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Rd.5 Grand Prix of Turkey
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トルコGPを振り返る ティモ・グロックQ+A

●トルコGPでは15番手からスタートし13位でフィニッシュとなりました。ですが、実際には見た目以上にクルマのパフォーマンスのレベルは高かったと感じているのでは?
「結果が示す以上のポテンシャルが我々にあったのは間違いない。金曜日には自分のクルマ用にいいセットアップが見つかっていたし、予選では最後のセッションまで進んでかなりいいグリッドを手に入れられるだろうと楽観的に考えていた。だが実際の状況は私にとって都合がいい形にはならなかった。その後はどうやってもポイント獲得は非常に困難な状況だった」

●予選第2セッションでは何が起こったのですか?
「残念なことに、1セット目のタイヤでアタックした際、些細なミスを犯してしまい、いいラップタイムを記録できなかった。次に、2セット目のタイヤで走った際は、クルマのフィーリングがとても良く、アタックもうまく決まった。この時点で既に最初のアタッックの1分26秒6をコンマ3秒上回っていた。ところがターン8の後、ターン9に続く直線で右フロントホールのドライブペグが破損してしまい、私はスピードを落とさなければならなかった。あの問題が起こらなければトップ10圏内のグリッドを獲得できたと思うし、第2セッションではもしかしたら5番手か6番手になれたかもしれない」

●予選で15番手となったことがレースにどんな連鎖反応を及ぼしたのでしょう?
「ああなってしまうと、燃料を多めに積んで長めのスティントにし、順位を上げるために戦略を上手く利用できるかどうかを試す以外に選択肢はない。レースではスタートで出遅れてしまったのが痛かった。それに、中嶋一貴とジャンカルロ・フィジケラのアクシデントを避けなければならなかったしね。第1スティントではルーベンス・バリチェロの後ろになり、自分の方がペースが速かったものの、ホンダのクルマを追い越すことはできなかった。レース全体を通してそういった流れになり、またリタイヤが少なかったこともあって13位が自分にできる最善の結果だった」

●ヘイッキ・コバライネンのマクラーレンとのバトルはいかがでしたか?
「楽しんだよ。彼のクルマの方が速かったが、同じ周回で順位争いをしていたわけだし、決して諦めるつもりはなかった。彼が一度私を追い抜いた時は、私がまた抜き返したんだ。GP2時代のイスタンブールでルイス・ハミルトンと戦った時にちょっと似ていたね。彼のために手加減するつもりなんてまったくなかったよ!」

●トルコは予想より気温が低かったですね。このことが何らかの問題になったでしょうか?
「実際のところ、何も問題はなかった。以前のF1の場合、トルコを訪れるのは8月でとても暑かったが、今回は5月だからそれよりも涼しかった。ただし、用意されたレース用のタイヤは相変わらずハードとミディアムだった。これはターン8で右前輪に非常に大きな負荷がかかるためだと思う。このため、あまり柔らかいコンパウンドを使うことができないのだろう。(柔らかめの)オプションタイヤにはグレイニング(めくれ摩耗)やグリップ不足の問題が生じ、誰もが苦しんでいたね」

●クルマのボトミングを避けながらターン8を速く走り(注:そのためには車高をある程度上げなければならない)、同時にラップの残りをちゃんと車高を低くしたまま走れるよう、適切な妥協点を見出すのは難しかったでしょうか?
「我々はかなりいい妥協点を見つけていたし、私のクルマはターン8全般を通じて(挙動が)安定していた。特に燃料搭載量を変えた際に、たくさんのクルマがあそこで苦しんでいるのは私も目にした。でもあのコーナーに関してはいい仕事ができたと思う」

●あなたはケルンのファクトリーで長い時間過ごしているのでしょうか?
「そうだね。ケルンでは、チームとできるだけ近い位置で仕事をすることが私にとって重要なことだ。会社からたった5分の場所にフラットを持っているんだ。様々なことを話し合い、クルマの開発の手助けをしてもらえるドライバーが近くにいるのはチームにとってもいいことだ。キツい仕事だし、多くの物事に関わっているから、時には全てを分析するなんて無理だと思うこともある。ドライバーにとって技術面の話についていくのは難しいことでもあるが、これも学習のプロセスだし、それに最終的にモノを言うのは経験だからね」

●モナコGPはどのくらい楽しみですか?
「どんな些細なミスであれ手痛い仕打ちを被るコースだけど、でもあそこでレースするのは大好きだよ。GP2のレースは特に楽しかったし、2006年のレースは私のキャリアにとって重要な一戦になった。あの時は17番手からスタートして、ギアボックスのトラブルでリタイヤを余儀なくされるまでの間に4番手まで追い上げたんだ。それをiスポーツのポール・ジャクソンが見ていたんだ。彼のチームの二人のドライバーはすでにリタイヤしていたからね。あれが重要な転機になった。彼はスイミングプールの辺りでレースを見ていただんけど、セットアップが完璧じゃないクルマにも関わらず私がとてもいい走りをしていることに気づいてくれた。その後、自チームのドライバーの一人との間に問題が生じた際、彼が私にチャンスを与えてくれて、私もそれに応じた。モナコのストリートコースでTF108から最大限のパフォーマンスを引き出すようがんばるのを楽しみにしているよ」