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Rd.16 Grand Prix of Belgium report
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雨の週末に向けて、ゾンタがウェットタイヤをチェック
ベルギーGPの初日は、アルデンヌ地方特有の気まぐれな天候に悩まされる一日となった。1回目のフリー走行はウェットからドライへと変わり、2回目のフリー走行は完全な土砂降りとなった。
2005年9月9日(金)

全長6.976キロの有名なスパ・フランコルシャン・サーキットは、多くのF1ドライバーが好きなサーキットとして名を挙げるコースだが、レースの週末に雨が皆無という状況はほぼあり得ない土地柄でもある。天気予報によれば、日曜日のレースは今シーズン初のウェット・レースになる可能性があるらしい。

パナソニック・トヨタ・レーシングのリカルド・ゾンタは1回目のフリー走行でこの日4番手となる1分49秒445を記録。トップタイムはチーム・マクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネンの1分48秒206、2位はマクラーレンのテストドライバー、アレクサンダー・ヴルツの1分48秒216だった。また3番手はルノーのジャンカルロ・フィジケラ(1分48秒619)、ゾンタの後ろの5番手はBMWウィリアムズのマーク・ウェバー(1分49秒692)、そして6番手にはBARホンダのジェンソン・バトン(1分49秒890)が続いた。

「セッション全般を通じてコース・コンディションが変化していったが、情報収集には有益だった」、と説明するゾンタ。「最初にミシュランの浅いウェットタイヤを試すことができたし、その後はコースが乾いてきたのでドライタイヤに変更した。お陰でクルマのバランスがどのように変化するのか、ヒントがつかめた。明日以降、予報通りの天気になった場合には、この情報が必要になるかもしれない」

ヤルノ・トゥルーリはこの日7番手となる1分50秒542を記録。また、ラルフ・シューマッハーは9番手となる1分50秒820を記録している。

「ここに来たときから雨の週末を予想していたからね」と話すヤルノ。「ただし今シーズンはあまりウェットコンディションの経験がないから、この先は難しくなるだろう。とはいえ、去年は似たようなコンディションの中、私はポールポジションを獲得している。今年もそうなってくれるといいね!」

ラルフが続ける。「もちろんこうした状況は他チームにとっても同じだ。ただし、こういったコンディションでは、レースが晴れた場合、適切なドライタイヤを選ぶのはかなり難しくなるね。われわれがどの辺に位置しいているのかを正確に知るには、明日のセッションでどうなるのか、様子を見る必要がある」

今シーズンはここまでまだウェットコンディションでの走行がないこと、それに、最新のミシュランのウェットタイヤの性能が未知数なこともあり、ほとんどのチームが2回目のフリー走行に出走しなかったことを意外に感じている関係者も多かったようだ。そんな中、レッドブルのアントニオ・リウッツィは周回を試みたものの1周目にクラッシュし、また、ルノーのフェルナンド・アロンソはインスタレーションラップを行っただけでピットに戻っている。

シャシー部門テクニカルディレクターのマイク・ガスコインは「雨があまりにも激しく降っていて、コース・コンディションが危険すぎた」と説明。「ここは高速コースなので、コース表面に大量の水がたまっているとアクアプレーニング現象を起こし、大きな事故にもつながりかねない。とりあえずリカルドは、なんとか午前中のセッションで浅溝のウェットタイヤを試すことができたし、また、レースドライバーの2人はドライの路面で走行できた。つまり、少なくとも検討材料に使えるデータはある程度収集できたわけだ」と続けた。