トヨタ・チームにとって特に刺激となったのは、軽いタンクで行われたこの日の予選が、各車の本当の速さを反映した今シーズン最初のセッションになったことだ――オーストラリアGPの週末は不純な天候状況に見舞われている。
TF105に乗るトゥルーリは、高い技術が求められる5.543キロのセパン・サーキットで1分32秒672を記録。暫定ポールポジションを獲得したマイルド・セブン・ルノーのフェルナンド・アロンソとの差は0.09秒だった。パナソニック・トヨタ・レーシングのチームメート、ラルフ・シューマッハーも1分33秒106を刻み、大きく遅れることなく5番手につけている。最終的なスターティング・グリッドは日曜午前中にレース燃料を搭載して実施される2回目の予選を経て、土曜日と日曜日のタイムを加算の上決定される。
「いい結果だったし、これがわれわれの本当の姿だ」、と話すトゥルーリ。「全セッションを通じて競争力が高かった。ケルンの工場からいい空力パーツが届いたこともあって、かなり前進できたと思う。今日はまさにシーズン前から予想していた通りの結果となった。クルマはドライブしやすいし、願わくはレースでもいいペースで走れればと思う」
シューマッハーが続ける。「われわれには強さと速さがある。ターン1ですこしアンダーステアが出てしまったが、それ以外は何も問題なかった。日曜日のレースに向けて(明日の2回目の予選で)いい滑り出しができることを楽しみにしているよ」
トゥルーリのタイムはルノーの2台の間に割って入るのに十分な速さだった。メルボルンでの優勝者、ジャンカルロ・フィジケラは1分32秒765で3位、ウェスト・マクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネンが1分32秒839で4位、続いてラルフが5位、6位はBMWウィリアムズF1チームのマーク・ウェバー(1分33秒204)、以上がトップ6の顔ぶれとなった。
チームのシャシー部門テクニカル・ディレクター、マイク・ガスコインは、予選でのポールポジション、さらにはレースでの表彰台フィニッシュに向けて期待を高めている。
「チームの全員とケルンの工場のみんなにとっても嬉しい結果だ」、と話すガスコイン。「昨年のわれわれはとにかくさまざまな批判を受けた――それも当然だった――だが、今日は今シーズン初めて軽タンクによるまっとうな予選セッションとなり、その中でわれわれのクルマの強さを見てもらうことができた。私はとてもうれしく感じているが、まだ仕事の3分の1しか終えていない。レース戦略についてこれから詳しく検討してみなければならないが、同時にトップとの差は10分の1秒もないわけだから、ポールポジションを狙って走らせるだろうね」
「今週末のタイヤの状態はまさに完璧だ。われわれのクルマに対して十分な性能を発揮してくれている。これだけ暑い気温のため(路面温度は今日も50度を超えた)、ここでのレースには常に信頼性の面で不安がつきものだが現在何も問題は発生していない。これはチームにとって非常に大きな前進と言えるね。冬のテストの後、TF105はよくないと批判する人間が何人もいたが、われわれ自身はずっと自信を持っていたんだ。テストで何を試しているのか、それはわれわれにきちんとわかっていたし、開発プログラムがどうなっているのかもよく理解していた。われわれは自分たちのやり方で開発を進めることにより、自分たちの正しさを証明できたと思う。また、こういった結果を得られたことで、チーム全体にのしかかっていたプレッシャーが軽くなったね。今やわれわれには――優勝はさておき――表彰台を狙えるクルマがあるのだということがわかっている」 |