今週末行われるF1第10戦フランスGPにおいて、地元フランス出身のオリビエ・パニスが金曜日の公式練習でパナソニック・トヨタ・レーシング3台目のドライバーとして、“TF105”のステアリングを握る。
38歳になるオリビエ・パニスは、注目を集めつつ、33レースをパナソニック・トヨタ・レーシングと共に戦い、その後、新たに2年のテストドライバーとしての契約を結んだ。その際、彼の貢献を称え、チーム代表の冨田務は、2004年シーズンを共に戦った“TF104”1台を彼にプレゼントした。
パナソニック・トヨタ・レーシング社長、J.ハウエットは、「2005年シーズン開始時には、オリビエ・パニスは、競技規則上、3台目のF1カーをドライブすることを許されていなかった。しかし、そのルールが緩和されたため、良い機会だと思い、彼にホームレースで3台目の“TF105”をドライブすることを打診した。オリビエ・パニスは速く、技術的にも優れたドライバーとして評価されている。また、リカルド・ゾンタは連続するレースとテストのスケジュールに多忙な日々を送っており、この決定によって、彼は第11戦イギリスGPの前に、十分な休養を楽しむことが出来るだろう」と語った。
J.ハウエットの言葉を裏付けるかのように、リカルド・ゾンタはカナダGPの後、スペインのヘレスサーキットに直行し、F1合同テストに参加、292周、約1300kmを走破している。
リカルド・ゾンタは「オリビエ・パニスが金曜日に、彼のホームレースでドライブすることは、何よりも嬉しい」と語った。「イギリスGPのドライバーズミーティングが始まるまで、フランスGPが終わってから5日間しかないが、シルバーストーンで金曜日にサードカーを再びドライブするのをとても楽しみにしている」
オリビエ・パニスは「マニクールでコクピットに戻ることを本当に心待ちにしている。私がマニクールで初めてレースをしたのは1994年のことであり、それから10年間の経験があり、コースは熟知している。その経験をチームのために活かしたいと願っている。フランスGPのレースウィーク中、フランス人ドライバーがいないのはとても悲しいことだ。チームへの貢献とともに、これまで私のF1キャリアにおいてサポートしてきてくれたファンや、フランスのTV、メディアに対して何らかの恩返しがしたい。そして、自分自身も楽しみたいと思っている」と語った。
158戦に渡るオリビエ・パニスのF1キャリアにおけるハイライトは、1996年のモナコGPでの勝利であった。また、彼は1994年のドイツGPで2位、1995年のオーストラリアGPと1997年のスペインGPで2位を獲得、1997年のブラジルGPでも表彰台に上がっている。しかし、残念だが、彼はホームレースであるフランスGPでの結果には恵まれず、9回のフランスGP出場の中で、2003年、パナソニック・トヨタ・レーシングとともに8位入賞を果たしたのみである。
「多分良い結果になる。今回は私が決勝を戦うことにはならないだろうから」とオリビエ・パニスは冗談を言った。「正直、マニクールはテクニカルなコースであり、コンディションは他のサーキット以上にどんどん変わるので厳しい。でもそれは私の経験が本当に活かせる領域であり、チームのために、良い仕事を成し遂げることを楽しみにしている」 |