
脇阪 寿一 (Juichi Wakisaka 日本) |
BS |
|
石浦 宏明 (Hiroaki Ishiura 日本) |
|||||
GT 300 |
エー・ピー・アール (apr) |
Panasonic apr PRIUS GT | 31 |
新田 守男 (Morio Nitta 日本) |
YH |
嵯峨 宏紀 (Koki Saga 日本) |
|||||
タイヤ=BS:ブリヂストン/YH:ヨコハマ |
3.全日本選手権 スーパーフォーミュラ
- 国内フォーミュラレースのトップカテゴリー。V8 3.4Lエンジン(RV8K)を7チーム11台に供給。
- タイヤは全車ブリヂストン製を使用する。
チーム名 | No. | ドライバー |
---|---|---|
ペトロナス チーム トムス (PETRONAS TEAM TOM'S) |
1 |
中嶋 一貴 (Kazuki Nakajima 日本) |
2 |
アンドレ・ロッテラー (Andre Lotterer ドイツ)/ ジェームス・ロシター* (James Rossiter イギリス) |
|
コンドー レーシング (KONDO RACING) |
3 |
安田 裕信 (Hironobu Yasuda 日本) |
キグナス スノコ チーム ルマン (KYGNUS SUNOCO Team LeMans) |
7 |
平川 亮 (Ryo Hirakawa 日本) |
8 |
ロイック・デュバル (Loic Duval フランス)/ アンドレア・カルダレッリ* (Andrea Caldarelli イタリア) |
|
ケーシーエムジー (KCMG) |
18 |
リチャード・ブラッドレー (Richard Bradley イギリス) |
チーム インパル (TEAM IMPUL) |
19 |
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ (Joao Paulo de Oliveira ブラジル) |
20 |
松田 次生 (Tsugio Matsuda 日本) |
|
プロジェクト ミュー/セルモ・インギング (Project μ/cerumo・INGING) |
38 |
平手 晃平 (Kohei Hirate 日本) |
39 |
国本 雄資 (Yuji Kunimoto 日本) |
|
とちぎル・ボーセ モータースポーツ (TOCHIGI Le Beausset Motorsports) |
62 |
嵯峨 宏紀 (Koki Saga 日本) |
* 第1、第7大会に出場予定 |
4.NASCAR
- 米国トヨタ自動車販売(株)およびTRD−USAを通じ、引き続きNASCARのナショナルシリーズ全てに参戦する。
- スプリント・カップ・シリーズでは、今季よりGen-6と呼ばれる新規定に沿った新型カムリを投入。Gen-6は更なる安全性の追求と共に、これまで以上に市販車のイメージに近い車両デザインとなっている。
- タイヤは全カテゴリー グッドイヤー製。
-
NASCARスプリント・カップ・シリーズ(NASCAR Sprint Cup Series)
NASCARの最高峰カテゴリー。トヨタ カムリにて2007年*より参戦開始。
(*2007年はネクステル・カップ・シリーズ)
チーム名 | カーNo. | ドライバー |
---|---|---|
ジョー・ギブス・レーシング (Joe Gibbs Racing) |
11 |
デニー・ハムリン(Denny Hamlin) |
18 |
カイル・ブッシュ(Kyle Busch) | |
20 |
マット・ケンゼス(Matt Kenseth) | |
マイケル・ウォルトリップ・レーシング (Michael Waltrip Racing) |
15 |
クリント・ボウヤー(Clint Bowyer) |
55 |
マーク・マーティン(Mark Martin) | |
55 |
ブライアン・ヴィッカーズ(Brian Vickers) | |
55 |
マイケル・ウォルトリップ(Michael Waltrip) | |
56 |
マーティン・トゥールークス Jr.(Martin Truex Jr.) | |
【ドライバーは全て米国籍】 |
5.参加型モータースポーツへの取り組み
・GAZOO Racingを通じてナンバー付車両による参加型ワンメークレースを開催。
(1)GAZOO Racing Netz Cup Vitz Race(ガズーレーシング ネッツカップ ヴィッツレース)
- 参戦可能車両はヴィッツ RS Racingで、全国ネッツ店を通じて販売中。
- 2013年は5シリーズと特別戦を含む18大会を全国主要7サーキットで開催。
(2)GAZOO Racing 86/BRZ Race(ガズーレーシング 86/BRZ レース)
- 参戦可能車両は86 RacingとSUBARU BRZ「RA Racing」で、86 Racingは全国トヨタ販売店を通じて販売中。
- 2013年は7大会を全国主要サーキットで開催。
