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Rd.13 Grand Prix of Belgium
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ベルギーGPを振り返る ティモ・グロック Q+A

●まず、8位から9位に降格となった25秒のペナルティについてどう思いますか?
「順位を一つ失ったと言われた時は本当にがっかりしたよ。最後の2周は順位を上げるためにとても激しく戦っただけにね。この週末全体の状況とレース序盤の流れを考えると、1ポイント獲得はいい結果と言えるはずだった。だからペナルティを受けたと聞いた時はハッピーな気持ちじゃなかった」

●黄旗区間で追い越しをしたとしてペナルティを受けたわけですが、これは公正なものでしたか?
「自分は何も間違ったことはしていないと心の底から確信している。なぜならマーク・ウェバーは溝つき(のドライ)タイヤを履いていて、私とは異なるペースで走っていたからね。スタンダードウェットを履いていた私の方が相当に速かったし、それに彼はバスストップでかなり早めにブレーキングしなければならなかったんだ。彼を追い越したのは緑旗の後だったと信じている。だがスチュワードは彼らなりの決定を下したわけで、我々はとにかくそれを受け入れるしかない」

●その前の段階までのあなたの週末はどんな感じでしたか?
「週末を通じてずっとセットアップに苦しんでいて、タイヤの熱入れにも幾つか問題を抱えていた。ブリヂストンの一番硬いコンパウンドのタイヤだったので、路面温度の低さが我々にはちょっと問題になっていたんだ。そのため望んでいた程のペースで走れなかったのは明らかだった。週末の前から、今回は我々にとって厳しいレースになると分かっていた」

●雨が降ってきたあの最後の数ラップについて話してください。
「レースではペースがなかなか上がらず苦しんでいて、そのため私はポイント圏外にいた。だが雲が近づいて来るのが目に入ったので、雨が降るのかどうかチームに聞いたんだ。チームから最後の2~3周で雨が予想される、と言われた。もしスパでウェットになればドライタイヤのままコース上にとどまるのは本当に難しくなる、と私には分かっていた。そして雨が降り始めると正にそういった状況になり、そこで実は一度ミスをして滑ってコースアウトもしてしまった。その時にウェバーが追い抜いていった。我々に失うものは何もなかったので、スタンダードウェットタイヤに交換することに決めた。スタンダードウェットとドライタイヤを比較すると、そのスピードさは圧倒的だったから、これは適確な判断だったね。最後の周回を始めた時点で私はウェバーの13秒後方だったけど、バスストップで簡単に彼をかわすことができた」

●ウェットでのドライビングは楽しいですか?
「ウェットコンディションはかなり好きだね。レースが完全なウェットになっていた方が私には都合が良かった。土曜日午前中の最後のフリー走行のウェットコンディションではかなり調子が良かったし、力強い走りができそうな様子だったからね」

●最近の自分のパフォーマンスには満足していますか?
「シーズン前、私は“シーズン後半にヤルノと同じようなレベルになっていたい”と言ったが、私はそれを既に達成できたと思う。今回の予選ではやや自分のクルマに手こずり、最後のアタックでは彼が前になったけど、ただしその差はわずか0.046秒だった。予選全体の走りについて言えば、時には私の方が速く、また別の時には彼の方が速い、といった感じだね。だから我々は同じレベルにあると思う。一年を通じた足取りを見てみれば、私が着実に進歩していることが分かるだろうし、私自身、こうした状況の成り行きをかなり嬉しく思っている。スパでのペナルティを勘案しなければ、この3戦は連続してポイントを獲得しているから、かなりポジティブな状況と言えるね。開発は全てが正しい方向へ進んでいるし、クルマは全体的に感触も良い。レースに出場したらすぐに優勝を重ねられるわけじゃないことは自分にも明らかだったが、それでもF1で初めてフル参戦した年に表彰台を獲得できたんだから、素晴らしいスタートだと言えるね」

●イタリアGPに向けて、展望はいかがですか?
「ポイントを獲得するにはかなりのプッシュが必要だ。コンストラクターズ選手権4位争いのために、我々には1ポイントでも重要になるからね。今回はまたブリヂストンタイヤのハードコンパウンドを使うことになるため、タイヤの熱入れはちょっと厄介かもしれない。ただしベルギーと比べれば天候はかなりいいはずだから、その点は助けになってくれるだろう。我々のモンツァテストは上々だったし、モンツァ用空力パッケージに関しても良いテストができた。ただしテストでは実際の(レース当日の)状況が全く分からないからね。どうなるのかはとにかく待ってみるしかないが、ただし、我々には間違いなく更にポイントを獲得できるポテンシャルがある」