5つの大陸を、8ヶ月に渡って巡り、戦ってきた2005年のF1GPも、今週末、その幕を閉じる。第19戦中国GPは、3月にオーストラリアで幕を開けたシーズンの最終戦となる。中国GPの行われる上海・インターナショナル・サーキットは、昨年、素晴らしい設備でチームやファンを驚かせた鮮烈な初開催に続き、今年2回目の開催となる。パナソニック・トヨタ・レーシングは、コンストラクターズ選手権で4位のポジションを確実なものとしてこの最終戦へと臨む。ラルフ・シューマッハーとヤルノ・トゥルーリは、中国GPで、パナソニック・トヨタ・レーシングにとってこれまで最良の年を締め括ることになる。
ヤルノ・トゥルーリは昨年、パナソニック・トヨタ・レーシングに加わったばかりであり、中国GPには参加しなかった。それは、今年、金曜日にコースを覚えなくてはならないということでもある。
ヤルノ・トゥルーリ: カー・ナンバー16
「金曜日の公式練習1回目で、皆の知っているコースを覚えなくてはならないのはちょっと不思議な感じだ。しかし、もちろん私もF1に来て最初の年は、何度もそういう経験をして来た。今回の中国GPでは、経験が無いことが大きく影響するわけではないし、初めてのコースということで、いつも以上に楽しみな週末になるだろう。10周も走ればラインも分かるだろうし、その後は、いつもと変わらない週末になるはずだ。私はまだ、上海のサーキットについて本当に何も知らない。昨年のレースはテレビで観戦したが、そこから学べるものは僅かで、コース図やシミュレーションからも、全てを把握することは難しい。中国と最も近い場所で私がレースをしたことがあるのは、F3時代のマカオであり、初めて中国を訪れることを楽しみにしている。そして、好成績でシーズンを終えられることを望んでいる」
ヤルノ・トゥルーリとは対照的に、ラルフ・シューマッハーは昨年、上海・インターナショナル・サーキットでのレース経験を持ち、その経験を活かして2005年シーズンの良い終幕にしたいと思っている。
ラルフ・シューマッハー: カー・ナンバー17
「昨年の中国GPは、3ヶ月の欠場休養後の復帰戦であり、いろいろな意味でとてもチャレンジングな週末だった。上海・インターナショナル・サーキットは本当に素晴らしくデザインされており、長いコーナーに代表されるように、独特の特徴を持っている。あまり高速にならないように、上手く組み合わされたテクニカルサーキットだ。挑戦し甲斐のある第1コーナーは、ほとんど完全な円であり、ミスを犯しやすい。第13コーナーは非常に長いコーナーで、長いバックストレートへと続く。その後は低いギアまで落とさなくてはならないが、良い追い抜きポイントである第14コーナーへと至る。サーキット幅は広く、他にも追い抜きのチャンスがあり、昨年ドライブして非常に楽しいコースであった。パナソニック・トヨタ・レーシングの一員として再び中国を訪れることを楽しみにしており、この成功した2005年シーズンの終幕を、素晴らしい結果で終えたい」
上海・インターナショナル・サーキットは、低速でツイスティなコーナーと、長いストレートが組み合わされており、レースへ向けてのセットアップは、その妥協点を見出すことへの挑戦となる。
マイク・ガスコイン:シャシー部門テクニカルディレクター
「上海・インターナショナル・サーキットは、F1カレンダーの中でも最も近代的なサーキットのひとつであり、中でも、独特なパドックは素晴らしい設備を誇り、全てが新しいスタジアムスタイルのサーキットだ。コースはいくつかの興味深い特徴を持つ。中でも第1コーナーは、ずっと終わらないかのように見えるが、いきなり急な左コーナーへと続く。ドライバーにとって正に挑戦だ。昨年、路面は非常にスムーズだったが、出来たばかりのコースは、その後変化することがあるので、どのように変わったか確認する必要がある。全体的に低速なこのサーキットは、高いレベルのダウンフォースを必要とすることを意味する。しかし、追い抜きのポイントはストレートの終わりであり、最高速を落とさないように、最善のウィングレベルを決定しなくてはならない。そして、パナソニック・トヨタ・レーシングにとって過去最高のシーズンを、素晴らしい結果と共に終えるべく全力を尽くす」
|