5月8日(日)、朝から好天のカタルニア・サーキットで、第5戦スペインGPの予選第2回目に続き、決勝レースが行われた。午前10時に開始された予選第2回目のタイムは、予選第1回目のタイムと合算され、ラルフ・シューマッハーが予選4番手、ヤルノ・トゥルーリは予選5番手グリッドから決勝レースへと臨むこととなった。
午後2時、気温25度、路面温度41度、湿度36%というコンディションの中、66周で競われる決勝レースのスタートが切られた。4番手スタートのラルフ・シューマッハーが好スタートで一つポジションを上げて3位、ヤルノ・トゥルーリは5位をキープして序盤戦へ突入。最初のピットインで順位を逆転したヤルノ・トゥルーリがラルフ・シューマッハーの前に出ると、パナソニック・トヨタ・レーシングの2台は終盤戦には、3位、4位での“タンデム”バトルを展開。ヤルノ・トゥルーリはポジションを守り切り、3位フィニッシュ。今季3度目となる表彰台を獲得。ラルフ・シューマッハーも4位に入り、2台揃ってポイントを獲得を果たすと共に、コンストラクターズ選手権2位の座を堅守した。また、開幕戦から2台揃って5戦全戦を完走している唯一のチームとして記録を更新した。
優勝は、キミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)であった。
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー16
シャシー:TF105/02
決勝順位 : 3位 66周/66周 (トップと45秒947差)
予選2回の合計: 5番手 2分31秒995(トップと0.574秒差)
グリッド:5番手
「レースを通してラルフ・シューマッハーの前でバトルを続けることが出来、私のキャリアの中でもベストレースの一つとなった。ラルフ・シューマッハーは非常に速く、恐らく私同様表彰台獲得に値する走りだった。しかし、私のセットアップは、彼と比較して燃料の多いときは速く、燃料の少ないときはやや遅かったので、異なる戦略を採っていた。それは、私がピットストップの時でさえハードにプッシュしなくてはならないことを意味していた。最初のピットストップの時に、燃料給油器具にトラブルが生じたが、結果的には全てがうまく行き、再び表彰台に上がることが出来て満足している。素晴らしい仕事をしてくれたトヨタと、素晴らしい道具を与えてくれたチームに感謝してもしきれないほどだ」
ラルフ・シューマッハー : カーナンバー17
シャシー:TF105/04
決勝順位 : 4位 66周/66周 (トップと46秒719差)
予選2回の合計: 4番手 2分31秒917(トップと0.496秒差)
グリッド:4番手
「長く、厳しいレースだった。我々が再び多くのポイントを獲得できたことと、総合的にレースが上手く行ったことは素晴らしい。私はスタートでポジションを上げ、その後もずっと攻め続けた。残念ながら、最初のピットストップでヤルノ・トゥルーリに先行され、その後は彼をプッシュしなければならなかった。非常に忙しいレースだったが、“TF105”にもタイヤにも特に大きな問題はなく、この結果が得られたことには満足している。何と言っても、今日、チームが11ポイントを獲得出来たということは素晴らしい」
高橋敬三 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「再び表彰台に上がることが出来、2台揃って上位入賞が果たせて、大変に嬉しい。厳しいレースを戦い抜いてくれた両ドライバーとミシュランタイヤの頑張りに感謝したい。上位入賞はもちろん、2台揃っての連続完走も、信頼性あってこそ成し遂げられる。次戦モナコGPも着実に体制を整えて上位争いへ臨む」
冨田 務 : TMG会長 兼 チーム代表
「我々は、成功裏に再び表彰台を確保出来、とても嬉しい。今日、素晴らしいパフォーマンスを発揮した両ドライバーを心から祝福したい。表彰台に上がったのは一人であったが、両ドライバー共に、多くのポイントを獲得してくれた。本当に素晴らしいレースであり、チームにとっても素晴らしい一日となった。2台共、エンジン、シャシー、ミッション共に信頼性を発揮して、完璧だった。そして、TMGの本拠地で空力と製造に当たってくれた全てのスタッフも祝福したい。本当にほとんど問題の発生しないレースだった。ただ、一瞬、ヤルノ・トゥルーリの最初のピットストップで、若干燃料が燃えてしまったが、大事には至らず、TF105への影響も無かった。我々は、レース前にはタイヤに不安を抱えていたが、それも、全く問題無かった。本当に素晴らしい日ではあったが、我々の前には2チームの強豪がいるので、まだ行く手は長いと言わざるを得ないが、とにかく我々は、首位争いへと邁進する」
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