1986年に全長4.381キロメートルのハンガロリンクで初めてF1が開催されてから今年でほぼ20年となる。このサーキットはタイトで曲がりくねったコーナーが多いため、各F1チームは全レース中、最大のダウンフォース(モナコGPを除く)をクルマから得られるよう準備して臨んでいる。今回のTF105は、モナコGPの時とは違い、ロールオーバーのすぐ後ろの部分に“ミッドウィング”を装着している。
トヨタのテストドライバー、リカルド・ゾンタは2回目のフリー走行でこの日最速となる1分20秒409を記録。これはウェスト・マクラーレン・メルセデスのテストドライバー、アレクサンダー・ヴルツのタイムを0.11秒上回る好タイムだった。
「ハンガリーGPでのドライブは楽しいけど、金曜日は路面が埃っぽいのですこし用心深く走る必要がある」と話すゾンタ。「走り始めの段階ではクルマのバランスを見つけるのが難しかったものの、タイヤのゴムが付着していくと路面コンディションが大幅に変わっていき、いい一日になった。タイムシートの一番上にある自分の名前を眺めるのはいつだって気分のいいものだ! 1回目のセッションでは油圧系のトラブルのためすこし時間をロスしてしまった。でもそれ以外はすべて順調に進み、予定のプログラムをすべて完了できた。今回、チームは調子がいいと思うよ」
2人の“金曜ドライバー”に続いたのは、タイトル争いで2位につけているキミ・ライコネン(1分21秒281)だった。その後に2人のトヨタ・ドライバーが続く形となり、タイムはヤルノ・トゥルーリが1分21秒410、ラルフ・シューマッハーが1分21秒631となっている。6位はファン・パブロ・モントーヤでタイムは1分21秒662だった。
「トップ6にマクラーレンとわれわれしかいない、という状況は興味深いね」と話すヤルノ。「今日のパフォーマンスのレベルを維持して、最終的にたくさんのポイントを獲得できればと思う。今日は汚れている部分を走ったときに、一瞬スピンもしてしまった。でもクルマは無傷だったので、担当のプログラムをすべてこなすことができた」
ラルフが続ける。「ハンガリーはちょっと毛色が違うサーキットだ。どのクルマもハイ・ダウンフォースで走るし、気温や路面温度もたいていかなり高くなる。この条件われわれに合っているはずだ。今日はいつもの金曜日だったね。トラブルは何もなかったし、レースでは現実的に考えて4位から6位あたりを狙えると思う」
チーフ・レース・エンジニアのディーター・ガスは次のように説明している。「リカルドの最速タイムは、もちろんこれからの2日間に向けていい出発点になった。彼の車には油圧系のトラブルがあったほか、冷却ダクトの中に少々ゴミが詰まってしまった。そのせいで電気系の温度が上昇してしまったので、念のため、電圧調整器を取り替えることになった。レースドライバーの2人のほうは問題なかったし、われわれはタイヤ選択に必要なデータを十分に集めることができた。かなりの速さを発揮できているので、いいレースとなることを期待しているよ」
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