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Grand Prix Tests
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F1ヘレス合同テストに参加 2006年シーズンへ向けて始動
ラルフ・シューマッハーとリカルド・ゾンタが開幕戦へ向けて精力的なデータ収集開始
 
2006年1月10日(火)(スペイン・ヘレス発)
 

パナソニック・トヨタ・レーシングはスペインのヘレス・サーキットで行われている、2006年最初のF1合同テストに参加している。ラルフ・シューマッハーとリカルド・ゾンタが、昨年に引き続き、2台の“TF106”のテストを開始した。

新たな2.4リッターV型8気筒エンジン規則の下で3月12日に行われる開幕戦バーレーンGPへ向け、チームは、1月と2月の間の、集中的なテスト期間を迎えることとなった。

ラルフ・シューマッハーはシャシーのセットアップに専念。リカルド・ゾンタは、午後からスタートしたブリヂストンとの長期的なタイヤテストプログラムの前に、エンジンと電装系の作業を行った。新たな2006年のエンジン規則以上に、耐久性よりも徹底的なパフォーマンス重視に戻ったタイヤ規則に対処すべく、パナソニック・トヨタ・レーシングは新しいタイヤパートナーであるブリヂストンとの関係を進めている。これらの要素によって、パナソニック・トヨタ・レーシングの冬季テストスケジュールは非常に忙しいものとなるだろう。

ラルフ・シューマッハーは、ヘレスで、ハノーバー96(ドイツのサッカーチーム)のスターとの時間を過ごしたあと、パナソニック・トヨタ・レーシングでの2006年シーズンを有利に進めるためのテスト作業に入った。

ラルフ・シューマッハー : TF106/02
ベストラップ:1分19秒886
周回数:59周
走行距離:261.252km

「昨年12月のテスト以来、“TF106”に大きく変わった点はない。我々はまだ、ブリヂストンタイヤとの適合およびギアボックスやエンジンの走行距離を重ねることに専念している。全体的に“TF106”は非常に好感触で、新しい後部デザインからも進歩を感じている。この寒いコンディションでは、確実な結論を導き出すのは非常に難しい。昨年のように、良い成績でシーズンのスタートが切れることを期待している。なぜならシャシー面同様に、エンジンも、ルカ・マルモリーニが素晴らしい仕事をしてくれているからだ。2006年シーズンの目標は、いくつかのレースで勝利を挙げることであり、それは、昨年表彰台を獲得している我々にとって現実的なものだと思っている。外部の人々は、我々が1勝か2勝は挙げられると予想しているが、私もそれは可能だと思う」

新しい、真っ白なテスト用レーシングウェアに身を包みテストに臨んだリカルド・ゾンタは、午後スピンを喫したが、彼はあわてることなく、楽観的な姿勢を崩さない。

リカルド・ゾンタ :TF106/01
ベストラップ:1分19秒348
周回数:66周
走行距離:292.248km

「朝の開始直後は、あまりに気温が低く、コースもやや汚れており、2時間ほど時間を無駄にしてしまった。しかし、昼食前には、テストに十分なコンディションまで回復した。いくつかのセットアップ作業と、電装系のチューニングを行い、新たなソフトウェアの理解に努めた。そして午後は、タイヤのプログラムを開始した。新たな構造のブリヂストンタイヤに関する作業を行い、良い感触を得た。ターン8でちょっとしたミスを犯し、コースアウトを喫してしまったが、幸いにもすぐにコースへ復帰し、プログラムは完了することが出来た。全てのテストにおいて、全ての面で改良が順調に進んでいる」

新年初のテストが行われたこの日、パナソニック・トヨタ・レーシングが遭遇した唯一の機械的トラブルは、終了直前の、小さな配線ミスのみであった。

ディーター・ガス : チーフ・レース・エンジニア

「今日は新年初のテストで、良いスタートを切ることが出来た。リカルド・ゾンタがスピンを喫したことで
ほんの少し遅れを生じたが、プログラムの大部分を処理することが出来た。タイヤに関してもいくつか新しいことを学んだ。ブリヂストンタイヤは、これまでとは異なる方向性でのセットアップを必要とするため、今日はラルフ・シューマッハーの“TF106”でその作業を主に行った。終了直前に、ちょっとした配線の問題が起こったが、深刻なものではない。我々はクリスマス前のテストと同じ方向性で作業を続けており、有意義な結果を得ている」