F1世界選手権第5戦スペインGPの公式練習1回目と2回目が、スペイン・バルセロナのカタルニア・サーキットで行われた。連続ポイント獲得を目指すパナソニック・トヨタ・レーシングは、ヤルノ・トゥルーリとラルフ・シューマッハーに、リカルド・ゾンタが加わり、3台体制で公式練習初日に臨んだ。
公式練習1回目は、午前11時から1時間にわたって、好天の下、気温21度、路面温度31度、湿度41%というコンディションでスタート。リカルド・ゾンタは開始と同時にコースインし、7番手のタイムをマークしたが、10周目に油圧トラブルでストップ。走行距離を伸ばすことは出来なかった。また、ラルフ・シューマッハーはわずか6周の走行で留めたものの、9番手のタイムをマーク。ヤルノ・トゥルーリは初期チェックの走行のみでタイムはカウントされなかった。公式練習2回目は、2時間のインターバルを挟んで午後2時から1時間にわたって気温25度と、気温も上昇、陽射しに照らされた路面温度は44度まで上昇した中で行われた。リカルド・ゾンタは、セッション序盤から好タイムを刻み、終了直前にトップタイムはかわされたものの、2番手をマーク。路面コンディションが向上する中で、パナソニック・トヨタ・レーシングの3台は、公式練習2回目で合計82周を走破。タイヤの比較を行いながら、ヤルノ・トゥルーリは5番手、ラルフ・シューマッハーは8番手に入り、順調にセットアップを進めた。
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー16
シャシー:TF105/02
公式練習1回目:21番手 タイム無し 2周
公式練習2回目: 5番手 1分16秒653(トップと1.591秒差) 26周
「私にとって成果のある一日だった。通常通りの金曜日であったが、ここカタルニア・サーキットではよくテストを行っているので、いつもよりもセットアップに取られる時間が少なくて済んだ。今年は路面舗装が新しくなったことで、新たに学ばなければならないこともあり、今日の走行はタイヤ比較に費やした。“TF105”は好調であり、あとは、データに基づいたタイヤの選択が我々の課題だ。この状況からも、ポイントの追加は可能だと思う」
ラルフ・シューマッハー : カーナンバー17
シャシー:TF105/04
公式練習1回目: 9番手 1分18秒204(トップと2.529秒差) 6周
公式練習2回目: 8番手 1分17秒264(トップと2.202秒差) 22周
「今日は全体的なセットアップを行った。“TF105”の調子は良く、セッションが進むごとに、グリップも良くなっていった。今我々がしなくてはならないのはタイヤの選択だ。カタルニア・サーキットは新しい舗装になって、昨年のレース以来大きく変わっている。非常にスムーズなので、タイヤを暖めるのに苦労するとともに、やはりタイヤにとってタフなレースになるだろう。その挑戦がうまく行けば、また、上位フィニッシュが出来るはずだ」
リカルド・ゾンタ : カーナンバー38
シャシー:TF105/05
公式練習1回目: 7番手 1分18秒103(トップと2.428秒差) 9周
公式練習2回目: 2番手 1分16秒220(トップと1.158秒差) 34周
「残念ながら、公式練習1回目の走行中、油圧系のトラブルに見舞われ、走行時間を大きく失ってしまった。その結果、公式練習2回目ではプログラムの遅れを取り戻すべくハードに走らなければならなかった。ここバルセロナの新しいスムーズな路面は、午前中のセッション序盤にはグリップが得られないことを意味したが、セッションが進むごとに路面コンディションは向上していった。多分、このグリップの向上は、天候が崩れなければ、この週末へ向けて続いていくだろう」
ディーター・ガス : チーフ・レース・エンジニア
「週末へ向けて、良いスタートが切れた。公式練習1回目では、リカルド・ゾンタに油圧系トラブルが発生したために、レースドライバー2名もわずかな周回に留めた。しかし、公式練習2回目は非常に良い結果となった。“TF105”は、速く、安定しており、リカルド・ゾンタはタイヤ比較のためのプログラムを完了することが出来た。タイヤ選択は、明確な差が見えないだけに、非常に興味深いものになるはずだ。どちらのタイプのタイヤでも、充分に速く、一貫した性能を発揮しており、全体的には満足できる一日だった。イモラで厳しい週末を過ごしただけに、ここでペースを掴みたい」
高橋敬三 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「午前中の公式練習1回目では、リカルド・ゾンタが油圧系の不調に見舞われたが、午後の公式練習2回目は、3台とも、しっかりと走り込むことが出来た。タイヤ選択のために、十分なデータの収集も出来、TF105も十分に競争力がありそうな手応えを得ている。明日の予選、そして明後日の決勝へ向けて、さらに仕上げる」
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