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Rd.18 Grand Prix of Japan report
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F1世界選手権第18戦日本GP公式練習初日 凱旋レースへ手応え
R.ゾンタがトップタイム。改良型“TF105B”のR.シューマッハー6番手、J.トゥルーリ7番手
2005年10月7日(金)

F1世界選手権第18戦日本GPの公式練習1回目と2回目が三重県の鈴鹿サーキットで行われた。雲の合間から時折陽射しが覗く曇天の下、午前11時に、気温25度、路面温度32度、湿度67%というコンディションで公式練習1回目が開始された。パナソニック・トヨタ・レーシングは、サードドライバーのリカルド・ゾンタが18周を走り込んで2番手のタイムを刻み、ラルフ・シューマッハーは17番手、ヤルノ・トゥルーリが19番手となった。2時間のインターバルを挟んで午後2時から行われた公式練習2回目は、さらに雲は厚くなり、路面温度も下がったもののドライコンディションで開始された。リカルド・ゾンタは、セッション開始早々に、従来型“TF105”で1分30秒台に入れてトップタイムをマーク。セッション終盤には雨が降り出しウェットコンディションとなった公式練習2回目をリードした。一方、改良型“TF105B”を駆るラルフ・シューマッハーとヤルノ・トゥルーリは各々6番手と7番手に付け、明日の公式練習3回目、4回目と午後の予選、そして、日曜日に行われる決勝レースへ向け、好調なスタートを切った。

ラルフ・シューマッハー : カーナンバー17 
シャシー:TF105/09B  



公式練習1回目  : 17番手 1分33秒735(トップと3.203秒差)  10周公式練習2回目  :  6番手 1分32秒917(トップと2.235秒差)  13周

「鈴鹿サーキットは、技術を要するサーキットであり、ここを走るのはいつも楽しみしている。特に、今回はトヨタのドライバーとしての走行であり、格別だ。“TF105B”は今年これまでの“TF105”からわずかに進化を遂げており、今日の走行でもバランス良く、日曜日の決勝へ向けて良いスタートが切れた。終盤の2レースにこの“TF105B”を持ち込んだもう一つの理由は、来年へ向けての準備作業を行うという意味合いも持っている。シーズン終了後、長期間テストが禁止されるため、非常に有意義なものとなるだろう」

ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー16 
シャシー:TF105/10B  



公式練習1回目  : 19番手 1分34秒535(トップと4.003秒差)  11周公式練習2回目  :  7番手 1分33秒122(トップと2.440秒差)  13周

「日本GPはチーム全体にとって特別なレースであり、今シーズンはいい流れで来ているので、ここ鈴鹿でも好成績でレースをフィニッシュしたい。今日の“TF105B”のバランスにはまだ満足していないが、ここに“TF105B”を持ち込んだのは、ロングランでの安定性を考慮してのものである。車体前部は、来シーズンの序盤戦に使用されることになると思われ、初期トラブルを洗い出す良いチャンスでもある。まだまだ“TF105B”は開発されたばかりであり、その性能を引き出すためにはどうすればよいのかを見出す必要がある」

リカルド・ゾンタ : カーナンバー38 
シャシー:TF105/02  



公式練習1回目  :  2番手 1分31秒075(トップと0.543秒差)  16周公式練習2回目  :  1番手 1分30秒682  21周

「私が最後に鈴鹿でレースを戦ったのは2000年のことであり、この難しく、テクニカルなサーキットで上手く走れたことに満足している。午前中の公式練習1回目は、路面は汚れており、かなりのオーバーステアに悩まされるなどリスクを負ったセットアップとなった。しかし、その後、電子系のトラブルに見舞われるまでは、改良を体感出来た。午後は、降雨の懸念があったために、早めの作業となった。私は、従来型の“TF105”をドライブしたが、タイヤ比較の“TF105B”への転用は何も問題ない」

マイク・ガスコイン : シャシー部門テクニカルディレクター

「多くの改良を施した“TF105B”を持ち込んだが、主要な変更点は、フロント・サスペンションと、フロント部分のエアロダイナミクスの改善と言える。両レースドライバー共に、従来型とは大きく異なる、新しい感触に慣れるために公式練習初日を費やした。ラルフ・シューマッハーは、バランスに満足し、ヤルノ・トゥルーリも、ラルフ・シューマッハーほどではではないにしろ、満足し、何が新しいかを会得する、意味ある初日となった。リカルド・ゾンタは、今朝の公式練習1回目では、電気系に問題を抱えてしまったが、雨が降り出すまでには、タイヤの比較を終えることが出来た。今、我々は、日曜日に良い結果をもって、ファンに応えることが出来るものと望んでいる」

高橋敬三 : 技術コーディネーション担当ディレクター

「公式練習2回目の後半で予想どおり小雨が降り始めたが、事前にタイヤ比較のプログラムを変更したため大きな影響はなかった。新しい“TF105B”と新スペックエンジンは何の問題もなく、予選、決勝に向けて十分なデータを収集できた。まだセットアップには改良の余地があるが、明日までには十分対応可能であり、予選に向けてさらにレベルアップを図る」