F1世界選手権第16戦ベルギーGPの公式練習3回目と4回目に続き、公式予選が行われた。公式練習3回目が開始される午前9時には、雨は上がったものの、路面はウェット。曇天の下、気温15度、路面温度16度、湿度96%というコンディション。パナソニック・トヨタ・レーシングの2台は、路面状況の回復を待ち、セッション中盤過ぎにコースイン。ラルフ・シューマッハーが9番手、ヤルノ・トゥルーリが11番手となった。30分のインターバルの後、天候は回復し、気温、路面温度ともに上昇。各車これまでの走行不足を取り返すべくセッション開始から精力的に走行。終盤タイムをあげたヤルノ・トゥルーリは3番手タイムをマーク。ラルフ・シューマッハーも6番手に入り、午後に行われる公式予選へ期待を繋いだ。
午後1時、気温25度、路面温度35度、湿度62%のコンディションで予選が開始された。少しずつ雲が厚くなり、セッション途中の降雨が心配されたが、最後までドライで予選は行われ、15番目に出走したラルフ・シューマッハーは6番手、続いて16番目に出走したヤルノ・トゥルーリは、好走を見せ4番手タイムを刻んだ。明日の決勝レースのスターティンググリッドは、ジャンカルロ・フィジケラ(ルノー)がエンジン交換で10番グリッド降格となったため、ヤルノ・トゥルーリが2列目3番手、ラルフ・シューマッハーも3列目5番手グリッドとなった。決勝レースは、明日午後2時(日本時間午後9時)に44周のスタートが切られる。
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー16
シャシー:TF105/07
公式練習3回目 : 11番手 1分50秒451(トップと2.326秒差) 9周公式練習4回目 : 3番手 1分46秒681(トップと0.374秒差)
15周公式予選 : 4番手 1分46秒596(トップと0.205秒差) 3周
グリッド : 3番手
「正直に言って、我ながら素晴らしい予選アタックが出来た。最初のセクターでは、何カ所か雨が落ち始めており、望んだようにハードには攻められなかった。しかし、全体的には、“TF105”は優れたバランスで、限界までプッシュ出来、好タイムをマークすることが出来た。全ての区間が難しいが、速く走れたと感じられたし、結果には満足している。この週末は、タイヤのための調整に費やした。我々の選択が正しく、コンディションがどのようになったとしても、自信を持って攻められる状況であることを期待している。我々はウェットコンディションでのレースになると予想しており、水煙はレースを困難にするだろうが、それに立ち向かい、ベストを尽くさなくてはならない」
ラルフ・シューマッハー : カーナンバー17
シャシー:TF105/05
公式練習3回目 : 9番手 1分50秒403(トップと2.278秒差) 8周公式練習4回目 : 6番手 1分47秒054(トップと0.747秒差)
16周公式予選 : 6番手 1分47秒401(トップと1.010秒差) 3周
グリッド : 5番手
「この週末は、やや“TF105”に満足出来る状態ではなかっただけに、納得のいく予選結果となった。我々は、午前中は、ずっと前後のタイヤ選択に集中し、さらに、予選セッション直前にタイヤを交換したことが難しさを増してしまった。しかし、ミスのない予選アタックが出来、ヤルノ・トゥルーリと共に、上位グリッドからレースをスタートできることを喜んでいる。アタック中に小雨が落ちてきたが、ラップタイムには影響なかった。明日の決勝レースでは、さらに降雨が予想され、レースは厳しいものになるだろうが、グリッドの上位に着けているだけに、それほど水煙の影響を受けずに済むかも知れない。我々は、フェラーリとの差をより縮めるべく、全力で明日の決勝レースへと挑む」
ディーター・ガス : チーフ・レース・エンジニア
「この週末の悪コンディションにより、今日はとても難しい1日であった。昨日は降雨のために十分な準備を行うことが難しく、今日も、予選中に雨に見舞われることを恐れていた。しかし、チームはこのコンディションの中での最良を模索し、好結果を得られたことに満足している。両ドライバーは共に素晴らしい予選アタックをし、予想通りのグリッドを獲得してくれた。我々は、明日に向けて十分な準備が出来ていると感じており、日曜日の結果が楽しみだ」
高橋敬三 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「予選途中から雲が出てきて、今にも雨が降りそうな中でのタイムアタックだったが、両ドライバー共にミスなく、完璧な予選で2台がトップ6に入り、満足している。ラルフ・シューマッハーは少しアンダーステアが出てしまったが、ヤルノ・トゥルーリはハンドリングも完璧だった。明日のレースは雨が予想されるが、もし降雨に見舞われても、我々は十分に準備が出来ており、2台揃って上位入賞を狙う」
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