ニュルブルクリンクを舞台に開催されているヨーロッパGPの予選で、パナソニック・トヨタ・レーシングのヤルノ・トゥルーリはTF105を4位へと導き、明日60周で争われる決勝に向けて好位置を確保。ドライバーズ選手権の3位を守るためにも、上々の予選順位となった。また、チームメートのラルフ・シューマッハーは8位からのスタートとなる。
なお、今回の第7戦を前にF1の予選システムがまたもや変更されている。これは先週ファクスによるF1コミッションの投票によって決定されたもの。第6戦までの予選順位は、ほぼ空タンクで走る土曜日のタイムと、レース用の燃料を搭載して行われる日曜日のタイムの合計で決定されていた。しかしこのやり方が特にメディアの間で不評だったため、再度、以前のように土曜日のレース用燃料を搭載して走る1回のセッションの結果で決定する方法に変更となったのだ。
空タンクでの予選が消滅してしまったことで、ほぼ同じ条件で走った場合の各クルマのパフォーマンスの比較ができなくなってしまったが、いっぽうでテレビや各種メディアの担当者たちは、土曜日に最終確定された予選グリッドを基に報道できるようになった。
今日の予選について「予選の走りとレース戦略の両方に満足している」と話すヤルノ(今日のタイムは1分30秒700だった)。「午前中はクルマのバランスに取り組んだ。タイヤの調子はかなりよかったよ。特にコースの路面温度が上がって、陽射しが照りつけるようになってからはね」
いっぽうのラルフは1分31秒392を記録。「クルマのバランスがあまりよくなかった。グリップ不足にも少々悩まされたしね。予選のラップではアンダーステアがちょっときつかったけど、でもレースで長い距離を走るときにはそういったクルマの状態も変化していくことを頭に入れておかなければならない。レースではもっといい走りができると思う」、と話すラルフ。
また今日の予選ではドイツ人ドライバーのニック・ハイドフェルド(BMWウィリアムズF1)が初のポールポジションを獲得(1分30秒081)。チームメートのマーク・ウェバーも3位となった(1分30秒368)。また、2人の間に割って入ったのは現在2連勝中のマクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネン(1分30秒197)だった。
4位のトゥルーリの後ろには、5位にマクラーレン・メルセデスのファン・パブロ・モントーヤ(1分30秒890)、6位に現在タイトル争いトップに立つマイルド・セブン・ルノーF1のフェルナンド・アロンソ(1分31秒056)が続いた。
パナソニック・トヨタ・レーシングのチーフ・レースエンジニア、ディーター・ガスは次のように話している。「予選ではふたりともいい走りだった。ここまでやってきたわれわれの仕事とレース戦略は、きっとチームに上位フィニッシュをもたらしてくれるはずだ――これについては私も自信を持っている。レース用燃料を搭載して1回しか走らない予選方式のため、ライバル勢がレースでどういった走りをするのかを予想するのがかなり難しいが、かといってこれまでのやり方が通じなくなったわけではない。肝心なのは適切なタイヤを選ぶこと、いいセットアップを見つけだすこと、そして予選でできるだけ上位を確保することだ。今回の“ホームレース”でも、ここまでの6レースで積み上げてきたポイントに更に上乗せできると思っている」
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