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Rd.7 Grand Prix of Europe report
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ヤルノ・トゥルーリ Q+A - 第7戦ヨーロッパGPを振り返る
苦しい展開となったヨーロッパGPについて1ポイントを獲得したヤルノ・トゥルーリに聞いた。また、父親になったことについてもコメントしている。~TMG広報スタッフ
2005年6月2日(木)

●今回のレースでは8位入賞を果たして1ポイントを獲得しましたが、気持ちの面では全体的にみてがっかり、といったところでしょうか?
「そのとおりだね。もっとたくさんのポイント稼げる可能性があったからね。客観的な事実を見てみればわかるとおり、私の予選グリッドは優勝したアロンソの前でかなりいい位置だった。私が勝っていたはずだと言うつもりはないが、でもそれだって問題外という状況じゃなかった。あのトラブルがなければ、もちろん表彰台フィニッシュは十分可能だったと思う」

●予選でのパフォーマンスには満足していたわけですね?
「とても満足だった。搭載していた燃料は満タンとまではいかなかったけど、でも決して軽い状態で走ったわけじゃなかったから、自分がグリッドの4番手までいけるとはまったく想像していなかった。レース戦略も的確だという自信があったしね」

●つまり、これまでで最高の予選ラップだったと?
「そう思うね。ちょっと意外だったのは(予選で1位と3位になった)ウィリアムズF1チームの2台だけだった。ニック・ハイドフェルドがポールポジションを獲ったわけだけど、でもレースではご覧の通り3ストップだったし、しかも最初のピットストップはわずか12周目だった。だから予選で彼のクルマがかなり軽かったことは明らかだろう。マーク・ウェバーのほうは、たぶんニックほど軽かったわけじゃないと思うけど、でもレースでは1コーナーのアクシデントでリタイヤしているから、実際にどうだったのかはわからない」

●現地のラジオでは5月28日は過去100年間でもっとも暑い土曜日だったと報じていました。タイヤについて不安はありませんでしたか?
「正直に言って、それはなかったね。気温が高めの方が自分たちにはすこし有利になると思っていたし、それに実際のレースの日には土曜日よりも涼しくなったからね。モナコGPの後、タイヤの摩耗に関していろいろと話題にする人が多かったのは私も知っている。でもニュルブルクリンクはモナコほどリアタイヤに厳しいコースではないし、われわれのクルマにはもちろんまったく問題がなかった。ミシュランはいい仕事をしてくれたと思うし、それはレースでちゃんと証明されている」

●フォーメーションラップでは何が起こったのですか?
「エンジンをスタートさせるときにトラブルが起こったんだ。結果的にはなんとかエンジンをスタートできたけど、15秒シグナルが表示されたときにスタッフがまだグリッド上に残っていた。それがルール違反だったんだ。その結果、ドライブスルー・ペナルティを受けることになってしまった。私のスタートはよかったしその後も3位を走行していたんだけど、ペナルティのためにピットを走らなければならず――しかもわずか8周目で――レースは台無しになってしまった。コースに戻ったときは9番手まで落ちていて、しかも渋滞にはまってしまった。そこで予定よりも1回目の燃料補給を早めにしたわけだけど、それでも結局はレッドブルのヴィタントニオ・リウッツィの後ろに入ってしまった。レース中はずっと可能な限りハードに攻めたけど、でもニュルブルクリンクで追い越しをするのはそれほど簡単じゃないからね。最終ラップのキミ・ライコネンの不運に助けられて1ポイントを手にするのがやっとだった」

●7レースを終えて、さまざまなタイプのサーキットを走ったわけですが、2005年のルールに関してはどういった印象を持っていますか?
「でも私はあくまでひとりのレーサーだから、どういうルールで走っているのかということはあまり気にしていないんだ――すくなくともそれがまともなルールであればね! ここまでの自分の結果には満足しているし、チームはTF105とともに素晴らしい仕事を成し遂げている。何かに対していろいろと不満を口にし始めるというのは本当にネガティブなことだ。大切なのはしっかりと自分の仕事に取り組むことだしね。私は長年カートをやっているけど、カートは私にたくさんのことを教えてくれた。たとえば、異なるカテゴリーや異なる状況に対して、常に自分のドライビングスタイルを変えて適応していくことを学んだよ」

●今でもカートに乗ることはあるのですか?
「レースが19戦もあって、しかもその合間にテストがあるから、残念ながらその時間はほとんどないね」

●でも“トゥルーリ・カート”の販売は継続していますよね?
「もちろんだ。でもカートのビジネスの方にはあまり関わっていられない状況だ。今のF1はますます競争が激しくなっているし、時間も取られるようになっているからね」

●父親になったことにはどのように対応していますか?
「それを話すのはまだちょっと早いよ! エンツォが生まれてからまだ1カ月半だし、離れている時間も長かった。でも子どもが生まれたのはいいことだ。自分の息子のためにもっとたくさんトロフィーを家に持って帰りたいと思うし、やる気がますます高まってきている。バルセロナでは父親になって初めての表彰台に立ったけど、これからまた何度も立てるといいと思っている。これから赤ちゃんが大きくなって歩くようになれば、生活全般がもっと劇的に変わっていくのは間違いないね」

●父親になったからといって、レースでのリスクに対する姿勢は変わっていないわけですね?
「まったく変わっていない」

●ところで今もちゃんと眠れていますか?
「たいていは予備の部屋で眠るんだ。特にレースがある週末はね! ちょっとずるいかもしれないけど、でも私はレースを走らなければならないし、そのために集中することも必要だ。メンタル面を鋭敏にしておく必要があるし、それに疲労のせいで余分なリスクを背負い込みたくないからね」