F1世界選手権第13戦ハンガリーGPの公式練習1回目と2回目が、ハンガリーのハンガロリンク・サーキットで行われた。パナソニック・トヨタ・レーシングは、ヤルノ・トゥルーリとラルフ・シューマッハーの2台に、サードドライバーのリカルド・ゾンタを加えた3人が、金曜日の公式練習に参加し、週末へ向けてセットアップを開始した。午前11時から1時間に渡って行われた公式練習1回目は、気温33度、路面温度46度の暑さの下、リカルド・ゾンタが開始早々からコースインしたが、F1GP以外では使用されることのないハンガロリンクは、路面が汚れており、非常に滑りやすいコンディション。この公式練習1回目では、ラルフ・シューマッハーが10番手、ヤルノ・トゥルーリが11番手。後半ピットレーンでストップし、18周のみの周回にとどまったリカルド・ゾンタは16番手であった。2時間のインターバルを挟んで午後2時から行われた公式練習2回目は、気温36度、路面温度も49度まで上昇する中、パナソニック・トヨタ・レーシングの3台は好調にセットアップを続け、リカルド・ゾンタがトップタイムをマーク。ヤルノ・トゥルーリも4番手、ラルフ・シューマッハーが5番手で続き、公式演習初日でトップ5に3台が入る好調な仕上がりで、明朝の公式練習に続く、午後の予選、そして、日曜日の決勝へと期待を高めた。
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー16
シャシー:TF105/07
公式練習1回目: 11番手 1分23秒764(トップと2.353秒差) 8周公式練習2回目: 4番手 1分21秒410(トップと1.001秒差) 26周
「セットアップのプログラムとタイヤ評価を、特に問題も無くこなすことが出来、良い公式練習の一日となった。公式練習2回目で僅かにスピンを喫してしまったが、ハンガロリンクのコースはとても汚れており、レーシングラインから外れれば簡単にグリップを失ってしまうのはいつものことである。今日のこの良いペースを週末を通じて維持できることを期待している」
ラルフ・シューマッハー : カーナンバー17
シャシー:TF105/05
公式練習1回目: 10番手 1分23秒706(トップと2.295秒差) 6周公式練習2回目: 5番手 1分21秒631(トップと1.222秒差) 24周
「ここハンガロリンクでは、常に誰もが出来る限りのダウンフォースを得ようと努力しており、他のチーム同様、我々も特別な空力パッケージを持ち込んだ。今日の暑さは我々にとっては好都合であり、週末も続いてくれるとありがたい。我々の目標は、4位から6位くらいに入賞し、ポイントを獲得することだ」
リカルド・ゾンタ : カーナンバー38
シャシー:TF105/02
公式練習1回目: 16番手 1分24秒270(トップと2.859秒差) 18周公式練習2回目: 1番手 1分20秒409 24周
「自分の名前がタイムシートの一番上にあるのを見ることはいつでも嬉しいことであり、良い一日となった。コースは当初非常に滑りやすく、また、我々はバランス面で若干の問題を抱えたが、我々は、一生懸命、改善へと努力した。公式練習1回目のセッション終盤には、油圧系に問題を抱え、公式練習2回目もオーバーヒートに見舞われ、周回数が限られてしまったが、それでもロングランを完了し、パフォーマンスを証明することも出来た」
ディーター・ガス : チーフ・レース・エンジニア
「週末へと幸先の良いスタートとなった。着実な歩みを示すことが出来、プログラムを遂行した。リカルド・ゾンタは、公式練習1回目で、油圧系の問題に見舞われ、走行を制限されてしまった。さらに、公式練習2回目では、冷却口に紙のような物を拾ってしまい、冷却効果が妨げられたことにより、電子系システムが高温となり電圧制御システムを交換しなくてはならなかった。それ以外、ドライバーは、満足の行くセッティングを進め、タイヤ評価をはじめ、我々が必要とするデータを収集出来た」
高橋敬三 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「リカルド・ゾンタに二つのトラブルが発生し、初日の今日は、多少、セットアップのプログラムを変更しなければならなかった。しかし、ラルフ・シューマッハーとヤルノ・トゥルーリの2人がそれをカバーし、十分なデータを集めることが出来た。その上、手応えのあるタイムを刻むことが出来たが、ハンガロリンクは滑りやすくバンピーなので明日に向けてさらにセットアップの改善を図る」
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