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Rd.9 Grand Prix of USA press release
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第9戦アメリカGP “レースの聖地”で北米2連戦第2部が開幕
過去チームが得意としてきたコースでJ.トゥルーリとR.シューマッハーの活躍に期待
2005年6月13日(月)(アメリカ・インディアナポリス発)

カナダGPでの熱い戦いの後、F1サーカスは休む間もなくインディアポリスで行われる北米2連戦の第2部へと戦いの舞台を移す。毎年異なる開催地で行われてきたアメリカGPは、2000年からアメリカン・レーシングの聖地であるインディアナポリス・スピードウェイで開催されることとなった。F1GP用のサーキットには、ツイスティなインフィールドセクションに入る前に、有名なオーバルバンクの一部を使用する。従って、二つの異なるセクションに対応するセットアップの必要があるという点で、常にチームにとってチャレンジングである。インディアナポリスのサーキットは、これまでパナソニック・トヨタ・レーシングにとって親しみやすいサーキットであった。2003年に、オリビエ・パニスは予選3番手のポジションを獲得したが、それは今シーズン、ヤルノ・トゥルーリが決勝最前列グリッドを獲得するまでの予選順位で最高位であった。さらに、オリビエ・パニスは、5位という2004年の我々のベストリザルトを付け加えた。現在のレースドライバーであるラルフ・シューマッハーとヤルノ・トゥルーリは、この週末にさらに良い結果を得ることで、今シーズンでもっとも高いレベルアップを図ろうと目論んでいる。

ヤルノ・トゥルーリは、ドライバーズ選手権第3位のポジションとともにインディアナポリスに降り立つ。この街では、夜になるとブルースバーでサウンドに浸っている音楽ファンに出会える。

ヤルノ・トゥルーリ : カー・ナンバー16

「北米の雰囲気はいつも楽しんでいるし、この北米2連戦での歓迎ムードは、ヨーロッパとは異質のものだ。インディアナポリスは、世界のレースの中で、最も重要な戦いの舞台のひとつだ。人々はフレンドリーで、私は、この雰囲気もまた楽しんでいる。インディアナポリスのコースは、今シーズン残されたF1サーキットの中でも特異だ。それは単にテクニカルな面だけではなく、滑りやすく、ダウンフォースはとても低い。セッティングの面では、メインストレートでのスピードを獲得するためにダウンフォースの低減に取り組む必要があるが、それによって失われる低速コーナーでのメカニカルグリップを得るために、ハードな仕事を必要とするだろう。私にとって、パナソニック・トヨタ・レーシングと共に戦うのは初めてのコースであり、金曜日に走り始めるまでは、どこまで力を発揮出来るかは予想できないが、我々は楽観視している。トヨタは過去ここを得意としてきており、今年も良い結果を期待している」

日曜日のモントリオールでの6位フィニッシュが記憶に鮮やかなラルフ・シューマッハーは、2005年シーズンこれまでに獲得してきたポイントの増加を狙って、インディアナポリスへと向かう。

ラルフ・シューマッハー : カー・ナンバー17

「トヨタはこれまで、それほど競争力が高いF1カーを持っているとは言い難かったが、常にインディアナポリスでは良い活躍を見せていた、それは今シーズンの我々にとっても良い前兆といえる。インディアナポリス・スピードウェイに挑戦するということは、低速でツイスティなインフィールドセクションで安定するように仕上げながら、第1コーナーに差し掛かるまでの、バンクからスタート/フィニッシュのストレートで確実に最高速へ到達させるべく、セットアップを上手くやりくりしていくということだ。しかし、私は“インディ”で活躍するために必要な素質を“TF105”が持ち合わせていることに疑いを持っていない。我々の“RVX-05”エンジンは、信頼性を改善し続け、且つパワフルであり、ストレートでは力を発揮してくれるであろうし、空力の効果は、インフィールドに上手く対応すべく徐々に改善されている。私にとって、モーターレーシングの聖地として、インディアナポリスは特別な開催地であるし、モントリオール同様、独特の雰囲気を持っている。2000年にF1のカレンダーに加わって以来、インディアナポリスは私にとってあまりツキがないコースではあるが、今シーズンはちょっと違う展開であるし、これまでの不本意な流れを変えることが出来ると確信している」

エンジンは、インディアナポリスの有名な“オーバル”のバンクで、厳しい試練を受ける。しかし二人のドライバーは、さらに改良を重ねた“RVX-05”のパワーと信頼性の後押しを受けることになるだろう。

ルカ・マルモリーニ : エンジン部門 テクニカルディレクター

「インディアナポリス・モーター・スピードウェイは、エンジン部門の技術者にとって、F1のカレンダーの中でもっとも厳しいサーキットである。コースの全周における、エンジンの全開率は、スパやモンツァほど高くは無い。しかし、最終コーナーと第1コーナーをつなぐ、バンクを持つ1キロに渡るストレートは、ブレーキ無しの状態でエンジンを24秒間もの間、全開にしなければならないことを意味している。これは当然、エンジンに特別な負荷をかける。このため、ケルンで、この状況を想定した多くのベンチテストを行ってきた。スタート/フィニッシュのあるストレートにおけるトップスピードは、第1コーナーまでの追い越しを可能にすべく、低いダウンフォースのセッティングが必要とされる。しかし、これはグリップが重視される低速でタイトなセクションでは逆効果となるだろう。過去我々は、アメリカGPではかなり競争力が高かった。もし他のチームがここ数戦で、パフォーマンスを向上させてきたとしても、表彰台は十分狙えると思っている」