パナソニック・トヨタ・レーシングは、スペイン・ヘレスで3日間の予定で参加しているF1合同テストの2日目を迎えた。午前中は、ラルフ・シューマッハーが前日から引き続きセットアップとタイヤテストを続行。昼食を挟み、ヤルノ・トゥルーリへとテストは引き継がれた。息子と初めてのクリスマスを過ごしたヤルノ・トゥルーリは、今年初のテストへと臨んだ。
多くのトップドライバーと、トヨタとの接触について噂が流れる中で、ヤルノ・トゥルーリは“TF106”のコクピットへと戻った。このような憶測に直面しても、チームはラルフ・シューマッハーとヤルノ・トゥルーリの両ドライバーと共に、鍵となる部分の開発を続けることで、その関係をより固いものにしている。そして、今はパナソニック・トヨタ・レーシングの誰もが、2006年シーズンへ向けた
プログラムに集中している。
一方、サードドライバーのリカルド・ゾンタは、ブリヂストンタイヤのプログラムを続行。最新型のタイヤ構造とコンパウンドを数種類試した。彼は、昨日同様、午前中に、電気系に問題を抱え、中断を余儀なくされたが、その後は、有意義な一日を過ごした。
ラルフ・シューマッハーは、今回の合同テスト最後となるが、ブレーキング時に“TF106”の後部がやや神経質な挙動を示すことを発見した。そして終盤、ターン1でコースオフを喫してしまったが、“TF106”の進化に満足してテストを終えた。
ラルフ・シューマッハー: TF106/02
ベストラップ:1分19秒189
周回数:34周
走行距離:150.552km
「全体的に成功裏に終わったテストであったが、まだタイヤの面で多くのプログラムが残っている。ブリヂストンタイヤの開発作業は、非常に興味深く、まだ始まったばかりだが満足している。“TF106”には、わずかにバランスの悪い部分を発見したが、それはタイヤよりもセットアップの問題であった。後部が少し神経質な挙動を示し、ターン1でスピンを喫してしまったが、大きな損傷はなかった」
ラルフ・シューマッハーがテストを終了した後、TF106/02のセッティングはヤルノ・トゥルーリ用に変更された。ヤルノ・トゥルーリは、クリスマス休暇で英気を養い、彼が昨年獲得した表彰台から、もう一段上へと進むために、2006年初の走行を開始した。
ヤルノ・トゥルーリ: TF106/02
ベストラップ:1分19秒975
周回数:18周
走行距離:79.704km
「今日テストに復帰してみて、来るシーズンへ向けて全てを楽観視している。昨年よりも良い年になると思うし、優勝も期待出来るはずだ。今日は2度の走行のみで、多くを語ることは出来ないが、コクピットに戻って来られたことは嬉しい。ギアボックスに関して若干の改善が感じられたが、明日、私はより良いアイデアを試すつもりだ」
リカルド・ゾンタは素晴らしいタイムをマークして、タイヤのテストが確実に進んでいることを示し、快調にテストを終えた。
リカルド・ゾンタ: TF106/01
ベストラップ:1分18秒541
周回数:71周
走行距離:314.388km
「今日は良い一日であった。タイヤについて非常に建設的ないくつかの発見をし、プログラムを完了出来た。今は誰もがV型10気筒エンジンについては忘れ去らなくてはならないが、我々は、新たなV型8気筒エンジンに合うタイヤを新たな方法で見出し始めている。もちろん我々は、今までとは異なるブリヂストンタイヤを使用しているのだが、それはコーナー進入から中盤までは良くなっているが、脱出においてはそれほどでもないように見える。とはいえ我々は好調だと思う。V型10気筒エンジン搭載車や、規制以前の有利な空力形状を持った旧型F1カーを除けば、我々は常に上位に位置している。昨日同様、我々は、今日も最速タイムを記録した。合同テストでは、多くの仕様のテスト車が混走しているため、ラップタイムで判断するのは難しいが、我々と同じような今シーズン仕様で走っているライバル車と比較すれば、我々は非常に速い」
予定されていたドライバー変更と些細な電子的トラブルは、強力な技術的進歩を阻害することはなかった。
パスカル・バセロン: シャシー部門研究開発チーフ
「我々にとって容易な一日ではなかったが、とはいえ今日も有意義な一日であった。ラルフ・シューマッハーがスピンを喫したが、特に深刻なものではなかった。ただ、非常に多くの砂利を巻き込んでしまったので、結果的にヤルノ・トゥルーリの今年最初の走行は予定よりも少し短くなり、ラルフ・シューマッハーが始めていたセットアップ作業を継続することとなった。また、リカルド・
ゾンタとは、タイヤ構造とコンパウンド両面で広範なタイヤテストを行い、いくつかの興味深い発見があった」
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