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Rd.14 Grand Prix of Turkey report
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スタートの混乱をかわしたヤルノが6位入賞!
トルコに新しく建設されたイスタンブール・パークを舞台に開催されたF1世界選手権第14戦トルコGPで、パナソニック・トヨタ・レーシングのヤルノ・トゥルーリは厳しいレースを走り抜き6位を獲得した。
2005年8月21日(日)

予選で5番グリッドを獲得したヤルノは、レース序盤もしっかりした走りで5位をキープ。だが、最後のピットストップでBARホンダのジェンソン・バトンにかわされ6位となった。

いっぽうのラルフ・シューマッハーは1周目のターン1で発生した接触に巻き込まれて他車の破片を踏むなどした結果、最後尾まで順位を落としてしまった。最後はジャック・ヴィルヌーヴのわずか0.5秒後方の12位でフィニッシュしている。

「私にとってはトラブルなどは何もないすっきりしたレースだった」と説明するヤルノ。「レース全般を通してクルマのペースには満足だった。とはいえ、マクラーレンやルノーと戦えないことはわかっていた。BARが速いことも、予選で彼らがアクシデントに見舞われる前の段階からわかっていた。スタートは自分のほうが前だったから、なんとかバトンを抑えられればいいなと思っていた。かなり接近した戦いになったものの、2回目のピットストップではわずかに先行されてしまって残念だった。彼のほうが第2スティントを長く走ることができたのがその理由だ。全体的に言って、素晴らしい新設サーキットで開催された今回のレースで、3ポイント獲得できたことに満足している」

ラルフにとって今回のトルコGPはフラストレーションだけが残ったレースとなってしまった。

「モーター・レーシングでは、ときとしてこういった展開になってしまうんだ。こういうときに自分にできることは何もない」と話すラルフ。「ターン1で、フェリペ・マッサとウィリアムズの1台がほとんど接触寸前になっていた。フェリペのクルマのフロント・ウィングが破損して、その混乱の中で自分のクルマはウィリアムズによってコースの外へと押し出されてしまった。コースに復帰してスピードを取り戻したときには、もうキツい上り坂にさしかかっていた。その後もずっとプッシュし続けたものの、連続ポイント獲得の記録を5レースに伸ばすことは不可能だった」

レースではチーム・マクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネンが優勝し、今シーズン5勝目を飾った。ライコネンに続いたのは、タイトル争いでトップに立つマイルド・セヴン・ルノーのフェルナンド・アロンソ。2位が確実と見られていたファン・パブロ・モントーヤは残り3周の時点でポルトガル人ドライバーのティエゴ・モンテイロが乗るジョーダンと接触しスピンを喫してしまった。なんとかコースに戻ったモントーヤは3位を獲得し、その後ろに2台目のルノーに乗るジャンカルロ・フィジケラが続いた。5位のバトンの後ろは6位がヤルノ、7位と8位はレッドブル・レーシングのデヴィッド・クルサードとクリスチャン・クリエンという順位となった。

パナソニック・トヨタ・レーシングのチーフ・レースエンジニアのディーター・ガスは次のように話している。「新しいサーキットにやってくると、いつも技術的な面白いハードルに挑むことになるが、今回は3ポイント獲得できてよかったと思う。ヤルノは予選でもレースでも力強い走りを見せてくれたし、ペースも安定していた。ただし、今日の午後にラルフが見舞われたような状況を(ルールによって)禁止することは無理だからね」

これで残りは5レースとなったが、コンストラクターズ選手権では現チャンピオンのフェラーリとの差を15ポイントにまで縮めている。次戦の舞台は9月4日に決勝となるモンツァだ。