ヤルノ・トゥルーリ、オリビエ・パニスからファンへのメッセージ
プライベートや鈴鹿GPの抱負を語る
インタビュアー: でははじめさせていただきます。
ようやく日本に到着した訳ですね。ヤルノさん、トヨタにようこそ。
ヤルノ・トゥルーリ 
(以下ヤルノ):
ありがとうございます。
インタビュアー: チームの一員となったことについての印象はどのようなものですか?
ヤルノ: トヨタのような大きなグループの一員となれたことを非常に誇りに思っています。これから努力を重ねて、真摯に打ち込みたいと思います。 私にとっては新しい環境で、覚えなくてはならないことが多々ありますし、新しいことが多いので、多少時間はかかると思いますが、 トヨタのチームは素晴らしく、高い可能性を持つ全てを兼ね備えたチームですので、成功すると確信しています。チームの一員となれて非常に 嬉しく思いますし、大きなモチベーションを感じていますので、今後ベストを尽くすつもりです。
インタビュアー: オリビエさん、マシンの状態について教えていただけますか?TF104Bの進展はどのような状態ですか?
オリビエ・パニス 
(以下オリビエ):
シーズン中にマシンを改良し、最初と比べれば大分改善されています。しかし、他のチームもシーズン中にマシンの改良をしているので、 追いつくことは困難です。しかし、現状のまま進めば、来年までには更なる改良をすることができると思います。
インタビュアー: マシンテストを行なって、その結果の印象はどのようなものですか?
ヤルノ: 良い状態ですが、来年までにマシンのスピードを上げるためには改良がまだまだ必要です。まだまだ努力が必要です。
インタビュアー: ところで、日本のグランプリはパナソニック・チーム・トヨタにとって50回目のグランプリだったことは知っていましたか?
オリビエ: はい。
インタビュアー: そのことについてどう思いますか。
オリビエ: 大変誇りに思っています。トヨタ・チームはまだ若いチームであることは理解しています。しかし、50回目のグランプリを迎えることは 素晴らしいことですが、出来るだけ早く勝利を祝わなくてはなりません。
インタビュアー: では、幾つか、もう少し個人的な事柄について質問させていただきます。フォーミュラ1のドライバーである場合、生活は普通の人と 大きく違うものですか?ファンはグランプリのドライバーの素顔について大変興味を持っていると思います。当然、移動が多いでしょうし、 一年間にどれくらい移動があるのですか?
オリビエ: 正直言って、数えたことはないです。家にいる日数は正確にはわかりませんが、あまり多くはありません。1シーズンにグランプリが 18回あります。各国での開催の間にはテスト走行が3、4日あります。また、全てのスポンサーのためのPR活動もあり、大変忙しいです。 当然円満な家庭を継続していくことは簡単な事ではありませんが、幸い家庭が安定していますので、何とか上手くやっています。
インタビュアー: 旅行する場合は民間航空を利用するのですか?それともご自分のジェットを利用するのですか?
ヤルノ: 日本に来る場合は民間航空を利用するしかありません。大変な距離ですからね。ヨーロッパでは距離が短いのと、グランプリから テスト走行までに時間がないのでプライベートジェットを使います。これはドライバーにとっては最適な方法です。民間航空を利用した場合は飛行場の ラウンジで過ごす時間が多くなったり、不便ですからね。
インタビュアー: 時差、時差ボケはどのように克服しているのですか。
オリビエ: どうにもなりません。なるべく早く回復するようにします。このため、海外へ行く場合は1週間前に移動し、時差ボケを克服するように します。週末までには調子を整えなくてはなりませんから。
インタビュアー: 行ってみたいところはありますか。グランプリ中に休暇をとることはありますか?
ヤルノ: 通常、シーズンの最初のグランプリであるオーストラリアとマレーシアの間には休暇を少しとります。あまりにも距離があるので、 家に帰る時間がありませんから。ですから通常は海岸に行き、4、5日そこで過ごし、その後マレーシアに直接移動します。
インタビュアー: 休暇中は何をするのですか?
