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Rd.6 Grand Prix of Canada
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カナダGPを振り返る ヤルノ・トゥルーリ Q+A

●モントリオールでは最初から最後までさまざまなことが起こりました。何か感想はありますか?
「なによりもまず、27周目に起こったアクシデントでロバート・クビサがひどいケガをせずに済んだことを私自身どれほどうれしく思っているかということを言っておきたい。あのときは彼と接近戦だったんだ。あのアクシデントの壮絶さにはショックを受けたし、情報がまったくなかっただけにとても心配だった」

●何が起こったのですか?
「あのときの私はタイヤのグレイニングとグリップ不足に苦しんでいた。ロバートのほうが私より速く、私は彼のためにコースの左側を開けた。ミラーで彼を最後に見たとき、彼はそちら側にいた。その後に自分の後ろに何かがぶつかったが、私には何が起こったのかわからなかった。長い間メディカルカーがコース上にいるのを見て、とても心配な気持ちだった」

●あなた自身のレースはいかがでしたか?
「レース序盤はポイント獲得を目指して戦っていたが、ロバートのアクシデントの後、タイヤがパンクしてしまいピットストップを余儀なくされた。その原因が接触によるものだったのか、破片のせいかはわからない。その後は混乱したレース展開になり、私は後方集団で走っていた。その後もう一度ピットストップをしなければならず、コースに戻ったときには集中力を欠いてしまい、残り12周の時点でターン1の壁にまっすぐ突っ込んでしまった。正直に言えば、あそこで今回のレースがすべて終わりになったことがとてもうれしかった。今回のレースが自分にとってどんな結果になったかは問題ではない。誰も大きなケガをしなかったということがすべてだよ」

●金曜日には2度サスペンションが破損しましたが、あれはどのくらい深刻だったのでしょう?
「チームがデータを分析したところ、いろいろな状況が重なってターン8のあの特徴的なカーブを乗り越える際にアップライトに問題が生じたということのようだった。あのパーツは昨年とまったく同一で、またあのカーブも昨年と何も変わっていなかったため、はっきりとした説明はできなかった。サスペンションのジオメトリーに(昨年と)違う部分があったため、セットアップの方向性を完全に変更して状況を改善しようとした」

●このことはあなたの自信に影響しましたか?
「速く走ろうとしているときには何が起こりうるのかについてあまり注意は払わないものだし、金曜日のことを考えるよりも自分とクルマから最大限のものを引き出すためにさらに集中していた。もちろん土曜日の午前中に走ったときはすこし用心したし、ターン8では特に集中した。速く走るというよりも、あのカーブに乗り上げないようにね。私たちはドライバーであり、いったんバイザーを降ろせばあとは自分たちの仕事に集中するだけだ」

●予選ではトップ10入りしましたが、あの結果は予想以上でしたか?
「あれは予想外だったと言えるね。前日の金曜日はフリー走行のほとんどの時間を失い、土曜日の午前中はコースコンディションが悪かったためかなりひどかった。このためさまざまな面で手探りの状態で予選に臨むことになった。メカニカルトラブルを回避するためセットアップを変えなければならなかったし、それにあのカーブも避けなければならなかった。その上で10番手になれたというのは素晴らしい結果だった。十分以上の満足感だったよ」

●今までもあのパーツが破損したことはあったのでしょうか?
「いや、私にとってもチームにとっても初めてのことで、あのような問題は今まで一度もなかった。最初にあのカーブを乗り越えた際(パーツが破損したので)私は無線でラルフもすぐにピットに戻すよう伝えた。問題を調査するまでは走るな、とね」

●カナダでの一戦に関して、何かポジティブなことはあったでしょうか?
「最初に言った通り、日曜日の夜にモントリオールの病院で検査を受けたロバート・クビサが大丈夫だということがわかり、見舞いに来たチーム関係者に彼が冗談を言ったり普通に話したりできたというのは本当にポジティブなことだったと思う。このことは現在のクルマの強度がどれほど優れているか、そして安全面がどれほどいい方向に進化しているかを如実に示しているが、同時に私たちがやっていることには危険が伴っており、決して満足などできないということを物語っている。ああいったことを目にするのはいいものじゃないし、今回の週末全体に関して一番重要なことは彼が大丈夫だったということに尽きる。それ以外のことはたいして重要なことではないが、コース以外のことについて言えば、木曜の夜にイギリスのメディアの人たちをモントリオールで最高の部類に入るレストランに招待し、有名なトゥルーリワインを試飲する機会を作れたのは面白い体験だった。あのワインはどれも私自身のぶどう園から作られたもので、どうやら好評だったようだ。残念ながら私はその輪には加われず、水を飲んでいるしかなかったけどね。だがこの週末全般に関する気持ちは愉快と言えるようなものではない。とにかくほっとした気分だよ」