ヤルノは第1スティントで2位をキープし続けたものの、レースが進むに連れて後退を余儀なくされた。ヤルノはこの日のTF105のハンドリングにあまり満足できなかった様子だ。
「クルマのリアがかなり滑りやすかった」と話すヤルノ。「そのため表彰台に昇るために必要なスピードを維持することができなかった。第2スティントをかなり長めにして走ったため、燃料が多くなり、クルマはかなり重かった。リアのグリップに対する影響もあまりよくなかったと思う。また、結局はそのときの順位をキープできるほど長く走り続けることもできなかった」
今回のラルフのレースは、予選出走順位が一番目になったことで全体的にかなり不利な状況になっていた。2週間前のインディアナポリスでクラッシュしレースを欠場したため、予選ではグリップが最低レベルの状態で走らざるを得なかったのだ。
「自分としてはベストを尽くしたよ。タイヤの摩耗の進み具合がそれほどひどくなかったこともあって、順位を5つも上げることができたし、2ポイント獲れたことにも満足しなければならないと思う。今年のレギュレーションの場合、1つのレースで結果が悪いと、その影響を次のレースでも引きずることになる。今回のレースでよかったことは、この結果のお陰で来週のシルバーストーンでは出走順位がかなりよくなることだ」
決勝レースでは、ウェスト・マクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネンを下したマイルド・セブン・ルノーF1のフェルナンド・アロンソが今季5勝目を達成。3位はスクーデリア・フェラーリ・マルボロのミハエル・シューマッハー。続いて今季初ポイントを獲得したラッキーストライクBARホンダのジェンソン・バトンが4位、ヤルノとラルフの間にはルノーのジャンカルロ・フィジケラが6位に、そして8位はザウバー・ペトロナスのジャック・ヴィルヌーヴとなった。
「2台そろってポイントを獲得できたのはよかったし、われわれとしてはこれを喜ぶべきだろう」と話すシャシー部門テクニカル・ディレクターのマイク・ガスコイン。「ふたりともリアのグリップ不足を訴えていた。特に昨日の予選で最初に走ったラルフは、7位フィニッシュという素晴らしい仕事をしてくれた。6ポイント獲得したことでコンストラクターズ選手権では4位に浮上できたし、次のシルバーストーンの予選ではいい出走順位で走ることができる。全体的に見て、ヤルノが表彰台圏内を維持できなかったのは残念だったが、今回のレースに関してはポジティブに捉えておくべきだろう」
F1史上、最長のシーズンとなる今年の第11戦は、わずか7日後にシルバーストーンで開催される。
|