オリビエ: お酒を飲み、たばこを吸い、ディスコに行き、女の子と会い・・・冗談です(笑)。シーズンは過酷で、肉体的にも過酷ですので、 休暇中もトレーニングを絶やすことは出来ません。また、冬季はシーズンOFFですが、この間も我々はトレーニングに励まなくてはなりません。 ですから、正直言ってそれほど休みはありません。しかし、休みがとれる場合はほとんど家族と過ごします。
インタビュアー: 家を留守にすることが多いのですね。と言うことはあまりご家族と過ごす時間がないということですね。
オリビエ: 多少はありますが、短いものです。しかし、自分の好きなことをやっているということと、情熱を傾けられることをやっているということは ラッキーだと思います。私にとっては上手く行っています。来年引退しますから、多忙なスケジュールからある程度開放されますので、将来は 家族と共に、より多くの時間を費やすことができるでしょう。
インタビュアー: ご家族はよくグランプリを訪れるのですか?サーキットに来ることはありますか?
ヤルノ: 正直言って、あまり来ません。私はマネージャーと共に移動していますが、仕事をしている時は、その内容に集中したいと思っていますので、 家族や友人が周りにいることは好みません。
オリビエ: 私の場合、家内はたまにグランプリに来ますが、子供がいるのでそうそう簡単に来ることが出来ません。時々は来ますが、 ほとんどは来ませんね。
インタビュアー: ヤルノさんは最近ご結婚されたと聞きましたが。
ヤルノ: そうです。数週間前です。それほど前ではありません。
インタビュアー: でもご夫人と過ごす時間はあまりないのでは?
ヤルノ: それがフォーミュラ1と言うものです。それが我々の仕事です。しかし、時間がある場合は家族、母と父も含め、共に過ごすことが楽しみです。 しかし、これがフォーミュラ1の世界なのです。
インタビュアー: それでは、結婚歴の長いオリビエさんからなにかヤルノさんにアドバイスはありますか?
オリビエ: グッドラック!
インタビュアー: 長続きの秘訣などは?
オリビエ: 人は皆違います。私としては家族の安定は、フォーミュラ1のような厳しいスポーツで成功するためには非常に重要です。
インタビュアー: ヤルノさんは何か?
ヤルノ: 過去にオリビエとは既にずいぶん共に時間を過ごしてきていますので、鈴鹿で、彼の最後のグランプリを祝うことができるのは幸いです。 素晴らしいフォーミュラ1のドライバーでしたので、共に活動し、グランプリのホーム・トラックである鈴鹿で彼の最後のフォーミュラ1に 一緒に参加できることは光栄です。
インタビュアー: お二人は過去チームメートだったので、長いおつきあいなのですね。どの位前からのおつきあいですか?どの位前から親しい友達だったのですか?
オリビエ: ヤルノと最初に会ったのは、彼がフォーミュラ1のドライバーになった時だと思います。挨拶をして、少し話をしました。そして、 私が1997年に事故に遭ったとき、彼が7回のグランプリにおいて私の代わりに出場し、その成績が良かったので、1998年と1999年のシーズンを 共に戦いました。そして親しい友となり、その後も連絡を取り合い、良い友人としてつきあっています。
インタビュアー: グランプリのドライバーにとって、良い友人とはどのようなものですか。共に食事をしたり、時間を過ごすものなのですか?
オリビエ: 友達。
インタビュアー: そうです、友達です。
オリビエ: よく共にトレーニングを行ってきました。一緒に休暇をとったこともあります。食事もします。
インタビュアー: みなさんは日本にしばしばいらしていますよね。日本に来るのは楽しみですか?
