これまでヤルノが予選でトップ5を逃したのはカナダGPでのわずか1度だけだったが、今回は1分15秒532というラップタイムとなり、5番グリッドから0.5秒も離されてしまった。チームメートのラルフは全長4.574キロのコースを1分15秒699で周回した。
それでもトゥルーリ本人はレースでポイント圏内フィニッシュが可能だと考えている。
「この順位にそれほど不満を感じているわけではない」と話すトゥルーリ。「フリー走行の時からトップ集団に加わることができなかったが、それでもレース戦略に関しては各チームでばらつきがあると思う。また、ブレーキにちょっとした問題があったため、限界まで攻め込めるだけの100パーセントの自信が持てなかった。そういうわけで、今日の予選では“今年最高のラップ”とはいかなかった」
いっぽう、ラルフはこう続けた。「予選ではきれいなラップだったし、中段グリッドのタイムは拮抗している。今日の結果はレースに向けたセットアップと戦略の違いからくるものだ。それにタイヤの選択についても満足している。表彰台を狙える位置にはいないが、ポイント獲得は十分可能だろう」
ポールポジションはタイトル争いで2位のキミ・ライコネンだった。彼がドライブするウェスト・マクラーレン・メルセデスは1分14秒759を記録。続いて2位はラッキーストライクBARホンダのジェンソン・バトン(1分14秒759)、3位はマイルド・セヴン・ルノーのフェルナンド・アロンソ(1分14秒904)、4位はチームメートにわずかに遅れたルノーのジャンカルロ・フィジケラ(1分14秒927)、5位はスクーデリア・フェラーリ・マルボロのミハエル・シューマッハー(1分15秒006)、そして6位はBMWウィリアムズF1のマーク・ウェバー(1分15秒070)となった。
予報によると日曜日の天候は不安定となるはず。したがってレース展開も難しいものになりそうだ。チームが大きな成果を手にするためには、素早い決断とちょっとした幸運が必要になるだろう。ただし今日まではドライ・コンディションのままだったため、ウェット・タイヤを履いたときのスピードは誰もチェックできていない。
パナソニック・トヨタ・レーシングのシャシー部門テクニカルディレクター、マイク・ガスコインは次のように一日を総括している。「今シーズンこれまでに何度か目にしてきた素晴らしい予選の走りと比較すると、今日のラップには少々落胆せざるをえない。だが、予選セッションは非常に拮抗していたし、また、グリッドに並ぶ各チームそれぞれの戦略も多岐に渡っているはずだ。タイムシートを見てみると、7位から12位のラルフまで0.3秒しか離れていないことがわかる。われわれは最高のレース戦略に集中して作業を進めている。明日はふたりそろってのポイント獲得が現実的な目標になると思う」
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