F1世界選手権第2戦マレーシアGPの予選第2回目と決勝レースが、3月20日(日)マレーシア・クアラルンプール郊外のセパン・インターナショナル・サーキットで行われた。午前11時から行われた予選第2回目では、ヤルノ・トゥルーリが2戦連続となる予選2番手グリッドを獲得。ラルフ・シューマッハーも5番手と好ポジションから決勝レースへと挑むことになった。
午後3時、気温37度、路面温度51度という相変わらずの暑さの中、56周で争われる決勝レースがスタート。ヤルノ・トゥルーリ、ラルフ・シューマッハーともに好スタートを切り、予選ポジションを堅持。その後も確実にトップグループで走行を続け、パナソニック・トヨタ・レーシング参戦4年目にして、念願の2位表彰台を獲得した。ラルフ・シューマッハーも健闘し、上位を目指し激しいアタックを見せたが、5位でフィニッシュ。見事、2台揃っての入賞、ポイント獲得を果たした。
優勝は、フェルナンド・アロンソ(ルノー)であった。
ヤルノ・トゥルーリ :
カーナンバー16 シャシー:TF105/03
決勝順位 : 2位 56周/56周 (トップと24.327秒差)
予選2回の合計: 2番手 3分07秒925(トップと 0.253秒差)
「素晴らしいスタートを切り、フェルナンド・アロンソ(ルノー)の後に付けるとともに、3位で続くジャンカルロ・フィジケラ(ルノー)との差を広げることも出来た。その後、全くトラブルのないレースを戦い、追撃してくるライバル達との差をコントロールできた。トヨタにとって初の表彰台を獲得した“TF105”を用意してくれた、ケルンとサーキットにいるチームの全てのスタッフとエンジニア、メカニックに感謝したい。素晴らしい結果を得られたのは確かだが、これは今後より大きな目標へと挑むための第一歩に過ぎない。この週末は、新しいタイヤとエンジンの競技規則の下で、厳しい挑戦であった。また、猛暑はドライバーにとっても非常に過酷なものだった。ルカ・マルモリーニと彼のチームは、信じられないほど完璧な仕事で、今シーズン最初の連続2レースを戦う、信頼性に全く問題のないエンジンを作り上げてくれた」
ラルフ・シューマッハー :
カーナンバー17 シャシー:TF105/04
決勝順位 : 5位 56周/56周 (トップと51.894秒差)
予選2回の合計: 5番手 3分09秒007(トップと 1.335秒差)
「チームにとって素晴らしい結果となった。何よりもチームメイトを祝福したい。そして、私自身も非常に嬉しい。レースは私にとって、良い結果であったが難しいものだった。最初の10周は、全く追い抜きが出来ず、タイヤの摩耗に悩まされた。その後、マーク・ウェバー(ウィリアムズBMW)との接触で、空力的に問題が生じ、振動も大きくなった。とはいえ、レースを完走することが出来、2台ともにポイントを獲得し、コンストラクターズ選手権2位という成績に貢献出来たことを満足している」
冨田 務 : TMG会長 兼 チーム代表
「4年間の準備と、3年間のレースへの挑戦の成果が、今日の素晴らしい結果へと結びついた。私は、感謝の気持ちを、ドライバー、そして、トヨタ・モータースポーツ(有)、トヨタ自動車(株)の全ての人々と、この成果へと、計り知れないほどの支援を続けていただいているスポンサーの方々に伝えなければならない。このシーズンオフの技術規則の変更などもあり、この週末も、我々は、予想以上の挑戦を強いられた。しかし、我々のエンジンが、全く問題なく、8回の公式練習と、4回の公式予選の各セッション、そして、2回のレースを戦い抜いたことを、とても嬉しく思っている。トヨタは、常に技術的挑戦を続けており、このことは、F1でも変わりない。これは、まさに、レースそのものと言える。今日の結果は、あくまでも、最終目標への手始めといえる」
高橋敬三 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「ここまで長かったが、応援してくださった皆様と、ドライバーやチームのメンバーに、心から有難うと言いたい。ドライコンディションの、安定した条件の下、実力で2位と5位を勝ち取ることが出来て、とても嬉しい。次は、表彰台の頂点を狙いに行く」
張 富士夫 : トヨタ自動車(株)社長
「初の表彰台をめざす、という今年の目標が、第2戦のマレーシアグランプリで実現出来たことを心から喜んでいる。応援をいただいた多くのファンの皆様に感謝申し上げるとともに、ヤルノ・トゥルーリの素晴らしい走り、そして、それを支えたスタッフの健闘を讃えたい」
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