F1世界選手権第17戦ブラジルGPの公式練習3回目と4回目に続き、公式予選が行われた。
公式練習3回目は午前9時、雲の覆う空の下、気温22度、路面温度24度、湿度70%とやや涼しいコンディションで開始された。セッション中盤過ぎにコースインしたパナソニック・トヨタ・レーシングの2台は、ヤルノ・トゥルーリが8番手、ラルフ・シューマッハーが9番手。30分のインターバルの後に行われた公式練習4回目では、18周を走り込んだラルフ・シューマッハーが8番手のタイムを刻み、ヤルノ・トゥルーリは13番手となった。
午後1時、気温は29度、路面温度も37度まで上昇し、湿度47%と、やや蒸し暑いコンディションの下、前戦ベルギーGP決勝結果の逆順で予選アタックが開始された。5番目に出走したヤルノ・トゥルーリは、不利な早い出走順ながら午前中の公式練習でのタイムを上回る好走を見せ、8番手となった。しかし、予選出走前にエンジン交換を行ったため、スターティンググリッドは10グリッド降格となり、今シーズン初の予選トップ10圏外の18番手グリッドから決勝レースへ挑むこととなった。一方、14番目に出走したラルフ・シューマッハーは、11番手タイムとなり、ヤルノ・トゥルーリの降格で、10番手グリッドから決勝レースへと臨む。
明日の決勝レースは、午後2時(日本時間26日午前2時)に71周のスタートが切られる。
ラルフ・シューマッハー : カーナンバー17
シャシー:TF105/05
公式練習3回目 : 9番手 1分13秒908(トップと1.170秒差) 9周
公式練習4回目 : 8番手 1分12秒509(トップと0.580秒差) 18周
公式予選 : 11番手 1分13秒285(トップと1.297秒差) 3周
グリッド : 10番手
「強いアンダーステアに悩まされ、望むように全力でアタックすることが出来ず、厳しい予選アタックとなってしまった。“TF105”は午前中の公式練習では好調だっただけに、予選までの間に何が変わってしまったのか、正確に調査する必要がある。全体的に見て、明日の決勝は非常に苦しいものになるだろうが、ここまでの厳しい展開を、良い方向へと変えるべく、ベストを尽くす」
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー16
シャシー:TF105/07
公式練習3回目 : 8番手 1分13秒869(トップと1.131秒差) 12周
公式練習4回目 : 13番手 1分13秒222(トップと1.293秒差) 14周
公式予選 : 8番手 1分13秒041(トップと1.053秒差) 3周
グリッド : 18番手
「今シーズン我々のエンジンは非常に信頼性が高かったが、今朝になって動弁系に問題を発見し、大事をとってエンジンを交換することにした。午前中の公式練習でも好調で、再び上位を目指すことが出来たはずだけに、エンジン交換のペナルティで10グリッドを失うのは残念だ。“TF105”はバランスも良く、前戦でのアクシデントのために、早い出走順であったことと、燃料積載量を考慮すれば、十分満足出来る予選アタックが出来た。明日の決勝レースは非常に厳しい戦いとなるだろうが、全力で立ち向かい、やれるところまで頑張る。インテルラゴスは追い越しの簡単なサーキットではないが、レースではどんなことでも起こりうる」
ディーター・ガス : チーフ・レース・エンジニア
「今回の予選結果には非常に落胆している。ヤルノ・トゥルーリは素晴らしい予選アタックだったが、今朝の公式練習後にエンジン交換したことによるペナルティで、明日は18番手グリッドからスタートしなくてはならない。ラルフ・シューマッハーは強いアンダーステアに苦しめられ、午前中と比べても大きくタイムをロスした。その原因はまだわからないが、慎重にデータを分析する必要がある。確かに明日の決勝レースで2台がポイントを獲得するのは難しいが、レースは長く、何が起こるか分からないものだ」
高橋敬三 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「ヤルノ・トゥルーリは早い出走順での予選アタックだったが、全力でミスの無い走りを見せてくれた。一方、ラルフ・シューマッハーは強いアンダーステアに見舞われ、タイムを大きくロスしてしまった。ヤルノ・トゥルーリは予選前のエンジン交換により、明日は下位からのスタートとなるが、何としてもポイントを獲得すべく明日も全力を尽くす」
|