日曜の午前中に実施されたレース用の燃料を搭載しての2回目の予選では、ヤルノがポジションをひとつ下げ、ポールポジションのフェルナンド・アロンソ(ルノー)とミハエル・シューマッハー(フェラーリ)に次ぐ3位となった。だがレースではシューマッハーがリタイヤした後、ヤルノはしっかりと最後まで2位を堅持。優勝したアロンソに続いて2戦連続で2位表彰台を獲得した。
●「もはや2位では満足できない」
「この結果はとてもうれしいよ」、と話すトゥルーリ。「今シーズンの素晴らしいスタートに更に上積みできたし、それにわれわれの実力を今回も証明できたことはチームにとっても素晴らしいことだ。これからもこのままの調子でプッシュし続けて、この勢いに乗っていくことが大切だね。マイク・ガスコインとチームの全員に“ありがとう”と言いたいよ。去年、契約書にサインしたときはこれほど短期間でここまで強くなるとは予想もしていなかった」
「ちょっと欲張りに聞こえるかもしれないけど、でももう2位には飽きてきているんだ! 近いうちに優勝できるんだって、自分ではそう思っておきたい。今日はフェルナンドに追いつけるかもしれないと思っていたし、レースのある段階では1周で0.2秒ずつタイムを縮めていった。でも彼のほうも逆にペースを上げてきたから、追い上げるだけのペースがこちらにはないんだってことがわかった。とはいえ、他のチームのクルマには1周につき0.5秒の余裕を持っていたし、今のチームは素晴らしいポジションにいるわけだけどね。マレーシアよりも暑い中でのレースだったけど、トラブルは何も起こらなかったしクルマも最高だった。以前チームメートだったフェルナンドのことは嬉しく思っている。もちろん自分自身とトヨタの全員のこともそうだ。誰も予想すらしていなかったことをわれわれは実現しているんだからね。われわれにとってこれはまるで夢が現実になったような感じだ。表彰台でシャンパンファイトしなかったのは、今日亡くなったローマ法王に対して敬意を表するためだったんだ」
●高い信頼性を誇るトヨタの2台
ラルフ・シューマッハーも11位に終わった1回目の予選から挽回し、素晴らしいレースを展開した。燃料をフルタンクにして行われた2回目の予選では全体で3位となるタイムを記録し、この結果合計タイムで6番グリッドを獲得した。レースでも順位を上げ、ニック・ハイドフェルド(BMWウィリアムズ)がターン8で大きくはみ出した隙に5位に浮上。その後、もう1台のウィリアムズに乗るマーク・ウェバーをかわし4位でゴールし、マレーシアGPの5位に続いて再びポイントを獲得した。
「土曜日の後、自分自身にちょっと厳しい課題を与えたんだ。でも順位を挽回することができたし、自分のほうに転がってきたチャンスはすべてモノにできた」、と話すラルフ。「4位までに2台が入ったことと、ここまでの3レースで100パーセントの信頼性を維持できていることは、まさにチーム全体の調子のよさを反映していると思う」
アロンソとトゥルーリに続いて3位に入賞したのはウェスト・マクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネンだった。さらに4位のラルフに続いて、5位がペドロ・デ・ラ・ロサ(マクラーレン)、6位がマーク・ウェバー(ウィリアムズ)、7位がフェリペ・マッサ(ザウバー)、そして8位がデヴィッド・クルサード(レッドブル)となった。
●ルノーとの差は11ポイントに縮まる
この結果、コンストラクターズ選手権でパナソニック・トヨタ・レーシングは2位の座を堅守。
テクニカル・ディレクターのマイク・ガスコインは「今回も2人がそろって力強いパフォーマンスを見せてくれた」、と話す。「コンストラクターズ選手権では、開幕から3レースで25ポイント獲得できたのもうれしいことだ。今日のレースでルノーは2台目のクルマがリタイヤしているから、ルノーとの差を3ポイント縮めたことにもなるしね。F1グランプリのシーズンというのは、コンスタントに開発を続けていくことが大切で、われわれに保証されていることなんて何もないんだ。今のわれわれには高い競争力があるが、この状態を保つためにもこれからまたハードに仕事をこなしていくことになる――初優勝を視野に入れながらね。3週間後にはイモラでヨーロッパ・ラウンドが開幕するが、われわれは今までどおり精力的に仕事をしていく。その後にはF1史上最長となるシーズンの長い夏がやってくる。ともかく、われわれはいいスタートが切れたね」 |