5月22日(日)、モンテカルロの市街地特設コースで、第6戦モナコGPの予選第2回目に続き、決勝レースが行われた。午前10時に開始された予選第2回目は、予選第1回目のタイムと合算され、ヤルノ・トゥルーリはポジションを上げて5番手グリッドを獲得。ラルフ・シューマッハーはスペアカーに乗り換えたため初期チェックの1周のみに留め、最後尾から決勝レースへと臨むこととなった。決勝レースは、午後2時、気温23度、路面温度42度、湿度62%というコンディションの中、狭い市街地コースを78周で競われる激戦へとスタートが切られた。5番手スタートのヤルノ・トゥルーリは好スタート見せ、一気に4位へ躍進。その後も常に上位で走行を続けていたが、抜きにくいコースで、終盤64周目に“ローズ”ヘアピンで仕掛けた思い切った追い抜きが裏目に出て、ハンドリングに不調をきたし、無念の後退。10位でフィニッシュした。一方、最後尾からスタートしたラルフ・シューマッハーは、厳しいレースで着実にポジションを上げ、ポイント圏内の6位でチェッカーを受けた。また、パナソニック・トヨタ・レーシングは開幕戦からの2台完走記録を6戦へと更新した。
優勝は、キミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)であった。
ラルフ・シューマッハー : カーナンバー17
シャシー:TF105/03
決勝順位 : 6位 78周/78周(トップと37秒177差)
予選2回の合計:18番手 タイム無し
グリッド:18番手
「最初に、昨日のアクシデントの後、私の“TF105”を仕上げてくれたチーム全員に感謝の意を表したい。それは大変な努力の成果であり、“TF105”が見事決勝レースを完走出来たことを本当に嬉しく思っている。土曜日のことが無ければ、より上位入賞も果たせたかも知れないが、今日は非常に良い一日となった。序盤は遅い車数台を“ミラボー”でパスしたが、その後渋滞に捕まってしまった。しかし、セーフティカー導入の後には、着実にポジションを上げることが出来た。終盤は、遅い車の後で数台が繋がってしまったが、その中でも、フェラーリを抑えるのはやや難しかった。M.シューマッハーは強引なアタックを仕掛けてきて、危うく接触するところだった。とはいえ、最終的に3ポイントを獲得できたのは素晴らしいことだ」
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー16
シャシー:TF105/02
決勝順位 :10位 77周/78周
予選2回の合計: 5番手2分32秒590(トップと2.267秒差)
グリッド:5番手
「上手くスタートを切ることが出来、ペースを守って、序盤は非常に良いレースを戦うことが出来た。我々は1回給油の戦略を採っており、燃料消費を考慮し、その中で、100%でプッシュし続けた。それは簡単なことではなかったが、順調だった。しかし、不運だったのは、我々がピットストップを終えて、コースに復帰してからの後半戦は、タイヤ摩耗に苦しむG.フィジケラの後で、1周ごとに数秒失う状態になってしまったことだ。これによって、2台のウィリアムズに先行を許すことになってしまった。その後、G.フィジケラが“ミラボー”コーナーの入り口でミスしたのを見逃さず、“ローズ”ヘアピンでパスしたが、このときに縁石に車体をヒットして、“TF105”のバランスが狂ってしまった。ピットインし、問題をチェックせざるを得ず、残念ながらポイント圏外に後退してしまった」
高橋敬三 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「ラルフ・シューマッハーは、最後尾からのスタートにもかかわらず、積極的な走りで、今回起きたいくつかの不運を撃ち払って6位フィニッシュを果たしてくれた。ヤルノ・トゥルーリは、ずっとG.フィジケラに行く手を阻まれたのが痛かった。終盤、彼をヘアピンで追い越した際に、路面から何らかのダメージを負ってしまい、ピットインでチェックしたもののペースを落とさざるを得なかった」
冨田 務 : TMG会長 兼 チーム代表
「ラルフ・シューマッハーの活躍で、とても良いレースとなった。そして、価値ある結果でもある。昨日のクラッシュの後、再び仕上げたTF105で、最後尾から6位まで躍進したのは、素晴らしいパフォーマンスと言わざるを得ない。また今年も、モナコは、いつ、何が起きてもおかしくない事を見せ付け、最後まで戦うことが必要だった。それに引きかえ、ヤルノ・トゥルーリは、とても不運だった。我々は、1回給油作戦を採っており、セーフティカーによるレース中断は、予想外であった。その結果、彼は他車に行く手を阻まれることになり、追越しを仕掛けて縁石を越えた際に、ハンドリングに問題を抱えてしまった。すぐにピットインさせチェックしたが異常が発見出来ず、再び送り出すしか無かった。ヤルノ・トゥルーリは、ポイント獲得を逃したが、両ドライバー共に素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれた。今シーズン最もスペクタクルなレースだっただけに、いささか残念ではある」
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