今回の舞台となるシルバーストーン・サーキットは、F1カレンダーの中でも平均速度が最も高い超高速サーキットとして知られている。そのため、1週間前のフランスGPの舞台となったマニクールとはまったく異なるハードルに挑むことになる。
この日最速だったのは1分18秒530を記録したウェスト・マクラーレン・メルセデスのサードドライバー、ペドロ・デ・ラ・ロサだった。いっぽう3台のTF105のうち最速だったリカルド・ゾンタのタイムは1分18秒964となっている。
「フランスGPではオリビエ・パニスが母国の観衆の前で走ったため私は一戦お休みだったが、こうしてまたコックピットに戻るのはいいものだね」と話すゾンタ。「シルバーストーンは走っていて満足感が得られるコースだ。難度がとても高いし、うまく攻略するためには的確にセットアップされたクルマが必要になる。今日はロングランでも速くて安定したタイヤを見つけられたから、いい一日だったね」
ラルフ・シューマッハーはこの日6番手となるタイム(1分20秒602)を記録し、ヤルノ・トゥルーリのタイム(1分20秒816)を僅わずかに上回った。
「かなり調子はいいね」と話すラルフ。「シルバーストーンでは2~3週間前にいいテストができている。今日はタイヤとセットアップのプログラムをうまくこなすことができたから、成功した一日と言えるね。明日からのセッションも楽しみだ」
一度スピンを喫したヤルノのほうは、もうすこし慎重な姿勢を崩していない。「私のほうもプログラムは順調にこなすことができた」と話すヤルノ。「でも今回のレースはタフなものになるだろう。全体的に言って、先週のフランスGPと同じような感じになると思う。つまり、また何ポイントか獲れれば上出来、ということだ」
ゾンタに続く3番手はラッキーストライクBARホンダのジェンソン・バトン(1分20秒211)、そしてマクラーレンのファン・パブロ・モントーヤ(1分20秒252)とキミ・ライコネン(1分20秒384)が続いている。
シャシー部門テクニカル・ディレクターのマイク・ガスコインは次のように説明している。「午前中はいい調子だった。ただし金曜日は他のチームが何を試しているのかがはっきりとはわからないため、ある程度慎重になる必要はある。とは言え、今日はすべてがうまく行った。われわれは正しい方向に進んでいるし、他のトップチームと競えるだけの速さもあるようだ。それに今年は、ほとんどのレースで表彰台が狙えると思っている」
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