パナソニック・トヨタ・レーシングは、1月25日(水)から3日間に渡り、スペイン・バルセロナ近郊のカタルニア・サーキットでのF1合同テストに参加している。2006年シーズンの開幕戦バーレーンGPまで、あと6週間と迫り、カタルニア・サーキットには多くのチームが集結。2006年仕様の新型車を持ち込むなど、各チームとも、冬季テストプログラムのピッチを上げている。
ドライバーは昨年と同じ顔ぶれを継続するパナソニック・トヨタ・レーシングにとって、技術面での最大の変革は、ブリヂストンタイヤへの変更である。チームは冬季テストプログラムにおいて、ブリヂストンの最新タイヤに“TF106”を最適化することを最重要視しており、今週のテストは、その主要な位置づけとなる。
ヤルノ・トゥルーリは、数日間に渡って、息子エンツォを乗せた特製ソリを引きながらのクロスカントリー・スキーによるトレーニングを行ってリフレッシュした後、再びF1テストに合流した。一方、オリビエ・パニスは、フランスのセール・シュバリエで行われた氷上レースに参加し、やはり同じように雪の上で過ごし、再びF1テストの場へと戻ってきた。
ヤルノ・トゥルーリ: TF106/02
ベストラップ:1分17秒060
周回数:110周
走行距離:508.97km
ヤルノ・トゥルーリはブリヂストンの最新タイヤ開発に満足しており、バルセロナでのテスト初日で100周以上を走破した。
「全体的に非常に良い一日であった。早朝、霧に見舞われて開始が遅れたものの、タイヤのテストとセットアップ作業に専念し、大きな進化を遂げることが出来た。信頼性の面でも全く問題なく、納得のいくタイムを刻むことが出来た。ブリヂストンは、タイヤ性能の持続という面で確実に良い進化を遂げている。彼らは、本当にハードな作業を続けており、我々がサーキットに来る時には、いつも我々の“TF106”に、よりマッチするように改良された新しいタイヤを用意してくれている。我々は確実に良い方向へ進んでいる」
オリビエ・パニス: TF106/01
ベストラップ:1分17秒420
周回数:93周
走行距離:430.311km
オリビエ・パニスは、ヤルノ・トゥルーリ同様、タイヤテストに集中した。この経験豊かなドライバーは、シーズン開幕へ向けて確かな手応えを感じている。
「成果のあがるタイヤテストを行うことが出来た。この“TF106”は非常に良い基本性能を持っていると思う。前後のバランスも良く、シャシーの剛性感も高い。現在、我々全員がバーレーンGP前に導入される新しい空力パーツを待っている状態だ。それは非常に重要なステップとなるだろう。そして、これらを考慮に入れれば、どのライバルチームと比較しても非常に良いパフォーマンスが期待出来る。我々は上位に位置していると思うし、昨年と比べても、非常にポジティブに感じる。“TF106”は、よりドライバーの感覚に直結したものとなり、チームの誰もが確かに自信を持っている。一切緊張は感じておらず、実戦へ向けて全員準備が出来ている」
マイク・ガスコイン: シャシー部門テクニカルディレクター
マイク・ガスコインはバルセロナ合同テストの初日に得られた有意義なデータに満足している。
「非常に実りの多い一日であった。2台の“TF106”が共に多くの周回をこなし、信頼性も高かった。ヤルノ・トゥルーリとオリビエ・パニスの2人はタイヤテストに専念し、その構造とコンパウンドをテストした。全てのプログラムを遂行することが出来、両ドライバー共に“TF106”に非常に満足している。そしてタイヤ開発についていくつかの非常に明確な方向性を見出すことが出来た」
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