F1に関わる全ての人がそうであるように、パナソニック・トヨタ・レーシングのスタッフもカナダGPを愛している。それは結局のところ、ジル・ビルヌーブ・サーキットの特別なロケーションに起因する。コースは楽しみに満ち溢れた市街地の中心から程近く、セントローレンス川沿いのモントリオールオリンピック(1976年)でカナディアン・カヤック競技の行われた湖を周回する。リラックスした街を歩けば、ダウンタウンのバーやショップがレースのムードに包まれ、雰囲気を盛り上げてくれる。しかし、金曜日から、パナソニック・トヨタ・レーシングのドライバーにとって、2005年シーズン、これまでに獲得してきた選手権ポイントを増加させるべく、真剣な戦いがスタートする。ラルフ・シューマッハーとヤルノ・トゥルーリの2名のレースドライバーが、コンストラクターズ選手権3位のポジションを維持するべく、全力を尽くすのは当然といえる。また、カナダの空気と“メープル・キャンディ”が好きなオリビエ・パニスは、マニクールでの第11戦フランスGPにおいて、金曜日、サードドライバーとしてレースチームに加わる。このことは、リカルド・ゾンタに1レース分の休暇を与えることになる。
今シーズンこれまでに、3度の表彰台を含む好成績を上げてきたヤルノ・トゥルーリは、ドライバーズ選手権で3位のポジションでカナダへと乗り込む。彼は、モントリオールでより多くのポイント獲得を期待している。
ヤルノ・トゥルーリ : カー・ナンバー16
「カナダGPは私の好みのレースの一つだ。モントリオールのコースと、街の雰囲気は最高だ。6月の天候も過ごしやすく、サーキットでのハードな日々の後、長い夕刻を、街でリラックスして過ごすことが出来る。カナダとの時差を調整するのはそんなに難しいことではないが、海を越える地域でのレースの時はいつも、体内時計を適合させるために、早めに現地入りすることにしている。モントリオールのコース、とくにサーキットを攻略するのが好きだ。サーキットの長いストレートは、低めのダウンフォースセッティングが必要だということを意味する。そのことは、F1カーを軽く感じさせるとともに、ブレーキングし、コーナーへ進入する時の操作がより重要になってくるが、それに慣れる必要がある。我々がカナダでどれだけのパフォーマンスを見せられるのかは、本当にまだ分からない。私にとって、トヨタでの最初のシーズンであり、まだ“TF105”でモントリオールのサーキットを走っていない。しかし、私は今週末のレースへ向けて前向きであり、チームのためにも良い結果が得られることを期待している」
過去にカナダGPで勝利を上げているラルフ・シューマッハーは、モントリオールの特別な雰囲気を楽しむとともに、2005年シーズンにこれまで獲得してきたポイントへの追加を目指している。
ラルフ・シューマッハー : カー・ナンバー17
「私はいつもカナダGPを楽しみにしている。モントリオールは、F1カレンダーで訪れる場所の中でも好みの一つだ。街は美しく独特の雰囲気で、人々はF1を両手を広げて歓迎してくれる。誰もが友好的で、皆がこのスポーツのスリルと興奮を支持しており、毎年訪れることをとても楽しみにさせてくれる。モントリオールはまた、F1カレンダーの中でもベストなサーキットの一つである、誇るべきジル・ビルヌーブ・サーキットを持っている。このコースはストレートでの高速性能と、ハードブレーキングを必要とし、F1カーの性能に大きく依存し、テクニカルな挑戦を要求する。私はこれまでに、ここカナダで、2001年の優勝と2003年の2位と、良い成績をあげてきた。好成績を記録してから2年たつが、論理的に見ても、パナソニック・トヨタ・レーシングと共に好成績が挙げられる気がしている。ニュルブルクリンクでの失望とフラストレーションの直後だが、我々は、部分的に公道を使用するこのモントリオールのサーキットで、より良いパフォーマンスを発揮できるパッケージを持っていると思う。進化した“RVX-05”エンジンと共に、これまでに獲得した17ポイントにさらにポイントを追加できることを楽しみにしている」
19戦で戦われる2005年のF1シーズンは、容赦ないハイペースでの連戦が続いており、パナソニック・トヨタ・レーシングはより多くのポイント獲得を目指し、第8戦カナダGPのために大西洋を渡った。
マイク・ガスコイン : シャシー部門 テクニカルディレクター
「今年の忙しいレーススケジュールは、全てのチームに、各レースウィークの間も、絶え間なく、開発ペースを維持するというかつてない負担を強いている。我々はモントリオールとインディアナポリスの北米2連戦を前に、モナコとニュルブルクリンクの連戦の後、かろうじて体制を立て直す時間を持つことが出来た。モントリオールは常に、F1カレンダーの中で最も楽しめるレースの一つだ。ジル・ビルヌーブ・サーキットのコースは、1967年の万国博覧会の跡地に造られ、いくつかの公道と組み合わされている。これは、コースが常に使われていないということであり、金曜日の公式練習で、ラバーが乗るまでは非常に汚れているということを意味する。このコースは特にブレーキに厳しく、長いストレートでのエンジンパフォーマンスも、良いラップタイムを得るためのキーとなる。従って、カナダへ向けての主な変更点は、低ダウンフォースパッケージの導入ということになるが、既にモンツァでテストを行っている。これまでモントリオールでは、妥当なレベルでレースを戦ってくることが出来た。今年の“TF105”のスピードと信頼性を考えれば、表彰台フィニッシュも狙えるはずだ」
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