バルセロナで開催されたFIA F1ワールド選手権第5戦スペインGPにて、パナソニック・トヨタ・レーシングのヤルノ・トゥルーリが再び表彰台フィニッシュとなる3位入賞を果たした。またチームメートのラルフ・シューマッハーもトゥルーリの直後でフィニッシュし4位となり、合計でチームに11ポイントをもたらした。この結果、コンストラクターズ選手権でマイルド・セブン・ルノーに続く2位を堅守している。
土曜日の1回目の予選で暫定ポールポジションを獲得したトゥルーリだったが、レース用の燃料を搭載して行われる日曜午前の2回目の予選ではラルフに次ぐ5位にとどまった。
レースではスタート直後にラルフがBMWウィリアムズのマーク・ウェバーをかわし3位に浮上。だが、最初のスティントを長めに走ったトゥルーリがピットストップでラルフの前に出る。2台のTF105はともにこの日優勝を飾ったウェスト・マクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネンや、2位を獲得したルノーのフェルナンド・アロンソのペースにはついていけなかった。それでもトゥルーリは5戦中3回目の表彰台に立つことができた。
「今日のレースは、私のキャリアの中でも最高のレースのひとつと言えるだろう。クルマは完璧ではなかったが、私は最初から最後まで攻め抜いたんだ」、と話すトゥルーリ。「燃料が多いときはラルフよりも速かった――たぶんセットアップの影響だろう――だが、燃料が軽くなってくるとラルフのほうがかなり速かった。ラルフも私と同じように3位を手にして当然だったと思う。今日はまさに最初から最後までプッシュし続けなければならなかった。最初のピットストップではフュエルリグ(燃料補給装置)に問題があったが、最終的にはすべてがうまくいった」、と話すトゥルーリ。
シューマッハーが続ける。「ピットストップで順位を落としてしまうと、どうしてもフラストレーションを感じてしまうね。でも4位ということで今回もいい結果になった。クルマは今日も調子がよかったしタイヤもよかった。これで4戦連続してポイント圏内でチェッカーを受けることができたわけだ」
ラルフの後ろの5位にはルノーのジャンカルロ・フィジケラが続いた(彼はレース中に予定外のピットストップを強いられ順位を落としている)。6位はBMWウィリアムズのマーク・ウェバー。7位はウェスト・マクラーレン・メルセデスのファン・パブロ・モントーヤ、8位はレッドブル・レーシングのデヴィッド・クルサードだった。
パナソニック・トヨタ・レーシングのチーム代表である富田務は「2人のドライバーがほとんど同じような速さを見せ、上位でポイントを獲得してくれたお陰で、今回もチームにとって素晴らしい結果となった。今回もわれわれの信頼性は素晴らしかった――これはチームのスタッフ全員の功績だ。ただしライバルの数チームが見せた速さは、F1がいかに厳しいものなのかを改めて証明している。当然、われわれにはまだやるべき仕事があり、そして競争力をさらに高めるべくクルマの改善に集中して取り組んでいくつもりだ」、と述べている。
カタルーニャ・サーキットでの高速バトルの次は、まったくタイプの異なるサーキット――伝統の公道レースとなるモンテカルロで5月22日に第6戦が開催される。モナコはトゥルーリが昨年グランプリ初優勝を飾った場所だ。
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