ヤルノ: はい。多くのファンがいるから特に楽しみです。多くのサポーターがいます。フォーミュラ1に携わる前から、ゴーカートのドライバーとして 日本に来て、鈴鹿で幾つかのチャンピョンシップに優勝しています。フォーミュラ1ドライバーとなってから、日本で良く知られるようになり、 人気も出ました。友達もいますから日本に来ることは楽しみです。
インタビュアー: オリビエさんは?
オリビエ: ほとんど同じですね。日本には良く来ていますし、フォーミュラ1とドライバーを日本人は歓迎してくれます。友達も多くいます。 ですから鈴鹿でレースし、日本に数日いることは楽しみです。
インタビュアー: 日本で訪れる好きな場所はありますか。ご自分の時間を過ごす機会はありますか?
オリビエ: ありませんね。日本に来ると常に時差ボケ状態で、出来るだけ早期に回復しなくてはならないので、観光する時間はありません。一週間で 色々と回るのは困難です。しかし、東京は素晴らしい都市だと思います。見るところが本当に沢山ありますが、そのためには時間が必要ですね。
ヤルノ: 同じようなものです。日本にいる時は、長い時間飛行機に乗って来ているので、時差ボケから回復することに専念し、鈴鹿に行き、 ほとんどの時間を鈴鹿サーキットで過ごします。少しトレーニングをして、週末にはレースです。ですから色々な所に行ったりする時間はありません。
インタビュアー: 時間があったら観光をしたいと思いますか?
オリビエ: 日本をあまりよく知らないのです。いつも市内だけですからね。時間ができたら、自分でゆっくり観光したいです。
インタビュアー: 日本で行ってみたいところはありますか?
ヤルノ: 魚市場が面白いと聞いています。ちょっと普通とは違うところだとね。
インタビュアー: それは東京ですから、時差ボケで午前3時に起きた時に行かれますよ。その時間にも開いていますから。
ヤルノ: 午前3時だったら、寝るほうがいいですね。
インタビュアー: 魚市場の話がでましたが、日本料理はお好きですか?
ヤルノ: あまり好きではありません。イタリア料理以外はあまり好きではありません。
インタビュアー: 調理されたものの方が良いのですか?
ヤルノ: そうです。
インタビュアー: オリビエさんは?
オリビエ: 正直言って、大体同じです。やはり調理されたものが好きです。
インタビュアー: では冒険しないのですね。
オリビエ: 食べたことはありますが、あまり好みではありませんでした。調理された食事が好きですね。
インタビュアー: 機会があればもう一度、試してみては?
オリビエ: 場合によってはね。
インタビュアー: フォーミュラ1ドライバーになりたいと思っている日本の若者に何かアドバイスはありますか?
オリビエ: アドバイスは難しいと思いますが、情熱があればチャンスは訪れると思います。ベストを付くし、難しくても継続することが大切です。
インタビュアー: ヤルノさんは?
ヤルノ: 若者あるいはドライバーの卵へのアドバイスですか・・・オリビエが言ったように、フォーミュラ1に情熱を燃やし、そのためには犠牲を 払う心構えも必要ですし、いつもモチベーションと成功する確信を持ち続けることです。プラス運があれば、人生、何でもできます。
インタビュアー: ありがとうございました。それでは最後に日本のファンにメッセージをお願いいたします。
オリビエ: こんにちはオリビエ・パニスです。日本でトヨタをサポートしているファンのみなさん。いつも応援ありがとうございます。また、長い間 私をサポートしていただき、ありがとうございました。これから先もチームをサポートしてください。がんばります。
ヤルノ: ヤルノ・トゥルーリです。僕の走りを見て下さい。そして私とパナソニック・トヨタ・チームをサポートして下さっているみなさん。 いつもご声援いただき、本当にありがとうございます。今後もみなさんのご支援のもと、益々 努力していくつもりです。
我々のチーム、またメンバー全員とも、モチベーションがありますから、かならず成功して、みなさんと共に祝うことができると思います。
インタビュアー: ありがとうございました。
オリビエ/ヤルノ: ありがとうございました。
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