F1第17戦ブラジルGPの公式練習1回目と2回目が、ブラジル・サンパウロ郊外のインテルラゴス・サーキットで行われた。パナソニック・トヨタ・レーシングは、前戦ベルギーGPでトップ争いを展開したラルフ・シューマッハーとヤルノ・トゥルーリに加え、地元ブラジル出身のリカルド・ゾンタの3人が金曜日の公式練習に参加した。午前11時、好天の下、気温26度、路面温度38度、湿度53%というコンディションで公式練習1回目がスタート。コースを熟知するリカルド・ゾンタが開始早々からコースインし最多の31周で10番手タイム。ラルフ・シューマッハーとヤルノ・トゥルーリはどちらも6周の走行にとどめ、それぞれ11番手、15番手タイムとなった。2時間のインターバルを挟んで午後2時に開始された公式練習2回目では、気温24度、路面温度39度、湿度68%と蒸し暑くなる中で行われ、リカルド・ゾンタが3番手のタイムをマーク。本格的なセットアップを開始したヤルノ・トゥルーリが9番手、ラルフ・シューマッハーは18番手につけ、明日の公式練習と予選、日曜日の決勝へと臨むことになった。
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー16
シャシー:TF105/07
公式練習1回目 : 15番手 1分14秒504(トップと2.803秒差) 6周公式練習2回目 : 9番手 1分13秒493(トップと1.410秒差)
26周
「インテルラゴスはテクニカルサーキットであり、ここではいつも運転を楽しんでいるが、今日は、十分なグリップを得られなかった。ここは昨年トヨタで走った2戦のうちの1戦であり、“TF104B”は、好調だったが、ポイント獲得には届かなかった。今年は明らかに昨年よりも良い結果を狙えると思うが、それは週末の天候次第だ。予選と決勝へ向けたセットアップを決定するには、降雨の可能性が大きな要因となる」
ラルフ・シューマッハー : カーナンバー17
シャシー:TF105/05
公式練習1回目 : 11番手 1分13秒788(トップと2.087秒差) 6周 公式練習2回目 : 18番手 1分14秒427(トップと2.344秒差)
20周
「特に目立った問題もなく、いつも通りの作業を完了することが出来た。しかし、路面が滑りやすく、グリップ不足に悩まされた。サーキットは午前中が特に汚れており、今日一日を通じて改善されていったが、その中で得られたデータを、今夜慎重に分析しなくてはならない。日曜日の決勝ではコンストラクターズ選手権でフェラーリとの差を縮めるべく、上位ポイント圏内でのフィニッシュを目指す」
リカルド・ゾンタ : カーナンバー38
シャシー:TF105/02
公式練習1回目 : 10番手 1分13秒573(トップと1.872秒差) 31周 公式練習2回目 : 3番手 1分12秒706(トップと0.623秒差)
36周
「インテルラゴス・サーキットは、昨年までに比べれば凹凸は減ったが、まだ中高速コーナーでF1カーをコース外に飛び出させようとする凹凸は感じられた。いつも通り、開始直後の路面はとても汚れており、グリップは非常に低く、ハードに攻めることは不可能で、タイヤに関する結論を出すのがとても難しい状況だった。しかし、午後には路面状況も改善され、データを収集できた。最後には新しいタイヤでさらに良いタイム目指しアタックしたが、渋滞に阻まれて果たせなかった」
ディーター・ガス : チーフ・レース・エンジニア
「典型的な金曜日の公式練習セッションとなった。リカルド・ゾンタは、タイヤに関する可能な限りのデータ収集を行った。今夜、本当に慎重にデータを分析する必要があり、選択は簡単には行きそうにない。その点を除けば、深刻な問題は無い一日だった。ラルフ・シューマッハーはグリップ確保に苦労していたが、ヤルノ・トゥルーリは満足行く結果となった。残念ながら、リカルド・ゾンタが新しいタイヤで走行した際、クリアな周回を得られなかったが、彼はもっと良いタイムで走ることが出来ただろう」
高橋敬三 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「何のトラブルもなく3台が予定通りのプログラムを終了し、十分なタイヤデータを収集することが出来た。いつものように路面は滑りやすく、バンピーで、まだ車両のバランスは完璧ではないが、今日得られたデータを基に、明日に向けてさらにセットアップを改善する」
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