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Rd.5 Grand Prix of Spain report
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フロントローを確実にし、優勝を目指す
スペインGPの2日目、午後の予選1回目でトゥルーリが暫定ポールポジションを獲得。ラルフも僅差の4位に続いており、明日の予選2回目、そして決勝への期待がますます高まっている。
2005年5月7日(土)

F1世界選手権第5戦スペインGPの土曜日予選1回目でパナソニック・トヨタ・レーシングのヤルノ・トゥルーリが暫定ポールポジションを獲得し、チーム全体に大いに活気をもたらしてくれた。シャシー部門テクニカル・ディレクターのマイク・ガスコインは、明日の予選2回目でこのポジションを守ることができれば、初優勝も現実味を帯びてくる、と述べている。

30歳のトゥルーリは全長4.672キロメートルのサーキット・デ・カタルーニャを1分14秒795で周回し、地元のヒーローでもあるフェルナンド・アロンソ(1分14秒811)を抑え、この日の最速ラップを記録。また、現在のF1がいかに激しい争いになっているかを示すように、ウェスト・マクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネンのタイムは僅差の1分14秒819だった。レース用の燃料を搭載して明日行われる2回目の予選を前に、トップ3がわずか100分の2秒差にひしめいている。

暫定ポールポジションに喜びを隠せないトゥルーリは、それでも「限界までプッシュしたわけではない」、と語っている。「午前中のプラクティスではクルマの挙動に苦しんでいた。エンジンにもちょっとした問題があったしね」、と説明するトゥルーリ。「でもチームは素晴らしい仕事をしてくれた。今回も新しい空力パーツを持ち込んだし、クルマは常に進化し続けている。今日はわれわれにとって素晴らしい結果になった。プッシュしすぎないように、全体的にうまく走れたと思う。今日はすこし風が強かったし、いつものように自信を持ってアタックすることができなかった。暫定ポールポジションを取れたことにちょっと驚いているのはそれが理由だ」

ラルフ・シューマッハーは1分14秒870で、3位のライコネンからほんのわずか遅れただけだった。ラルフもレースへは自信を見せている。「いいラップだった」、と振り返るラルフ。「ただし最終セクターでは少しだけ慎重になりすぎたかもしれない。とはいえ、全体的なパフォーマンスは十分なレベルにある。クルマもタイヤも調子がよかったから、私のほうに流れがくる可能性もあった。ポールポジションからもほんのわずかな差しかない。こうした状況はずいぶん久しぶりのことだ。レース用の燃料を積んだクルマの状態にも自信があるから、とにかく明日は期待しているよ」

ラルフの後にはBMWウィリアムズF1のニック・ハイドフェルド(1分15秒038)とマーク・ウェバー(1分15秒042)が続いた。

ガスコインは、TF105が前戦のイモラよりも今回のバルセロナのほうに断然よく合っていると明言。また、新たに投入されたアンダートレーとディフューザーが空力パフォーマンスを大きく向上させているらしい。その新しい空力パーツがサーキットに到着したのは、実は木曜日の夜のことだった。そのためクルマの車検は可能な限り遅くまで引き延ばされていた。したがって、新パーツはどれもテストなしのぶっつけ本番ということになる。だが、こうした攻めの姿勢でレースに臨めるのは、風洞実験の結果にそれだけ自信を持っているためでもある。

「短い準備期間にもかかわらず、このパーツを届けてくれるために工場の全員が素晴らしい仕事をしてくれた」、と話すガスコイン。「パフォーマンスのレベルがここまで到達したのも彼らの努力のお陰だ。空力的に言えばこのクルマはかなりの力がある。必要なのは機械的な部分をもう少しだけ改善することだ。コーナーでの速度が上がればその分クルマは速くなる。今日、目にしたのはまさにこれだ。ラルフと比べてヤルノは午前中にちょっと手間取ったが、ヤルノが予選のラップに完全にハッピーになれなかったのもそれが理由だ。明日はフロントローを手にしなければならない。それができれば優勝も見えてくると思う。昨日からずっとクルマは速いし安定している。どのセッションでも速かったしね。クルマやタイヤの安定度に関してはまったく不安を感じていないよ」