F1世界選手権第6戦モナコGPの公式練習3回目と4回目に続き、予選第1回目が行われた。公式練習3回目は、晴れ渡った空の下、気温20度、路面温度23度、湿度70%と過ごしやすいコンディションの中で午前9時に開始。ラルフ・シューマッハーが好調ぶりを見せ、3番手のタイムをマーク、ヤルノ・トゥルーリは11番手につけた。30分のインターバルの後、午前10時15分に開始された公式練習4回目では、ヤルノ・トゥルーリは4番手、ラルフ・シューマッハーは6番手と2台揃って僅差のトップ6タイムをマークし、午後に行われる予選第1回目への期待を高めた。
予選第1回目は、気温22度ながら、路面温度は38度まで上昇する中で、午後1時に前戦スペインGPの決勝結果の逆順にタイムアタック。15番手にアタックしたラルフ・シューマッハーは、途中まで好調な走りを見せていたが、タバココーナーで壁に接触。予選第1回目はノータイムとなってしまった。赤旗中断の後、16番目にコースインしたヤルノ・トゥルーリは、コース清掃直後の不利な条件ながら、7番手のタイムをマーク。明日の予選第2回目での巻き返しを目指す。
明日は、午前10時(日本時間午後5時)から予選第2回目が行われ、決勝レース(78周)は、午後2時(日本時間午後9時)にスタートが切られる。
ヤルノ・トゥルーリ :
カーナンバー16 シャシー:TF105/02
公式練習3回目:11番手 1分18秒215(トップと2.018秒差) 12周
公式練習4回目: 4番手 1分14秒322(トップと0.334秒差) 11周
予選第1回目 : 7番手 1分15秒189(トップと1.545秒差) 3周
「あのような大きなアクシデントで、ラルフ・シューマッハーが無事だったことにほっとしている。しかし、中断の間に路面温度が大きく下がり、その直後に走る私にとっては厳しい条件になった。ウォームアップラップで、コースは埃っぽく、滑りやすくなっていることがわかった。“TF105”には全く問題なかったが、特に第2セクターを通過するときに、いつものようにハードにプッシュするだけの確信が得られなかった。全体的に見て、今日は幸運な一日とは言い難く、望んでいたものまでは届かなかった。しかし、まだ明日がある。明日の午前中に行われる予選第2回目で、ベストを尽くし、ポジションアップ出来ることを期待している」
ラルフ・シューマッハー :
カーナンバー17 シャシー:TF105/04
公式練習3回目: 3番手 1分16秒508(トップと0.311秒差) 16周
公式練習4回目: 6番手 1分14秒459(トップと0.471秒差) 10周
予選第1回目 :18番手 タイム無し 2周
「最初に、チームスタッフに陳謝したい。この週末、素晴らしい仕事をしてくれたにもかかわらず、結果を出すことが出来なかった。予選アタック中、“TF105”は素晴らしい仕上がりだったが、タバココーナーで左フロントホイールを壁に接触させ、反対側の壁にクラッシュしてしまった。幸い、私は全く無事だった。何事もなく“TF105”から降り、何の問題もない。しかし、明日は後方からのスタートを余儀なくされ、私にとってあまり良い週末にはなりそうもない。モナコGPは、F1カレンダーの中で最も追い抜きが難しいレースだが、少しでも良い結果を得るために全てを尽くすつもりだ」
ディーター・ガス : チーフ・レース・エンジニア
「非常に悔しい結果になってしまった。ラルフ・シューマッハーはタバココーナーのイン側に接触し、クラッシュを喫してしまった。また、これによって少量のオイルがまかれ、結果的にヤルノ・トゥルーリにとっても厳しい状況となってしまった。直後に出走することになったヤルノ・トゥルーリは、路面状況が悪化したことで、上位陣の中でも、タイムロスを余儀なくされた。全てにおいて、我々には厳しい一日だった。どちらのドライバーも、“TF105”のパフォーマンスには満足しており、午後は良い結果を期待していただけに本当に残念だ。明日は我々にとって、特にラルフ・シューマッハーにとって困難な一日になるだろう」
高橋敬三 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「残念な予選結果となった。ラルフ・シューマッハーは懸命にアタックしたが、不幸にも12コーナーで左前側のタイヤがガードレールに接触し、クラッシュしてしまった。直後のアタック順だったヤルノ・トゥルーリも、コースの汚れを意識して慎重な走りだった。明日の予選第2回目と決勝レースで挽回するべく全力を尽くす」
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