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Rd.14 Grand Prix of Turkey report
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F1第14戦 トルコGP 猛暑の予想される新設サーキットへ挑戦
束の間の夏期休暇を終え、今季唯一、未知のサーキットで連続ポイント獲得を目指す
2005年8月11日(木)(ドイツ・ケルン発)

前戦ハンガリーGPが最高の暑さだと思っていたら、大きな驚きが待ち構えている。8月中旬のトルコへの旅は心躍るものになるだろうが、F1における新たな「暑いレース」の代名詞となるかも知れない。イスタンブールのオートドローム・サーキットは、F1のために建造され、2005年新たにF1選手権に加わった唯一のコースである。サーキットは、シミュレーションでは典型的な現代型F1コースのようであるが、高台に位置しているため、アップダウンが激しいことが特徴といえる。パナソニック・トヨタ・レーシングは、前戦ハンガリーGPで11ポイントを獲得し、コンストラクターズ選手権4位を堅持しつつトルコGPへ挑む。F1の関係者は、トルコの焼け付くような暑さの中へ足を踏み入れた瞬間、8月の短い休暇から戦いへと戻ったことを実感するだろう。

ヤルノ・トゥルーリは新しいサーキットを攻略するに事には長けているが、初めてのイスタンブールについて、過度の期待はしていない。

ヤルノ・トゥルーリ : カー・ナンバー16

「新たなサーキットに赴くということは、レースウィークにおいて、それほど大きな影響を及ぼすものではない。木曜日はコースを歩いて確認し、金曜日の最初の公式練習セッションではコースを覚えることに費やす。そこまでを確実に行えば、公式練習2回目から残りの週末は、通常通りに戻ることになる。実際に到着するまでは、サーキットをどのように攻略すべきか分からないが、バックストレートは長く見えるので、その終端では追い越しのチャンスがあるかも知れない。また、特徴の一つとして、反時計回りだということが挙げられる。これによって、通常のサーキットとは逆方向のGがかかることになるので、首がその負担を感じるかも知れない。アップダウンも大きく、丘を越えるような場所かあるが、先の見えないコーナーでは、ブレーキングポイントを金曜日の午前中に見出して、それを自分のものにしなくてはならない。つまり、実際に走って何が起こるか確認するしかないということだ。私はトルコを訪れたことがないので、行ける事を楽しみにしている。一つだけ分かっているのは、暑くなるだろうということだ」

ラルフ・シューマッハーはトルコを訪れた経験を持ち、その楽しみを知っているが、新たな分野であるサーキットに関しては、金曜日の公式練習が始まってから知ることになる。

ラルフ・シューマッハー : カー・ナンバー17

「今年始めにイスタンブールを訪れ、トルコのほんの一部を垣間見る機会に恵まれた。街は素晴らしく、好印象を持っており、今回の滞在では、街を見て回る時間がより多くあることを願っている。しかし、イスタンブール・オートドローム・サーキットを訪れるのは初めてだ。通常、初めてのサーキットでは、金曜日最初の公式練習は、コース習熟のために費やす。今回の場合は、全てのチームとドライバーにとって全く未知のサーキットであり、それほど問題にはならないだろう。誰もが同じ条件となる。私はまだシミュレーションを確認してはおらず、コース図を1枚見ただけだが、このコースは丘に位置しており、このことがいつもに比べて興味深い要素となっている。先の見えないコーナーはそれほど問題ではないが、下りのブレーキングは容易ではなく、その種のサーキットでは、タイヤをロックさせない注意が必要だ。木曜日はスクーターでコースを回り、コーナーのつながりを確認するつもりだ。そして、金曜日からは、ベストを尽くす」

新しいサーキットは、2人のレースドライバーだけでなく、過去のレースにおけるデータの蓄積がない状態で作業を進めなくてはならない全てのエンジニアにとっても新たな挑戦を求める。

ディーター・ガス : チーフ・レース・エンジニア

「新しいサーキットへ臨む前には、全てのチームはサーキットに関する情報の入ったコンピュータ・ファイルを受け取る。その後、専用のソフトウェアを使用して、いくつかのシミュレーションを行う。まず、妥当だと考えられるダウンフォースのレベルを設定し、ギアレシオを決める。そして、これまでの経験をベースに、サーキットの特徴を把握し、サスペンションセッティングをどうするかなど、他の詳細を決めて行かなくてはならない。そこから、最初の公式練習セッション開始時の基本的なセットアップを決定する。また、初めてのサーキットでは、金曜日午前中の公式練習セッションで、チームによる違いが見られる。例えば、昨年の中国GPでは、我々は正しい選択を見出し、その差がレースに現れた。我々は、イスタンブール・オートドローム・サーキットは、F1カレンダーにおける、典型的な中間レベルのダウンフォースを必要とするサーキットだと見ている。とはいえ、実際に“TF105”がコースを走りだした時点で、このシミュレーションが正しかったかどうか確かめる必要はある。もちろん、今回は完全な新設コースであり、路面は最初グリップが低く、初日に結論を出すのは難しいだろう。しかし、その日の夜には、いつものようにタイヤの選択を行わなければならない。新しいサーキットでは、迅速な対応が求められる。全てがいつも以上にチャレンジングになるだろうが、それはレースをより興味深いものにする」