Ｆ１世界選手権第６戦モナコＧＰの公式練習１回目と２回目が、モナコ公国のモンテカルロ市街地特設コースで行われた。２００５年シーズンを序盤の５戦終了時点で、コンストラクターズ及びドライバーズ選手権で２位につけるパナソニック・トヨタ・レーシングは、ヤルノ・トゥルーリとラルフ・シューマッハーに、テストドライバーのリカルド・ゾンタを加えた３台体制で伝統のモナコＧＰ初日に臨んだ。
公式練習１回目は、午前１１時から１時間にわたって、気温２３度、路面温度３１度、湿度６０％の下で行われ、ラルフ・シューマッハーが８番手、ヤルノ・トゥルーリが１３番手、リカルド・ゾンタが１７番手のタイムをマークした。その後、２時間のインターバルを挟んで午後２時から１時間にわたり、気温２６度、路面温度４８度と上昇する中で行われた公式練習２回目では、ラルフ・シューマッハーが９番手、リカルド・ゾンタが１０番手、ヤルノ・トゥルーリが１３番手であった。主にタイヤ選択のデータ収集を行ったチームは、明日の「モナコＧＰの休日」も返上してデータ解析を詰め、あさって２１日（土）に行われる公式練習３回目、４回目と予選１回目へと臨む。

ラルフ・シューマッハー　：　カーナンバー１７　
シャシー：ＴＦ１０５／０４
　　


公式練習１回目：　　８番手　１分１８秒４８２（トップと１．３３０秒差）　１４周
公式練習２回目：　　９番手　１分１６秒９１７（トップと１．０８２秒差）　２４周

「全く何のトラブルもなく、多くの周回をこなすことが出来、良い一日目となっ た。まだやらなければならないことはあるが、モナコにおいてはいつものことだ。 これから最終的なタイヤの選択を行わなければならないが、週末へ向け、全体的 には良い傾向だと思っている。ポイント獲得圏内でのフィニッシュ、そして表彰 台に上るために、最善を尽くす」

ヤルノ・トゥルーリ　：　カーナンバー１６　
シャシー：ＴＦ１０５／０２



公式練習１回目：　１３番手　１分１９秒２５５（トップと２．１０３秒差）　１３周
公式練習２回目：　１３番手　１分１７秒４８７（トップと１．６５２秒差）　２８周

「非常に難しい一日となった。モナコは私にとって大好きなサーキットの一つであるが、コース路面の状況が良くなって来たとはいえ、今日一日、常にグリップを得るために努力した。まだ完全に好みのセットアップを見つけたとは言えない。色々なセッティングを試しているが、どれが正しいかの判断が難しい。そういう意味で、今日は難しい一日だったとしか言いようがない。しかし、何が起こるかわからないのがＦ１であり、ここモナコは特にそうだ。週末へと全力で状況を改善する」

リカルド・ゾンタ　：　カーナンバー３８
シャシー：ＴＦ１０５／０５



公式練習１回目：　１７番手　１分２０秒９７９（トップと３．８２７秒差）　２１周
公式練習２回目：　１０番手　１分１７秒０４６（トップと１．２１１秒差）　３５周
「全てが上手く行かない一日だった。モナコの一日目は、いつも路面が非常に汚れており、難しい。その上、我々は間違ったセットアップのまま公式練習第１回目をスタートしたために、セッションを無駄にしてしまった。公式練習第２回目は、タイヤの摩耗をチェックするためのロングランテストに費やしたが、“TF105”の良いバランスを見出すことが出来なかった。終盤に新しいタイヤでコースに出た時には、イエローフラッグと渋滞に巻き込まれてしまった。とはいえ、まだまだ“TF105”のパフォーマンスが引き出せるはずだ」

マイク・ガスコイン　：　シャシー部門　テクニカルディレクター

「いろいろな面で、いつも通りのモナコにおける初日となった。コースは、初めは、とても汚れており、今日の２つのセッションで、大きく変化向上した。また、いつも通り、結論を引き出すには難しいほどコース上が混雑していた。とはいえ、３人のドライバーは、各々のプログラムを完了。唯一、路面が汚れていて、グリップが得られないと不平を言っているだけだった。我々は、週末へ向けて、タイヤ選択のための貴重なデータを慎重に評価せねばならないが、ＴＦ１０５は、戦闘力を備えているように見えるので、土曜、日曜へと体制を整える」

高橋敬三　：　技術コーディネーション担当ディレクター
　
「今日一日、大きなトラブルもなく、順調にタイヤ選択のためのデータを収集することが出来た。セットアップについては、まだ、やるべきことがあるが、通常と異なり、明日一日をデータ解析に使えるので、十分に時間を掛けて検討し、ベストのセッティングで土曜日の予選へと臨みたい」