北米の連戦を終え、F1GPは今週、フランスGPのためにヨーロッパへとその舞台を戻す。90年代からF1が開催されているマニクール・サーキットは、ヌベールの市街近くに位置するが、この街は、グランプリが行われるまでは、しばしばフランス語で“何も無い街”という意味の言葉で記述されてきた。パナソニック・トヨタ・レーシングは、地元フランスのファンとメディアのために、特別に、オリビエ・パニスをリカルド・ゾンタに換えて、サードドライバーとして金曜日の公式練習に出走させる。オリビエ・パニスは古くはリジェチーム時代からこのサーキットを基盤として過ごし、誰よりも良く知っており、彼の経験は、週末へ向けてチームにとって貴重な手助けとなるはずだ。レースドライバーのヤルノ・トゥルーリとラルフ・シューマッハーは良い結果を挙げ、チームがより多くのポイントを獲得出来ることを望んでいる。
ヤルノ・トゥルーリは、彼のキャリアの大部分をフランスのチームで過ごし、その後も、フランスとの関係は続いている。彼は、アメリカGPでのポールポジション獲得のあと、パナソニック・トヨタ・レーシングがヨーロッパに戻ってきたことを機に、再びポイント争いへと加われることを期待している。
ヤルノ・トゥルーリ : カー・ナンバー16
「フランスでレースをするのは楽しい。マニクール・サーキットは、ほとんどの種類のコーナーを持つ、テクニカルなF1サーキットの代表格だ。素早い向き変えを伴う、いくつかの高速シケインと、低速なヘアピン、そして高速で通過するコーナーも持っている。それは、F1カーのドライブが楽しめるサーキットだということを意味する。路面はシリーズの中でもとくにスムースなことで知られている。これによって、コクピット内は、いつもよりやや快適であり、車高もぎりぎりまで下げることが出来る。あらゆるタイプのコーナーに、可能な限り対応出来るようにセッティングする必要がある。特に、ラップタイムに大きく影響する高速なセクションでは、敏感なハンドリングで、より素早く向きが変わるようにしなくてはならない。私はキャリアの大部分をフランスのチームで過ごしてきており、フランス語も話せる。多くのサポートをフランスから得ており、ほとんど第2のホームレースのように感じている。私はフランスGPを楽しみにしており、今シーズンの好調を維持して、良い結果でポイントを持ち帰れることを期待している」
ラルフ・シューマッハーは、前戦アメリカGP金曜日の公式練習でクラッシュし、大事を取ってその後の出走をパスしたが、マニクールでレースの現場へと復帰することになる。彼は先週のヘレステストも休み、十分なフィットネスとともに、万全な体制でフランスGPへと臨む。
ラルフ・シューマッハー : カー・ナンバー17
「アメリカGP金曜日の公式練習におけるアクシデントからは、完全に復調しており、フランスGPで、レースに戻れることを楽しみにしている。マニクール・サーキットはあまり好みのサーキットではないが、フランスGPは、私がこれまでに挙げた6勝のうちの一戦である。また、2001年に、私にとってF1で初めてのポールポジションを獲得した場所でもある。昨年は欠場してしまったため、この週末のレースは、2003年に勝利を上げて以来のフランスGPとなる。カナダGPとアメリカGPは低めのダウンフォースサーキットだったが、マニクールはまた高いダウンフォースへと戻る。コースはドライバーに独特の挑戦などは要求しないが、非常にスムースな路面が特徴だ。このことは当然我々ドライバーが、レースで凸凹な路面に乗らなくて済むことを意味しているが、それはまた、天候や路面温度によって路面の状況が大きく変わることも意味している。我々が今年、マニクールでどれだけのパフォーマンスを見せられるかというのは非常に難しいが、全体的なパッケージは、シーズン折り返しとなった現在でも、未だコンペティティブであり、確実に、さらなるポイント獲得を狙っていけるだろう」
今週末のフランスGPは、7月中の1ヶ月間に4戦行われるという、信じられないようなスケジュールの第1戦となる。それはチームにとっても非常にハードだが、パナソニック・トヨタ・レーシングは、その挑戦への準備は出来ている。
マイク・ガスコイン : シャシー部門 テクニカルディレクター
「これから一ヶ月間にフランス、イギリス、ドイツ、そしてハンガリーへ連戦するという、我々がF1に参戦して以来最も過酷な7月が始まる。このようなスケジュールは、チーム全体にさらなるプレッシャーを与える。レース関係者は、ヨーロッパを転戦する体制を立て直す時間をかろうじて維持し、また、当然のことながらケルンのファクトリーでは、“TF105”の開発に、いつもの4倍の作業を行わなければならない。とはいえ、我々はこの挑戦に対する準備は出来ており、パフォーマンスについて妥協はしない。我々には、全てのレースで表彰台フィニッシュを果たせるだけの“TF105”があり、それを肝に銘じてフランスGPへと臨まなければならない。マニクールでは、かなり高いレベルのダウンフォースが必要で、標準的なセッティングへと戻すことになるだろう。2つの中高速シケインでは、ハンドリングが重要であり、ストレートでの最高速域から、アデレードヘアピンでの低速域に至るまで性能が発揮できるよう、出来る限りウィングレベルのバランスを取らなければならない。マニクールでは追い抜きは難しいので、予選ではトップ6、もしくはトップ8以内を狙い、そしてピットストップでポジションアップするための、より強力なレース戦略が必要になる。表彰台は決して容易いものではないが、この長い19戦というシーズンを折り返す時点において、表彰台は我々の明確な目標でもある」
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