残り3レースとなった現在、フェラーリとの差は10ポイントだが、ヤルノ・トゥルーリは午前中にエンジンを交換したため10グリッド降格となり、レースでは18番グリッドからスタートしなければならなくなった。
ここまではシーズン全体を通じて素晴らしい信頼性を見せていたものの、ヤルノのクルマのエンジンにニューマチック・リーク(圧縮空気の漏れ)が見つかったため、念のためエンジン全体を交換することになったのだ。予選でのヤルノは1分13秒041で8番手タイムを記録している。
「ここまでのシーズンでは信頼性はとにかく素晴らしかった。なんらかのペナルティを受けるのはこれが初めてのことになる」と話すヤルノ。「あらゆる要素をまとめて考えてみると、われわれのパフォーマンスはいいレベルにあると思う。スパではアクシデントに見舞われたため、予選では出走順位が早かった。路面はグリップ力が低かったし、レース戦略を重視していたにもかかわらず、私は全体の8番手タイムを記録できた。18番グリッドからのスタートということで難しいレースになるだろうが、でもクルマの感触はいいし、バランスも良好だ。とにかく可能な限りベストの結果を手にできるようどんどんプッシュしていくよ」
クルマのセットアップにそれほど満足できない状態で予選に臨んだラルフは1分13秒285で11位となったが、ヤルノが降格となるためレースでは10番グリッドからのスタートとなる。
「あれほどアンダーステアがきつくなるなんて驚いたよ」と話すラルフ。「午前中の最後のフリー走行では1分12秒台の半ばで周回できていたから、余裕を持ってトップ10に入れると予想していた。このサーキットではラップタイムが短いので予選はいつもかなりの接戦になるし、0.5秒の違いが大きな差になってしまう。レースではタイトな1コーナーでトラブルに巻き込まれないように気を付けて、とにかく攻めた走りをするよ」
この日のポールポジションはワールドチャンピオンを狙うルノーのフェルナンド・アロンソだった。彼は全長4.309キロのコースを1分11秒988で周回。以下トップ6は、2位がマクラーレン・メルセデスのファン・パブロ・モントーヤ(1分12秒145)、3位はルノーのジャンカルロ・フィジケラ(1分12秒558)、4位がBARホンダのジェンソン・バトン(1分12秒696)、5位がマクラーレンのキミ・ライコネン(1分12秒781)、6位がレッドブルのクリスチャン・クリエン(1分12秒889)となった。
チーフ・レースエンジニアのディーター・ガスは次のようにコメントしている。「ヤルノは午前中のセッションで調子がよかっただけに10グリッド降格は痛い。だが、ポイントをさらに上積みするために可能なことはすべてやるつもりだ。ラルフがなぜあれほどのアンダーステアに見舞われたのか、その理由については現在確認中だ。コース・コンディションはそれほど大きく変わっていないように見えたが、実際に彼は大きくタイムをロスしているからね。とはいえ、ここでのレースではアクシデントや天候の変化など、予想外の事態が起こることも多いので、当然のことながら、ドライバーは2人ともできることをすべてやるつもりでいるよ」
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