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Rd.1 Grand Prix of Australia
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オーストラリアGPを振り返る ティモ・グロック Q+A

●ティモ、パナソニック・トヨタ・レーシングでのあなたの最初のグランプリはびっくりするような終わり方でしたよね。
「ひどいアンダーステアになって、クルマが大きく横滑りしてしまったんだ。週末の最初の方でも芝生に飛び出していたけど、でもそのときは何も問題なかった。ところがあの時はクルマがランオフエリアのでこぼこに乗り上げてしまって、車体が宙に浮いてしまった。レースではリタイヤするクルマが多く、私はトヨタでのデビュー戦でポイントを獲れる位置にいたわけだから、あれは残念だった」

●あのアクシデントの後、身体の方はどうでしたか?
「どこも問題ない。着地した際にかなりの勢いでステアリングに手をぶつけたせいで、あの後そこが痛かったけど、でもどこにも深刻なケガはしていないし、まったく問題にはならないはずだ」

●あの時点までの週末の流れはいかがでしたか?
「かなり良かった。我々は2台そろって予選トップ10入りしたしね。これは重要なことだった。でも土曜日のフリー走行では私のクルマにトラブルが生じて、ギアボックスを交換しなければならなかった。新ルールのためこれで5グリッド降格することになり、その後、別のペナルティも受けたため19番グリッドまで後退してしまった。あの決定は納得できなかったけどね。あの位置からスタートすることを前提にレース戦略を練り、重い燃料でレースを始めることになったんだけど、レース序盤はとにかくキツかったね。それにターン1では2台と接触し、これも痛手だった。でもその後は安定したレースを続け、ポイントが獲れそうな状況だったんだ」

●賑やかなF1の週末にまた戻って来れたのはどんな気分でしたか?
「2004年にレースを走った頃とは状況が変わっているから、色々なことがどんな風に進むのかを体験するのは面白かったね。予選で残り3分になってもクルマの中に座ったままピットにいるというのは、ちょっと不思議なシステムだなと感じた。すべては最後の瞬間に向けて時間を計算して行くわけだけど、これはちょっと変な感じがすることもある。でも全体的にはとても満足できたね。予選第2セッションではヤルノにかなり近いタイムだったけど、でも最初の方はかなり難しかった。タイヤを完全に使い切ることがなかなかできなくて、ヤルノに比べると第1セクターで大きくタイムをロスしてしまった。でも全体的にはいいスタートが切れた。メカニックたちもみんなハッピーだったし、私にとってもこれは良かった」

●F1に戻るチャンスがもう来ないのではないかと思ったことはありますか?
「F1に行くという夢をあきらめたことは一度もなかった。困難な状況になっても、常にF1のことを考えていた。チャンプカーに行ったのは本当にいい経験だったし、ポール・トレーシーのようなドライバー相手に戦って多くのことを学んだ。GP2ではいいドライバーと競い合って、更にいいレース体験ができた。今はF1で経験を積み重ねたいと思っている。ヤルノにはそれがあるし、彼はやるべきことと成功のノウハウを知っている。彼には私より多くの経験があり、その点で最初の数レースは私にとって難しい状況になるかもしれない。でもシーズンを通じて常に向上できるよう努力して、彼に近づきたいと思う」

●パナソニック・トヨタ・レーシングと共にレースの週末で仕事をした第一印象を教えてください。
「とても良かった。最初のテストからここまで進化できたのは本当に見事だと思うし、この先に向けていい兆しが見えている。真のプロチームだし、誰もが“トップに立つ”というチームの唯一の目標を目指している」

●タイヤの熱入れの問題は、ヤルノのクルマとのセットアップの違いから生じたのですか?
「いや、と言うよりもドライビングスタイルの違いだと思う。ヤルノとはかなりスタイルが違うんだ。私の方は適切なバランスをとって、クルマとタイヤをうまく機能させるのが難しい局面があった。彼はターンインが攻撃的だから、より短時間でタイヤを温めることができるけど、でもそれは私のドライビングスタイルではない。今後はうまく自分を適応させていくつもりだし、また、もっと自分のドライビングに合った方向にクルマを開発していくと思う」

メルボルンはヨーロッパと時差がありますし、異例とも言える暑さに対処しなければなりませんでした。何か問題はありましたか?
「レースの週は大丈夫だったけど、でも数日前の東京では大変だった。到着して翌日には一日中仕事をこなさなければならなかったからね。暑さは確かにドライバーに影響することもあるが、でもドライバーはみんな必要な体力を作るために厳しいトレーニングを積んでいるからね。長いレースでは確かにそれが一つの要因になるし、メルボルンではマレーシアに向けていい練習ができたと思う。マレーシアはとにかく暑くて湿度が高いからね」