グランプリ > 2005グランプリ > ヨーロッパGP > リポート
Rd.7 Grand Prix of Europe report
grand prix
3台ともノートラブルで滑り出しは順調
F1世界選手権第7戦ヨーロッパGPの初日、パナソニック・トヨタ・レーシングのリカルド・ゾンタはフリー走行で素晴らしい走りを披露し、全体で2番手となる好タイムをマークした。
2005年5月27日(金)

ゾンタは全長5.418キロメートルのニュルブルクリンクで1分30秒630を記録。ウェスト・マクラーレン・メルセデスのアレクサンダー・ヴルツが記録したトップタイムとの差はわずか0.007秒だった。

「クルマの状態にはとても満足している」と語るゾンタ。「このコースでも好調を維持できそうな気配だね。午前中のセッションではどのクルマにとってもグリップがかなり低めだったけど、でも時間とともにコースのコンディションは上向いてきた。2回目のセッションの終わりの方ではトップタイムを出せる可能性もあったと思う。でも最速ラップの途中で、ちょっとした渋滞につかまってしまった」

ケルンを本拠地にするパナソニック・トヨタ・レーシングにとって、ニュルブルクリンクはホームレースの1つでもある。チーフのスタッフ全員に観戦チケットが1枚ずつ配布されており、この週末はいずれかの日にグランドスタンドでヤルノ・トゥルーリとラルフ・シューマッハーへ声援を送ることになるだろう。

この日のラルフは全体の10番手(1分33秒098)、ヤルノは11番手(1分33秒168)だった。

「トラブルのない一日だったが、セットアップに関してはまだ改善の余地があると感じている」と話すラルフ。「でもタイヤの選択に関しては今日の結果からすでにはっきりしているね」

ヤルノが続ける。「いい一日だったが、実際の速さがタイムに反映されているわけではない。セッションの終わりのほうで渋滞につかまってしまったからね。全体的に見れば、クルマにはかなり自信が持てている。今週末もまたかなりいけると思うよ」

ヤルノはドライバーズ選手権の3位、そしてチームもコンストラクターズ選手権の3位で今回のレースに挑む。

今日のセッションでゾンタに続いたのは、3位がBMWウィリアムズF1チームのニック・ハイドフェルド(1分31秒813)、4位がマクラーレン・メルセデスのレースドライバー、ファン・パブロ・モントーヤ(1分31秒841)、5位が同じくマクラーレンのキミ・ライコネン(1分31秒870)だった。

サーキットを囲むアイフェル山脈のこの時期の天候はかなり不安定で、それがタイヤのパフォーマンスにも大きな影響を及ぼすことになる。各タイヤメーカーはレースを前にしたコンパウンドの決定の際に、この要素を考慮しておかなければならないわけだが、今日の段階では通常よりも気温が上昇しており、コースの路面温度は50度近くにまで達した。これはマレーシアやバーレーンでの平均的な温度と比較しても1度低いだけ、という状況だ。

シャシー部門テクニカル・ディレクターのマイク・ガスコインは次のように話している。「どのタイヤを選ぶべきかはかなりはっきりしているが、これから全データをよく分析してみるつもりだ。この暑さが明日以降も続きそうな気配だし、雷雨によってレースに向けたチームの準備が邪魔される可能性も低くなってきている。ここニュルブルクリンクでもTF105はいいパフォーマンスを示せるはずだと思うし、スペインやモナコの場合と同じような速さを見せてくれるだろう。またヤルノは新スペックのエンジンを使っている。ラルフのほうは前回の予選でクラッシュした際にエンジンを交換しているので今回はそのエンジンを引き続き使っている。ドライバーは3人とも予定のプログラムを消化できたし、どのクルマにも技術的な問題は何も起きていない」