6.その他の活動支援
(1)全日本F3選手権
- スーパーフォーミュラへと続く、若手中心のフォーミュラ・カテゴリー。
トヨタはCクラスに参戦する以下2名のドライバーを支援する。 - タイヤは、全車横浜ゴム製を使用する。
チーム名 | カーNo. | ドライバー | 使用エンジン |
---|---|---|---|
ペトロナス チーム トムス (PETRONAS TEAM TOM'S) |
36 |
中山 雄一 (Yuichi Nakayama 日本) | TOYOTA TOM'S TAZ31 |
37 |
勝田 貴元 (Takamoto Katsuta 日本) | TOYOTA TOM'S TAZ31 | |
(2)FCJ(フォーミュラチャレンジ・ジャパン)
- 8年目となるエントリークラスのフォーミュラ・カテゴリー。
車両は、FCJ専用独自開発車両(FC106)のワンメイク。本年は5大会12戦開催。 - タイヤは全車ダンロップ製を使用する。
(3)ダカールラリー
- トヨタ ランドクルーザー200で参戦するトヨタ車体(株)を支援。
(本年1月に行なわれた「ダカールラリー2013年大会」で市販車部門2位)
7.ドライバー育成
(1)TDP (トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム)
世界および日本のトップカテゴリーにおいて活躍できるレーシングドライバーの育成を目的としたプログラム。才能ある人材を発掘し、それぞれが実力に応じてステップアップできるシステムとし、以下のように展開。
(2013年TDP育成ドライバー) | |||
---|---|---|---|
ドライバー | カテゴリー | チーム名 | 備考・昨年の戦績 |
国本 雄資 (Yuji Kunimoto) |
全日本選手権 スーパーフォーミュラ |
プロジェクト・ミュー/セルモ・インギング (Project μ/cerumo・INGING) |
・フォーミュラ・ニッポン 《シリーズ13位》 SUPER GT GT500クラス 《シリーズ13位》 |
SUPER GT (GT500) |
レクサス チーム ルマン エネオス (LEXUS TEAM LeMans ENEOS) |
||
平川 亮 (Ryo Hirakawa) |
全日本選手権 スーパーフォーミュラ |
キグナス スノコ チーム ルマン (KYGNUS SUNOCO Team LeMans) |
・全日本F3 Cクラス 《7勝 シリーズ1位》 ・FCJ 《5勝 シリーズ2位》 |
中山 雄一 (Yuichi Nakayama) |
全日本F3 (Cクラス) |
ペトロナス チーム トムス (PETRONAS TEAM TOM'S) |
・全日本F3 Cクラス 《6勝 シリーズ2位》 |
勝田 貴元 (Takamoto Katsuta) |
全日本F3 (Cクラス) |
ペトロナス チーム トムス (PETRONAS TEAM TOM'S) |
・全日本F3 Nクラス 《シリーズ Nクラス3位》 |
(2013年TDP出身ドライバー) | ||
---|---|---|
ドライバー名 | 本年参戦レースカテゴリー | チーム |
中嶋 一貴 (Kazuki Nakajima) |
FIA世界耐久選手権 | トヨタ・レーシング (TOYOTA Racing) |
SUPER GT |
レクサス チーム ペトロナス トムス (LEXUS TEAM PETRONAS TOM'S) | |
全日本選手権 スーパーフォーミュラ |
ペトロナス チーム トムス (PETRONAS TEAM TOM'S) | |
平手 晃平 (Kohei Hirate) |
SUPER GT | レクサス チーム ゼント セルモ (LEXUS TEAM ZENT CERUMO) |
全日本選手権 スーパーフォーミュラ |
プロジェクト ミュー/セルモ・インギング (Project μ/cerumo・INGING) | |
石浦 宏明 (Hiroaki Ishiura) |
SUPER GT |
レクサス チーム サード (LEXUS TEAM SARD) |
大嶋 和也 (Kazuya Oshima) |
SUPER GT | レクサス チーム ルマン エネオス (LEXUS TEAM LeMans ENEOS) |
【ドライバーの国籍は全て日本】 |
(2)FTRS(フォーミュラトヨタ・レーシングスクール)
世界および日本のトップカテゴリーにおいて活躍できるレーシングドライバーの発掘・育成と正しいドライビング教育によるモータースポーツ底辺の健全な拡大を目的に、「フォーミュラトヨタ」を使用し、富士スピードウェイで実施。1995年にスタートし、基礎指導から模擬レース参加まで、2泊3日で行うレーシングスクール。本コース受講者の中から、優秀で将来性の見込めるドライバーに対しオーディションが行われ、最終選抜されたドライバーに次年度のスカラシップを実施予定。
【2013年 FTRS実施日程】 7月22日(月)〜24日(水)