F1世界選手権第2戦マレーシアGPの公式練習3回目と4回目に続き、公式予選第1回目が行われた。
午前9時から行われた公式練習3回目は、気温29度、路面温度29度、湿度64%と、比較的過ごしやすい天候の下で始まった。パナソニック・トヨタ・レーシングの2人は、どちらも僅かな周回ながら、トップから1秒差以内でヤルノ・トゥルーリが5番手、ラルフ・シューマッハーが6番手と快調なスタート。その後、30分のインターバルをおいて、午前10時15分に開始された公式練習4回目では、開始後30分ほどで、2台揃って1-2番手をマーク。その後、他チームもタイムを上げてきたが、結局ヤルノ・トゥルーリがトップタイムを守り切り公式練習は終了。僚友、ラルフ・シューマッハーも僅差の4番手と、予選、決勝へと期待がもたれた。
予選第1回目は、午後1時、気温は36度、路面温度は51度にまで上昇する中で開始された。開幕戦オーストラリアGPの決勝結果の逆順で各車タイムアタック。9番目のアタックとなったラルフ・シューマッハーは、公式練習のベストタイムにはわずかに及ばず1分33秒106で5番手。その後、12番目に出走したヤルノ・トゥルーリは、1分32秒672の好タイムをマークして2番手となり、パナソニック・トヨタ・レーシングの2台は、揃ってトップ5から明日の予選第2回目、そして、決勝レースへと臨むことになった。
明日は、午前11時から今日の予選第1回目のタイムの逆順に予選第2回目のタイムアタックが行われ、予選第1回目と予選第2回目との合計タイムによってスターティンググリッドが決定される。決勝レースは、午後3時(日本時間午後4時)にスタート、56周の熱戦が展開される。
ヤルノ・トゥルーリ :
カーナンバー16 シャシー:TF105/03
公式練習3回目: 5番手 1分35秒573(トップと0.858秒差) 6周
公式練習4回目: 1番手 1分32秒832 12周
予選第1回目 : 2番手 1分32秒672(トップと0.090秒差) 3周
「この結果には言うまでもなく非常に満足している。今朝、我々はタイヤのセットアップに取り組み、とても良い手応えを得ており、この週末は、高い戦闘力を 発揮出来るはずだ。明日の決勝レースへ向けて、いくつかの新しいパーツを組み 込んであり、オーストラリアGPよりも、自信を得ている。実際、今後我々はレースの現場において、TF105の改善を行っていくことになる。今日の結果 を得られたことで、チームに感謝している」
ラルフ・シューマッハー :
カーナンバー17 シャシー:TF105/04
公式練習3回目: 6番手 1分35秒645(トップと0.930秒差) 10周
公式練習4回目: 4番手 1分32秒951(トップと0.119秒差) 11周
予選第1回目 : 5番手 1分33秒106(トップと0.524秒差) 3周
「非常に強いアンダーステアに見舞われ、コンマ何秒か失ってしまった最初の区間を除けば、上手く予選アタックが出来たと思っている。もちろん、ヤルノ・ト ゥルーリは非常に素晴らしいアタックだった。ただ、僅かな差でルノーにかわさ れ、暫定ポールポジションを失ったのは残念だ。明日の予選及び決勝レースへ向 けては、とても自信があるし、今日以上の結果を狙っている。パナソニック・ト ヨタ・レーシングはここセパンにおいて、極めて競争力が高いと感じている」
マイク・ガスコイン : シャシー部門 テクニカルディレクター
「最初に、今週末のために、レースチームはもちろん、ケルン本拠地のスタッフ の誰もが、この冬のオフシーズンに、どれほど素晴らしい仕事をこなしてきたか を言わなくてはならない。雨に翻弄されたオーストラリアの後、今シーズン初の ドライコンディションでの予選となった。我々は、この2日間で、TF105の ポテンシャルの全てを示すことが出来ている。ミシュランタイヤは、とても良く 機能し、明日の予選、決勝へと全く心配していない。ラルフ・シューマッハーは、あいにく、アンダーステアを抱えてしまったが、トップ5に2台が入れたことは、チームにとって、幸先良いスタートといえる。明日朝の予選第2回目でのポールポジションの獲得と、レースで勝利を目指すためにも、慎重に戦略を見極める必要があるが、表彰台の頂上を狙うことが我々の明日の目的に他ならない」
高橋敬三 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「安定したコンディションの中で、実力勝負の予選第1回目となったが、2台がトップ5に入ったことは、とても嬉しい。ラルフ・シューマッハーは、アンダーステア気味で、タイムをロスしてしまったが、その結果を受けて、ヤルノ・トゥルーリは、素晴らしい仕事を成し遂げてくれた。明日の予選第2回目、そして決勝レースでもベストを尽くしたい」 |