7月31日(日)、第13戦ハンガリーGPの決勝レースがハンガロリンク・サーキットで行われた。午後2時、好天の下、気温34度、路面温度46度、湿度43%という酷暑のコンディションで決勝レースがスタート。3番手スタートのヤルノ・トゥルーリはスタートで一つ順位を落とし、5番手スタートのラルフ・シューマッハーと4位、5位で序盤戦へ。1回目のピットインの後、ヤルノ・トゥルーリと、ラルフ・シューマッハーの順位が逆転、さらに、ファン・モントーヤ(マクラーレン・メルセデス)のリタイアによって、ラルフ・シューマッハーは3位、ヤルノ・トゥルーリは4位へと。躍進したレース終盤には、表彰台を確実にしたラルフ・シューマッハーが、2位で逃げるミハエル・シューマッハー(フェラーリ)を激しく追い上げ、ゴール直前まで、テール・トゥ・ノーズの激しい兄弟バトルを展開。しかし、惜しくも逆転はならず、今季初の表彰台となる、3位でフィニッシュ。ヤルノ・トゥルーリも4位に入賞し、パナソニック・トヨタ・レーシングは、見事ダブル入賞を果たした。優勝は、キミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)であった。
ラルフ・シューマッハー : カーナンバー17
シャシー:TF105/05
決勝順位 : 3位 70周/70周(トップと36秒129差)
グリッド : 5番手
「チームは週末を通じて本当に良くやってくれて、素晴らしい結果となった。我々の選択した戦略を100%信頼していたわけではなかったが、エンジニアの選択は正しかった。猛暑になることを予想していたので、タイヤに負担をかけないよう、非常に早いピットストップで上手くバランスを取った。これまで、決勝レースでは、予選と比べてパフォーマンスを発揮出来なかったことで、いろいろと言われてきたが、今日、我々は、ほとんどライバル達と同様に速さを示すことが出来た。“TF105”は、これまで同様にレース中も素晴らしく、ピットストップも完璧だった。レース終盤、ミハエル・シューマッハーに追いついたものの、彼のコーナー脱出速度は速く、ミスを犯すのを待つしかなかったが、結局ミスは犯さなかった。全体的に見れば、今日は本当に良い一日となった」
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー16
シャシー:TF105/07
決勝順位 : 4位 70周/70周(トップと54秒221差)
グリッド : 3番手
「1周目の第1コーナーで起こったことを考えれば、5ポイントを獲得出来たというのは素晴らしい結果だ。そして、心底、レースを完走できたことを喜ばなければならない。私の“TF105”の後部は、接触によって、ひどいダメージを負っており、そのため、運転は非常に困難になり、本当に厳しいレースを強いられた。後部ディフューザーが破損した後、バランスは予測不能になり、コースを1周する間にも、オーバーステアからアンダーステアへと突如として変化し、ピットに対策を頼み続けることになった。とはいえ、最初のコーナーでの出来事を克服した4位フィニッシュに満足している」
高橋敬三 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「再び表彰台に戻ってくることが出来とても嬉しい。ラルフ・シューマッハーは最後まで、ミハエル・シューマッハーを追い上げる健闘を見せてくれた。スタート早々の混乱で、車体後部に損傷を負ったヤルノ・トゥルーリも素晴らしいペースで過酷なレースを走り切ってくれた。次戦は初めてF1GP開催となるトルコGPだが、チームの総力をあげて、休まず、さらに改良を進める」
冨田 務 : TMG会長 兼 チーム代表
「素晴らしい1日となった。勿論、結果には大満足している。レース前に、3回給油戦略か、2回給油戦略かを徹底的に議論した。その結果、我々は、タイヤを可能な限り機能させるためにも、3回給油戦略を選択したが、全てが有効に働いた。そして、2台共、スタート直後の1コーナーで接触に見舞われたことを考えれば、多少、運も良かった。ラルフ・シューマッハーは、ダメージを受けなかったが、ヤルノ・トゥルーリは、車体後部とリアウィングの翼端板を破損してしまい、バランスを得るために苦戦を強いられたのは、言うまでもない。にもかかわらず、両車ともに、タイヤは素晴らしく、ペースを十分に維持出来た。また、ラルフ・シューマッハーは、レース終盤に、ミハエル・シューマッハーを追い上げたが、このサーキットでの追い抜きは、まず不可能だった。結果として、11ポイントを獲得出来たのはとても素晴らしいが、まだ、トップチームとの差はあり、我々は、全力で頑張り続けなくてはならない」
|